第5話2つの無機物

出ようと思ったけど、リュミさんとアンさんに止められて座ったままでいる。風利と二人でまとまって座っている。


「私から離れないでくださいね。リュミさん。任せて大丈夫ですか?」


「問題ない」


アンの言葉に頼もしく返事している。ネクさんの姿もネクタイからスカーフへと姿を変えていた。


「行ってくる」


~玄関~

「最初から獲物が来るとは殊勝なことじゃねーか」


「あら、かわいい娘ね」


筋骨隆々な背の高い男性と赤い服の金髪の女性がいやらしい笑みを浮かべながら、リュミを見定めてる。


「理由はわからない。目的はわかってる。かかってきて」


リュミが徒手空拳の構えを取る。


「へぇ~。こんな狭い場所で俺達とやるとか舐められてるな」


「油断しないで。反応は2つあるんだから囮かもしれないわ」


「へっ、どんだけ来たとこで意味ねぇよ」


男は懐中電灯を取り出し右手に構え、女は靴の爪先で地面を2回蹴ると履いていたハイヒールが草履へと形が変わる。


「まずは、小手調べだ。ほーら!!」



「!!」



男が懐中電灯を右から左へ振りかぶると懐中電灯は形を街灯へと変えてリーチが伸びてリュミを横から凪ぎ払おうとしたが、リュミはバックステップで避ける。


「私もいるわよ」


避けた先の眼前には女の姿がいた。


「クス!」


『おう!!』


「くっ!!危ないわね」



リュミが入れ口を女に向けるとクスの中からナイフが飛び出てくる。女もスウェーで顔をのけぞらせ回避する。



※このバトルが終わりしだい部屋はアンの魔法により元通りになるため心配はありません。今後の戦闘シーンでは結界的なものも使われるため街中での被害は軽微になります。

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