第12話 リボン状の生地

 それでは、材料を混ぜていこう。


 まずは、ボウルに米粉、葛澱粉くずでんぷん、きび砂糖、ドライイースト、塩を入れて、泡だて器で混ぜる。前に使ったレシピではゴムべらで混ぜていたが、こちらのレシピでは泡だて器を使っていたのでそれにならった。きっとこの方が、誰がやっても均等に混ぜることが出来るのだろう。


 ぐるぐると回してかき混ぜたら、材料の入ったボウルにお湯(38~39度に設定したもの)と米油を入れる。ここで注意したいのが「お湯を全部いれないこと」。生地の状態はそのときの気温や室温によって変わるので、必要に応じて加減する。


  レシピでは、お湯「小さじ1を残す」と書いてあったのだが、私は大さじ1くらい残して混ぜてみた。


 すると前回同様にどろっとした生地になったので、「またダメか……」と思ったが、大さじ1を少しずつ加えていったところ、なめらかになっていた。どうやら「小さじ1」の量が生地の状態を左右するようだ。なるほど。


 また、このときは「ゴムべらで混ぜること」とレシピに書いてあるので、その通りに行う。(私の経験上、泡だて器で混ぜると、生地が固まりやすく、粉っぽさから脱却しにくかった。そのため、ゴムべらなのだろうと予想される)


 生地が滑らかになり、ツヤが出るかでかき混ぜる。その上で、ゴムべらで生地を上に持ち上げたとき、下に落ちていく生地が「リボン状になっていること」が理想である。今回は、今までと違ってレシピ通りの状態になっている。なかなか順調だ。


 次に、オーブン用シートを敷いた型に入れ、上にラップを被せる。


『米粉100%のパンとレシピ』(高橋ヒロ/イカロス出版)を読んで分かったことだが、米粉は乾燥しやすい。パン屋さんなどで売られている米粉パンは、確かに「乾燥しやすい」と書いてあるが、まさか生地の状態から乾燥しやすいとは思わなかった。


 つまり上に被せたラップは、乾燥防止というわけだ。


 型をオーブンに入れ、発酵機能を使って30分発酵させる。レシピには「オーブンの温度を35度に設定」と書いてあるのだが、我が家のそれは50度ずつのアバウトな設定しかできないので、勘で温度調整。


 生地の様子をオーブンの窓から時折伺うと、膨らんできているのが分かる。


 型に入れたときよりも、1.5倍の大きさになったらオーブンから取り出し、室内でさらに発酵。その間にオーブンは160度に温めておく。


 室内で発酵させるのは、オーブンの予熱を待っている間に過発酵になることを防ぐためである。発酵は足りなくても、やりすぎても仕上がりがイマイチになってしまうので、丁度いいところの見極めが重要だ。


 オーブンの予熱が完了するころ、型の上にオーブン用シートを被せ、さらにアルミホイルを二重に被せる。これも先ほどラップをしたときと同様、乾燥を防ぐためである。私は型の周りにしっかりとアルミホイルを巻いて防御し、オーブンへ入れた。

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