第2話 手掛かり
ある日僕は友人と休日に呑みに出た
久しぶりの呑みだ
今日も頭をバグらせよう 日々のストレスを吹き飛ばすのだ
こんな事を考えながら街に向かった
そんな街はいつもより混んでいた
いつも最初は居酒屋に行きその後は友達がやっているバーに顔を出し 酷い時は朝まで飲み潰れていた
金は無くなるがこれが楽しいのだ
逆に言えばこれくらいしか楽しみが無いのだ
だが街が混んでいるせいかいつも行く馴染みのバーも満席で入れなかった
また席が空いたら連絡してくれるとの事だった
このまま諦めて帰るテンションでも無く
友人と新規開拓しようって話になり行った事の無いバーに行く事にした
どこもいっぱいだったが街の繁華街の隅にある
寂れたバーには入れた
忘年会シーズンでも無いのに珍しい混みっぷりだ
そのバーはいつも僕が行っているガヤガヤした
バーでは無く静かな大人な店って感じだった
席はカウンターしか無く狭い店内にバーのマスターは良くドラマに出てくる様な中年男性一人だ
とりあえず席に着きカクテルを適当に頼んだ
軽く友人と話していると友人の携帯に会社から電話が入る
プライベートまで会社から電話が来るなんて
つくづく仕事なんて悪だなって思った
友人は席を外し外で電話を始めた
僕は仕方なく一人で静かに酒を飲んだ
こんな雰囲気は慣れてなく苦手だった
店選びを間違えたな、なんて思い始めていた
すると奥の席にいた老人が話し掛けてきた
女の子なら嬉しかったが老人かぁとガッカリもしたが暇だから話し相手になってやった
その老人はホームレスの様な見窄らしい姿だが
バーに呑みに来るくらいだ
ホームレスでは無いのだろう
適当に世間話をしていた
良く喋る老人だ
きっとこの歳になると誰も相手にしてくれないから寂しいのだろう
俺もこうなるのかーと将来の自分と照らし合わせて話を聞いていた
酒を飲むと僕は普段より饒舌になる
気付くと自分の話もベラベラ話していた
老人も楽しそうだ
社会への不満や労働の意味など話していると
僕とは価値観が合う様で意気投合した
すると老人が興味深い話をしてきた
労働したくない人々が集まって毎日自由に生きてる島が地球の何処かにあるのを知っているか?
その話は僕が探してるサイトの話と似ていた
詳しく聞く事にした
なんでも老人はその島に行った事があるらしい
恐らく嘘だろうが 信じたフリをして話を聞いた
だがその島から脱走して来た様だ
何故かは老人は語らなかったなか
その島の行き方を知りたかったが教えてくれなかった
なんだかのジジイはと思っていると
友人が戻って来た
明日仕事入ったの今日は帰るそうだ
クソ、これだから仕事ってのは邪魔なんだ
自由なんて有りはしない
学生の頃は学校に行く事が怠かったが
今となれば学生は天国だ
クソがと心で毒を吐き今日は帰ることにした
老人に別れを告げると暇つぶしになって貰ったお礼に酒を一杯奢った
どう見ても金が無さそうな老人はすごく喜んでいた
会見を済ませると老人は僕に一枚の紙を無言で渡すと店の奥に消えて行った
なんかのレシートかと思いとりあえず財布に入れ
店を出た
外はまだ寒い 頬が寒さで痛かった 終電はまだある時間だが何となく僕は歩いて帰る事にした
駅まで友人を送るとそんなに家まで遠く無いので歩いて帰った
久しぶりにバグらないでシラフで帰る
帰り道コンビニで缶チューハイを買い呑みながら帰った
家に帰ると風呂も入らず布団に潜った
家も寒いが暖房は喉を乾燥させるので好きでは無い
老人と話し事を思い出してネットを探るが
何もヒットしなかった
やはりあの老人のホラ吹きか
酔っていたらでかい事も言いたくなるか
だが何故あの老人はその島の話を知っていのだろか
ネットなど使いそうな感じでなかったが
僕は財布にしまった老人がくれた紙を思い出した
どうせゴミだろうと思い取り出してみると
そこにはURLが書かれていた
しかも見た事ない表記だ
普通の検索エンジンでは見た事も無い
URLだ
僕はもしやと思いそのURLは打ち込んでみた
すると画面は真っ暗になった
まさかあのジジイ 悪戯のウィルスか なんて思っていると画面がパッと光り謎のページが出てきた
英語で読めないが ok.noと二つのクリックできる場所があった
僕は怪しかったがとりあえずokとクリックした
架空請求でも来るくらいだろうと思った
すると画面がロード画面に入り
変なサイトに飛んだ
よくわからない掲示板サイトの様だが
上までスクロールするとサイトのタイトルを見て僕はゾッとした
「堕落労働」
本当に堕落労働は存在したのだ
あの老人は一体何者なのだろう
僕は思った あの老人とは二度と会う事はないだろうと
堕落労働 黒烏龍茶 @118gero
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。堕落労働の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます