第28話「素手兵」

戦いの最後は徒手空拳がものをいう、ということで、ある国で文字通り全く兵器を使わずに戦う「素手兵」という兵科が創設された。

訓練内容は素手で動物と戦ったり海や川を泳いだり登山したりそこらへんにある石や棒で戦ってみたりと原始人みたいなことをしていた。それは「暴虎馮河の勇」の者を作り出そうという試みであった。

外への宣伝としては素手兵によるアクロバットな見世物をしたり格闘の試合を見せたりしていた。軍事の専門家は「核戦争後の戦争以外では役に立たない代物」と評価した。他方でその動向に注目する好事家も多数いたらしい。

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