第2話 後編
やがて
木と木を、あるいは
するとやはりまわりのことがはっきりしてきて、比較の心によるいさかいがよけいに起こった。
いさかいの
かれらは、やられたらその倍にして返してやらねば気がすまない
かれらは木や石で相手を攻撃し、よりいためつけることを覚えた。そのうちにわざと先を
知能の高いものは
黒い森の民はいくつかの集団にわかれた。
王は森の
集団は
そしてある集団が、
建物の中でかれらは組織化され、国家というものが形成された。建物をつなぐ道も
火によっててらされた世界の中で、物を作る技術が発達した。
森や水辺はほとんどなくなった。とうとうかれらは
しかし
比較が比較を、欲が欲を、いさかいがいさかいをうんだ。かれらはつねにおだやかで満ちたりた平安をもとめているはずなのに、どんなに
みなつかれ果てていた。
みたされない身のうちの苦悩のはてに、自死をもとめるものもいた。心の平安はもともとかれらにはあたりまえだった。なのに、どんなに技術を向上させても、もはやけっして手には入ることはないものになってしまった。
西の国と東の国が、太陽の発光の
ひそかに森の
すなわち、王家にのみに伝わる秘密の
くさびは王家で神のくさびと呼ばれていた。王は代々、もしも黒い森が王の手にあまるほど
王が引き抜いたくさびの、ささっていた穴から、大量の水がふきだした。水の流れはとどまることなく、世界のすべてをのみこんだ。
のみならず、ものをじわじわと溶かす作用があった。
神の
神の水はすべてをほろぼしたあと、くいのささっていた穴に、
それから長い年月がたった。同じ地では、おぼろの月の下、ところどころ水におおわれた更地の地面に、黒い植物が一つ生えた。
おそらくこれからまた長い時間をかけて、新しい生命がうまれるのであろう。
かれらが生きる間に、おそらくあのまばゆい
次にうまれてくるかれらは、
水影の森 Meg @MegMiki34
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