第4話客人

『俺達が転生してからそんなに経ってたのかー』


『本当に年号変わってるとか驚いたよ』


こちらの世界の現代事情をネクやクスに伝えると二人とも驚いてたようだ。まぁ、表情はわからないけど。


「これ、美味しいですね」


「うん、まぁまぁやる」


二袋目のハート愛チップを開けて、地球談義に華を咲かせてる。

そうしてしばらくが経ったころ、リュミとアンの雰囲気が変わった。お互いの耳がピクっと動いた。


「ど、どうしたんだ?」


「殺気をこの部屋に向けられてる」


「そうね。おそらくだけど、この家狙われてるわ」


率直に聞いたら、驚きの返答が返ってきた。なぜ?この家に狙われるの?


『アン。代わるぞ』


「うん、お願い」


その言葉と共にネクの姿が光の粒子となり、すぐに形をネクタイへと変えた。異世界の衣装に現代風のネクタイってマニアックでアンバランスだなー。


『ネクタイの能力は《現場把握》だ。装備者が選んだ人間の目的や行動を予測できるし、一定空間で起きる出来事の未来予知。未知の生物や始めて出会った人に対しても使える』


「オオー!!すげぇ」


そんな能力が!!ああ、俺も異世界転生してレベルアップしてぇ。


「わかったわ。近づいてるのは坊主頭の男性と赤い服の女性ね。そして目的はネクくんやクスさんの奪取」


狙いは無機物転生者!?えっ?もしかしてバトロワでも始まってんの?俺が思ってるより無機物転生者って多いの?


「クスは渡さない。クス、お願い」


『おう、任せろ』


クスもまた光の粒子となり、形をショルダーポーチへと変形した。


<ピンポーン>


そしてインターホンが鳴った。

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