幕間Ⅲ

 おはようございます。あるいは、こんにちは。はたまた、こんばんは。

 本シリーズの著者、カロンです。ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます。第9話を終えたので、再び幕間を挟み、PCたちの現状を紹介できればと思います。

 物語が一つの山場を迎えると同時に、それぞれの戦闘スタイルが確立・拡張されてきました。やはりSWは、冒険者レベルが9を超えた辺りから、面白さの度合いが違いますね。できることの幅や深みが増してくる、と言いますか。


 ***


〇ウィリアム・シャーウッド

 基礎データ:エルフ/64歳/男性 185cm 70kg

 技能   :シューター9、スカウト7、ウォーリーダー4、アルケミスト4、

       マギテック2、エンハンサー1、セージ1

 戦闘特技:

 Lv.1:ターゲッティング

 Lv.3:狙撃

 Lv.5:牽制攻撃Ⅱ

 Lv.7:武器習熟A/クロスボウ

 Lv.9:武器習熟S/クロスボウ

 (自動習得:トレジャーハント)

 (  〃  :ファストアクション)


 デスベアー最高!(byカロン)

 《武器習熟S》を習得して武器を買い替えたことで、攻撃力が一気に増した。もちろん、戦闘特技やクリティカルを考慮すると前衛には及ばないが、安定したダメージを毎ターン出し続けることができるのが強み。《狙撃》がクリティカルしようものなら、パーティ最強の単発火力を叩き出すことができる。

 また、新たにウォーリーダー技能を習得したことで、魔神を含む味方全体の命中力をフォローできるようになった。ボーナス修正は+1が精々だが、侮るなかれ。ウィリアムやイロハが【ヴォーパルウェポン】や【クリティカルレイ】を優先できる機会が増えると考えれば、決して馬鹿にはできないだろう。【マッスルベアー】が意味をなさないクロスボウ使いとしては【慮外なる烈撃Ⅰ】も嬉しい。

 ここまでの成長で、ウィリアムというキャラクターに必要な技能や戦闘特技は、およそ取り終えたと見ていい。《鷹の目》や《射手の体術》は魅力的だが、前衛と火力を合わせて敵の数を減らすことを重視する今のスタイルでは、優先度は低いだろう。


***


〇ハニー・ヨーグル

 基礎データ:ティエンス/17歳/男性 180cm 90kg

 技能   :ファイター9、ライダー9、レンジャー3、エンハンサー1

 戦闘特技:

 Lv.1:武器習熟A/ソード

 Lv.3:防具習熟A/金属鎧

 Lv.5:全力攻撃Ⅱ(置き換え)

 Lv.7:武器習熟S/ソード

 Lv.9:防具習熟S/金属鎧

 (自動習得:タフネス)


 シンプル・イズ・ベスト、爆誕。

 《全力攻撃》がランクアップしたことで、毎ターンの攻撃力が実質+8されるという超強化が施された。《防具習熟S》を追加し、新しい鎧に着替えたことで、防護点も一気に5点上昇。重装ファイターの王道ともいえる、癖も隙もないステータスに仕上がった。

 当然、ここに騎獣の攻撃力や耐久力、機動力が加わるため、前線の構築と維持が大得意。新たな騎芸【トランプル】を習得し、乱戦から後衛へ突撃することが可能になったので、パーティがとれる攻撃手順の選択肢が増えた(この卓では「形状:突破」の能力を「座標移動を伴う特殊能力」と定義し、乱戦状態から使用することを許可している)。

 戦闘外でやれることが少ないのが玉に瑕だが、そこはロールと種族特徴でカバー。ぺんぎんの勘の良さとメタ読みは、下手な技能よりよっぽど厄介なのだ。


 ***


〇アリエッタ・ノーランド

 基礎データ:人間/17歳/女性 157cm 体重は秘密

 技能   :デーモンルーラー8、コンジャラー6、

       フェアリーテイマー4、セージ8

 戦闘特技:

 Lv.1:魔法拡大/時間

 Lv.3:魔法拡大/すべて

 Lv.5:MP軽減/デーモンル-ラー

 Lv.7:マリオネット

 (自動習得:鋭い目)

 (自動習得:弱点看破)


 熊八「経験点が足りないよぅ」

 カロン「でしょうね」

 やはり魔法使い系技能3つは経験点の消費が激しく、今日も熊八はやりくりに苦心している。魔神で攻撃し、ゴーレムで防御し、妖精で回復し……何でもこなせる万能性の代償として、技能レベルを妥協せざるを得ない状況に陥っているのだ。モンスターテイマーの道は険しい。

 しかし、アリエッタが光属性の妖精を呼ぶようになったことで、パーティ全体の生存力は格段に向上した。《マリオネット》で柔軟に運用できるのも強み。次回以降の冒険で《魔力強化》を習得できれば、他メンバーより低いレベルを補強することもできるだろう。地道にレベルアップしているセージ技能も頼りになる。

 なお、今回の冒険で得た特殊能力【異界の理:磨擦鉄硯】デモンズコード:エクスノレッジは、次の点を除けば通常の魔神召喚と同じ能力である。当然、送還判定の達成値は厳しくなるが、封入具の送還判定ボーナスなどを活かし、上手く乗り切ってもらいたい。


・「冒険者レベル+2」レベルまでの魔神を召喚できる。

・召喚時、通常のMP消費とは別に「召喚対象のレベル×2」点のHPを消費する。この消費HPは送還判定に成功しても還元されない。

・魔神の送還を終えるまで、術者はその場から一切移動できなくなる。転じて、強制的に移動させられる能力を無効化する。

・すでに召喚した魔神がいる場合、それを供物の代用品として捧げることができる。ただし、その魔神を召喚した際のMPは還元されない。


 ***


〇イロハ・ニルヴレン

 基礎データ:リカント(リカオン)/15歳/女性 165cm 体重は秘密

 技能   :フェンサー10、スカウト7、プリースト(イーヴ)5、

       アルケミスト3、エンハンサー1

 戦闘特技:

 Lv.1:武器習熟A/ソード

 Lv.3:回避行動Ⅱ

 Lv.5:必殺攻撃Ⅱ

 Lv.7:武器習熟S/ソード

 Lv.9:マルチアクション

 (自動習得:トレジャーハント)

 (  〃  :ファストアクション)


 遅まきに じわりと花咲く プリースト(字余り)。

 《マルチアクション》を習得したことで、立ち回りの選択肢が増えた。基本は両手持ち+《必殺攻撃》だが、片手持ちと盾(脇差だけど)に切り替えて回避力を確保しつつ、【キュアハート】や【セイクリッド】系魔法で援護に回ることも可能。魔力は低めだが、最低限の回復力は確保できているだろう。蛮族、アンデッド、特殊神聖魔法も含めれば魔神と、敵になりがちな魔物に有効な魔法が揃っているのも心強い。

 一撃もらえば瀕死に陥る脆さは相変わらずだが、《回避行動》がランクアップしたため、よほどGMが意地悪な敵を用意しない限り、近接攻撃を受けることはないだろう。クリティカルダメージも依然として高く、パーティの特攻隊長として大活躍してくれる。

 なお、プリースト技能を補強するキリコを見て「よし、スカウトはいったん後回しにしてくれたなフフフ」とGMがほくそ笑んでいたのは内緒。


 ***


 以上の成長を終え、第10話に臨みます。

 TRPGに限った話ではありませんが、「やれることが増える」ワクワクは素晴らしいものですね。正直、GMが一番ワクワクしているかもしれません。いつも付き合ってくれてるプレイヤーのみんなに感謝!

 あと、最新話でわざわざ刀を破壊したことから察していただいていると思いますが、次回はイロハをメインに据えたセッションです。乞うご期待。

 では、引き続き『十字星の導き』をお楽しみください。


 カロン

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