23 遺形の承継者
【タイトル】
遺形の承継者
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897780554
【作者】
Skorca 様
【ジャンル】
異世界ファンタジー
【あらすじ】
金色の髪に薄青の瞳、ひときわ美しい容姿を持つヴィーは、旅の途中で物盗りに遭遇するが、そこで賊に捕まり無理矢理働かせられていた幼い少年・ディルと出会う。ディルの親は元々貴族に仕える書記だったが、ある陰謀に巻き込まれ命を落としてしまう。ディル自身も罪人の子として王都を追い出された状況だった。ディルに助けられたヴィーは彼に一緒に来るかと誘う。素性の知れないヴィーを怪しむディルだが、今の状況から脱却するため、ヴィーに付き従うことを決める。
※第18章 ソーン伯 まで読んだ時点での感想です※
【魅力】
権謀術数渦巻く陰謀劇であり、非常に重厚で奥深い物語です。大変読みごたえのある小説であることは間違いないと思います。家、権力、国の勢力図といった問題ももちろんありますが、そういったマクロな舞台の中で中心となるのがディルとヴィーという「個人」の物語というのも対照的でいいと思います。特に第一部は貴族に仕えていたディル視点をメインにして話が進んでいくところが多く、過酷な環境の中でもヴィーを信じて、自分の意思で立っていようとする姿勢が胸を打ちます。第16章はそんなディルの道のりを思うと感動する以外の選択肢がありませんでした。
今作の魅力は、加えて物語の「引き」が非常にうまいところにもあります。前半はディル同様、右も左もわからない状態で、ただ暗殺者集団に襲われたりそれとは違う勢力が出てきたり、わからないなりに穏やかでない事態に巻き込まれていくのは伝わります。そのよくわからないという情報の中で、「この情報が開示されるのか!」あるいは「新しい謎の人物が⁉」といった驚きが章の最後に提示され、気づけばページを繰っている。伏線満載ミステリアスな物語において情報の提示は非常に重要な「見せ場」ですので、その情報の出し方がにくいなと感じております。
【その他】
以前、別の企画でご縁があって読ませていただいたのですが、第一部まで読んだかどうかで結構印象が変わるかもしれません。物語が一気に動き、謎もどんどん明かされていくので続きを読むのを止められなくなります。今回は感想を書くため第18章までとしましたが、正直この話の「引き」も強すぎて続きが気になります。
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