第36話「自費出版の講演会」
30人ほどが集まったホール。A社から自費出版した年配の男性が記念講演をする。A社で提案された契約に含まれていることだ。むしろこっちがメインと言ってもいい。年配の男性が慣れないスピーチを終えると、A社の社員が割れんばかりの拍手をした。
その後男性にサインと握手を求め、喜ばせる。この時だけは売れっ子作家の気分を味わえる。これ込みでA社が提示する自費出版の費用は数百万にも及ぶとか……。
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