第6話
(射出は入れ物としてのスキルじゃないポーチのスキルは《最適化》。自分のいる場で最適の身体能力を得られる。それよりも、あの靴と街灯は?)
クスは自身のスキルを思い返してリュミの気配を感じとっている。リュミの身体は、2回り背が縮み足には速度強化と腕には腕力強化の魔術が施されている。
クスは機物転生者の通常スキル《視点共有》でリュミの視線と同調している。リュミの目からは何も感じてないが、クスの視界には靴と街灯から黒い靄がかかっているように見えている。
(下駄のスキルは瞬間移動。どれだけスピードを持っていようと、叶うわけがないわ)
(ッチッ!俺の持ってる灯りの無機物は灯りを持つものならあらゆる物に変形出来るのに、街灯と懐中電灯にしかならねぇ)
女と男は自身の持ってる道具の事を考えながら戦いかたを模索する。
「光れ!!」
『リュミ!!変わる』
男が叫ぶと、街灯は強い光を放ち全体を真っ白に染め上げる。リュミと女は思わず目をつぶる。
「ぶっつぶしてやんぜ!!」
ガキン
男が言いながら上から街灯を振り下ろすと、何かの金属にぶつかる音が響く。
「ったくなにすんのよ!?ってええ?」
「なんだ!?」
光に目をやられて回復した女が前を見つめると、そこにリュミの姿はなかった。いな、あったのは人間1人が入る手品用の箱だった。
(死のマジッ○ボックスじゃねぇから相手を倒せはしかいけど、完全無効化スキルのマジックボックスならあらゆる攻撃からリュミを守れる)
「クスありがと」
『気にすんな、それよりどうする?』
「もちろん反撃する。状態はキャリーケースでお願い」
『ああ、あれかなるほど』
こんな話をしてる間も女と男は攻撃を続けてるが破壊される気配はない。
「ッホント頑丈ね。この箱。ねぇほっといて進んだらよくない?」
「ああっ!?こんな逃げ腰に負けてられっかよ!行くなら一人で行け!」
「わかったわよ、じゃあそっちは任せたわよ」
そして二人は別れた瞬間マジックボックスは解かれた。
地球帰還の無機物転生者(インテリジェンスウエポン) 思春期の老害 @rougai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。地球帰還の無機物転生者(インテリジェンスウエポン)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます