幕間Ⅱ

 おはようございます。あるいは、こんにちは。はたまた、こんばんは。

 本シリーズの著者、カロンです。ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます。第6話を終えたので、再び幕間を挟み、PCたちの現状を紹介できればと思います。

 死線を潜り抜けたからでしょうか、味方をカバーすることを全員が意識し始めました。敵の攻撃は各々で対処し、ダメージを受けた味方がいれば素早くフォローする、という流れが見えますね。

 とはいえ、「やられる前に総攻撃」というマッシブな方針は相変わらず。これを「チームワーク」と呼ぶか「個人プレーの束」と呼ぶかは読者諸兄にお任せします。


 ***


〇ウィリアム・シャーウッド

 基礎データ:エルフ/64歳/男性 185cm 70kg

 技能   :シューター8、スカウト7、マギテック2、アルケミスト3、

       エンハンサー1、セージ1

 戦闘特技:

 Lv.1:ターゲッティング

 Lv.3:狙撃

 Lv.5:牽制攻撃Ⅱ

 Lv.7:武器習熟A/クロスボウ

 (自動習得:トレジャーハント)

 (  〃  :ファストアクション)


 狙撃シューターというスタイルはそのままに、賦術のバリエーションを増やした。

 1ラウンド目は【クリティカルレイ】を使用した狙撃、2ラウンド目以降は【ヴォーパルウェポン】と【ヒールスプレー】を使い分けながら射撃、という戦法が基本にしてすべて。全力攻撃型のファイターばりにシンプルな戦いしかできないが、純シューターの戦いなんてそんなもんでしょ、と割り切っている。【パラライズミスト】も習得候補ではあったが、すでにイロハが使えることも踏まえ、味方のHPのフォローを優先した。

 主動作を射撃に割かなければならない都合上、どうあがいても味方の援護は苦手。その分、敵を迅速に仕留めることで貢献するしかない。まさに狩人。だが、与ダメージ量で活躍すればするほど、矢弾の購入費がかさんでいくという業を背負っている。生きろ。

 なお、地味にセージを1レベルだけ習得し、汎用蛮族語の会話に対応できるようにした。密偵としての役割も多少はやりやすくなった……かも?


***


〇ハニー・ヨーグル

 基礎データ:ティエンス/17歳/男性 180cm 90kg

 技能   :ファイター7、ライダー7、レンジャー3、エンハンサー1

 戦闘特技:

 Lv.1:武器習熟A/ソード

 Lv.3:防具習熟A/金属鎧

 Lv.5:全力攻撃Ⅰ

 Lv.7:武器習熟S/ソード

 (自動習得:タフネス)


 一気に頑丈にな(りやが)った。

 《タフネス》を自動習得したことで、HPが約1.5倍に急増。《武器習熟》の習得や騎獣の強化も相まって、耐久力を増しつつ、着実に火力を伸ばしている。命中力に物足りなさを感じる場面もあるが、味方の補助と練技で乗り切ってきた。器用度ボーナス5も目前なので、よほど素早い敵が相手でもない限り、じきに気にならなくなると思われる。

 ライダーと並行して育成している分、成長速度はやや遅いが、運用方法はウィリアムに次いでシンプル。活躍するタイミングがはっきりしているので、あまり想定外の動きをしないという意味では、GM的に有り難い存在である。もっとも、いずれレンジャーに注力し始める日が来れば、そんな悠長なことを言っていられなくなるのだが(《不屈》も《ポーションマスター》も強すぎない?)


 ***


〇アリエッタ・ノーランド

 基礎データ:人間/17歳/女性 157cm 体重は秘密

 技能   :デーモンルーラー7、コンジャラー4、

       フェアリーテイマー3、セージ6

 戦闘特技:

 Lv.1:魔法拡大/時間

 Lv.3:魔法拡大/すべて

 Lv.5:MP軽減/デーモンル-ラー

 Lv.7:マリオネット

 (自動習得:鋭い目)


 熊八が「フェアリーテイマー技能を追加してもいいか」と言った時、GMは思わず聞き返した。「Pardon?」と。

 まさかの魔法使い系技能×3。どこぞのいねむりポケ〇ンもびっくりの重さに目を回しそうになったが、話を聞けば『光属性の妖精を召喚する』ことが目的とのこと。操霊魔法【アース・ヒール】の回復量は、良くてサブヒーラー程度。だったら、回復専門の妖精を召喚してメインヒーラーになってもらおう、という訳だ。熊八の思考の柔軟さ、そしてパーティ全体の成長速度を鑑みて事前相談する気配りに、頭が下がるばかりである。

 無論、GMは了承した。アリエッタがもともと習得している《マリオネット》と相性良好だし、キャラクター造形にも深みが出て面白い。何より、プレイヤーの希望はできるだけ叶えるべきだと思う。

 それはさておき、経験点が重すぎるという問題は当然ある。今後のパーティメンバーの育成次第だが、アリエッタにだけ経験点を多めに配る、などの配慮は必要かもしれない。気持ちよくプレイしてもらうのが一番だしネ。


 ***


〇イロハ・ニルヴレン

 基礎データ:リカント(リカオン)/15歳/女性 165cm 体重は秘密

 技能   :フェンサー8、スカウト7、プリースト(イーヴ)2、

       アルケミスト3、エンハンサー1

 戦闘特技:

 Lv.1:武器習熟A/ソード

 Lv.3:回避行動Ⅰ

 Lv.5:必殺攻撃Ⅱ

 Lv.7:武器習熟S/ソード

 (自動習得:トレジャーハント)

 (  〃  :ファストアクション)


 「スカウト7かぁ……」。そう言ってGMは頭を抱えた。そう、《ファストアクション》である。

 イロハとウィリアムが揃って先制をとってしまえば、初手で敵前衛を壊滅させることも難しくない。おまけに、敏捷度ボーナスも知力ボーナスもウィリアムと並んだので、隠密判定や探索判定における成功率もパーティ中トップタイ。もはやサブではなく、立派なメインスカウトである。ウィリアムの明日はどっちだ。

 しかし、耐久力がグラップラー並みに低く、魔法に弱いという欠点は相変わらずなので、これらの点をいかに克服できるかが今後の課題になるだろう。先の冒険を終え、プリースト技能や《マルチアクション》への関心も高まっている(はず)だから、今後に注目である。


 ***


 【おまけ】

〇アスタル・カウフマン

 基礎データ:ナイトメア(ドワーフ生まれ)/34歳/男性 178cm 76kg

 技能   :プリースト(グレンダール)15、ファイター13、レンジャー9

       スカウト5、エンハンサー2、アルケミスト2

 戦闘特技:

 Lv.1:魔法拡大/数

 Lv.3:武器習熟A/スピア

 Lv.5:マルチアクション

 Lv.7:防具習熟A/金属鎧

 Lv.9:防具習熟S/金属鎧

 Lv.11:防具の達人

 Lv.13:武器習熟S/スピア

 Lv.15:足さばき

 自動習得:タフネス、バトルマスター、ルーンマスター、トレジャーハント、

      治癒適正、不屈、ポーションマスター


〇クラフト・パルメザン

 基礎データ:エルフ/35歳/男性 175cm 55kg

 技能   :コンジャラー15、ソーサラー14、セージ10、シューター6、

       レンジャー5、アルケミスト5、エンハンサー1

 戦闘特技:

 Lv.1:精密射撃

 Lv.3:武器習熟A/クロスボウ

 Lv.5:魔法拡大/数

 Lv.7:MP軽減/コンジャラー

 Lv.9:鷹の目

 Lv.11:ダブルキャスト

 Lv.13:魔力強化Ⅱ

 Lv.15:魔晶石の達人

 自動習得:ルーンマスター、治癒適正、鋭い目、弱点看破、マナセーブ


 『SW2.0』時代、我々は今とは異なるキャラクターたちで10年以上にわたる超長期セッションを行い、一つの国(本編でいうところの「本国」)を持つに至りました。彼らは、その時に使用していたキャラクターです。アスタルはカロンが、クラフトはぺんぎんが、それぞれ担当していました。

 アスタルは、カロンが『SW2.0』ルールブック3巻に載っていたサンプルキャラクターに惚れたことで生まれました。回復役兼サブアタッカーという立場上、特にボスキャラクターにまったく攻撃が当たらないという事態に陥りがちでした。どれくらい悲惨だったかというと、強化魔法、練技、賦術、インドミタブルポーションをフル活用して、ようやく命中率50~60%になるほど。セラッサルーイやルンゼマーゼと相対した時は、「バフ積まなくても攻撃が当たってるじゃん!」とみんな(GM含む)で驚いたほどです。

 クラフトは、作成当初はエルフらしく射撃武器で戦うキャラクターでした(序盤の戦闘特技に名残が見られますね)。しかし、「これ普通に魔法使いやった方が活躍できんじゃね?」とぺんぎんが気づいたことで方針転換。最終的には、初手【ヘイスト】で味方陣営の攻撃力を2~3倍に増強する極悪バッファーとして大暴れしました。もちろん耐久性はもやし並みですが、【スケープ・ドール】と【ブリンク】のおかげでちっとも落ちない。GMやってて一番憎たらしいキャラクターでした。ロール的にも。

 なお、自分たちは彼らのキャラクターシートを某ファミレスで作ったのですが、この時ぺんぎんの手元に、とある有名メーカーの粉チーズが置いてあったことで、この書くだけで肩の力が抜けてしまう珍名が爆誕しました。あだ名は当然「チーズ」。やってること10年前と変わんねぇな俺ら。


 ***


 以上の成長を終え、第7話に臨みます。だんだんパーティに不足しているものが補われていく感じがいいですね。長期キャンペーンの醍醐味です。

 では、引き続き『十字星の導き』をお楽しみください。


 カロン

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る