2 奇妙なショートショートを読む本
【タイトル】
奇妙なショートショートを読む本
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891911817
【作者】
伯爵 様
【ジャンル】
詩・童話・その他
【あらすじ】
グロテスク、スプラッター、ビターエンド、バッドエンド、ハッピーエンド、ロマンス、センチメンタル……苦味を含んだ多種多様な、だけど奇妙なショートショート集。
【魅力】
はじめ、一話独立の短編集かなと思って読んでいたのですが、中盤の話を読んだときの「気づき」で一気に引き込まれました(とか知った風な書き方をしていますが、まったく無関係の可能性もありますね。私が勝手に考察して喜んでいるだけかもしれません)。気づきって怖いですよね。言葉に複数の意味合いを持たせ、それに気づいたときも充足感がありますが、今回は「もしかしたら」という気づきが身体中を駆けめぐって、なんだかぞわぞわしてしまいました。視点が全く変わる新鮮さ、奥深さと言えばいいでしょうか。
その気づきを堪能するのがこの小説の楽しみ方なのかな、と感じます。ショートショート一話あたりの文字数は少なめで、読者に与えられる情報は決して多くはありません。そこを補完しながら読んでいくのも一興です。ただ、所々散りばめられたワードに既視感を覚えるとき、つまり点と点が繋がる瞬間ですね、視界がクリアになるような、強い衝撃を頭に受けたような、そんな鮮明な感動があります。多くを語らないショートショートだからこそ、気付いたときに構成に感激し、また最初から今度は繋がりを確かめるように読み直すサイクルが生まれます。
題材としては、仄暗い要素の話が多いです。特に生き死にに関わる、もっと言うと死と血にまつわる話が多いように感じます。猟奇的、残忍、命への冒涜、無常観、そういったほろ苦いでは済まされないテーマが好きな方、バッドエンド寄りの物語を好む方とは相性が良さそうです。私も例に漏れません。
【その他】
個人的に好きな話は「女性的なひずみ」です。他の物語に比べると結構わかりやすいオチのように思えます。衝撃的だったのは「顔」「インタビュー」でしょうか。
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