噂ってやつは当てにならない

結城暁

噂ってやつは当てにならない

 私、アンヘリナ・リベラの婚約者エフライン・セラは大層な女たらしのようだった。

 国宝級に麗しいご尊顔を武器に夜な夜な女遊びをしているだとか、一夜毎に相手が違うのは当たり前、むしろ瞬きする毎に相手が違うだと、泣かせた女は星の数より多いだとか、彼を巡って数多の女が決闘を繰り広げただとか、噂に事欠かない希代の女誑し、であるそうな。

 一度も会ったことのない婚約者様だけれど、噂だけは聞こうともしていないのに毎日耳に入ってくる。まあ噂に関して私も人の事は言えない。代々不吉な血を引く家系だとか、魔女の屋敷だとか、他にもいろいろと根も葉もない噂を流されている。だから悪意ある噂はまったく気にしていないのだ。

 けれど婚約者とはいえ面識のない、恋着している訳でもない相手に嫉妬もなにもないわけで、噂を聞くたび「へー、そうなんだー」と気のない返事をしていたら、ある日メイドのソラナを泣かせてしまった。えっ、なんで泣くの?


「このまま破談になったらどうすればいいんですか?!」


 と涙ながらに語るソラナになるほど、察しの良い私は気付いてしまった。


このまま婚約破談になる。

傷物令嬢になって縁談皆無になる。

嫁かず後家になり老後を迎える。

家族の重荷になりソラナとも離ればなれ。←New!


 ……なんてこと。このままでは家族に迷惑をかけてしまうし、物心ついてから一緒だったソラナとも離れてしまうなんて。なにがなんでもそんな未来は回避しなくては!


「ソラナ、私、決めたわ!」

「お嬢様……!」

「将来のために手に職をつけるわ!」

「なんでそうなるのです?!」


 そうと決まれば私の行動は早かった。

 自分の得手不得手を書き出しやりたいこと、できることに振り分けていく。とりあえず趣味で始めた菜園、習い事の延長上の裁縫、これまた趣味の料理、家事に関係することならなんとかお金を稼げるのでは? という結論に達した。

 家族の重荷にならないくらいに稼げさえすればいいのだ。そう具体的にいえば家賃ぐらい。

 ……うちの固定資産税っていくらなのかしら。場合によっては田舎の別荘に居着くことも検討しなくちゃ。

 お父様もお母様も私にはゲロ甘だから寂れたド田舎の別荘くらいポンとくださるはず!

 そう楽観視したわたしはさっそく申し込んだマーケットに向けて出品内容を考えるのだった。


「どうしてこうなるの……」


 ソラナはなぜだかうちひしがれていた。



待ちに待ったマーケットに私は日持ちするお菓子類とハンカチやぬいぐるみなどの小物を持ち込んで意気揚々と割り当てられた区画に座っていた。小銭の準備は万全、値段も庶民向けに設定し、試食が好評だったお菓子類はすぐに売り切れた。次はいつ参加するのか聞かれるほどに好評だったお菓子とは違って、縫い物の小物はあまり売れ行きが芳しくない。購買層のリサーチ不足だったようだ。

 ソラナに店番を任せて見て回ったマーケットは飲食関係が六割ほどを占めていたので次からはお菓子一本に絞ってみてもいいかもしれなかった。農作物を売っている店も多かったし、試験的に花壇で育て始めた野菜も出してみよう。


「ただいまー」

「お、おかりなさいっ、お嬢……!」

「しーっ、ここではアンナって呼んでってば。お店を任せきりにしちゃってごめんね、次はソラナが見て回ってきていいわよ。けっこう見るところがあったから……って、あら、全部売れたのね」


 店の小ぢんまりとした机の上に並べていた小物達が全てなくなっていた。私が店を留守にしていた間に誰かが購入していったみたい。お菓子に続いて小物も完売なんて嬉しいなあ。


「え、ええ、そうですね。おじょ……アンナ様のお作りなった物ですから、喉から手が出るほど欲していたに違いありません」

「も~、ソラナったら誉め上手なんだから~」


 小さい頃からずっと一緒のソラナだから少々私贔屓だけれど、誉められるのは嬉しいので素直に大事に受け取っておく。

 ソラナとは嫁かず後家になっても会いたいなあ。文通くらいならできるかしら?


「私は何があってもずーっと一緒にいますからね、アンナ様!」

「えっ、ありがとう。どうしたの急に」

「今言っておかなくてはならない気がしまして」

「そ、そう」


 相変わらず人の心を見透かしている気がするけど、ソラナにずっと一緒だと言ってもらえて嬉しい。

 ソラナがずっと一緒にいてくれるなら作れる農作物が増やせるぞう。そうしたらマーケットで売上上位、大人気になっちゃうかも?


「がんばろうね、ソラナ!」

「はいっ!」


 元気に返事したはいいけれど何をがんばるのだろう? とソラナは首を傾げていた。

 月二回を目標にマーケットに出展し続けていたら私の店はそこそこ名前が売れてきた。

 出すお菓子はいつも売り切れ、ソラナに手伝ってもらって愛情たっぷりに育てたお野菜も好評だ。

 ふっ、私ってば家に頼らなくてもちゃんと稼げるじゃない。お菓子屋さんか料理店でも開こうかしら。

 けれど店を開きたくとも問題があった。私は体力がない。悲しいくらいに体力がない。

 リサーチした結果、多くの飲食店は六時間以上開いている。朝の早い店は七時前から、夜遅い店は日付を跨いでも開いている。私には到底無理だ。ぎりぎり開けても六時間がせいぜいだろう。加えて仕込みやなんやかやでおそらくそれ以上の時間がかかるに違いない。人を雇う余裕ができるまでとしても、そんな長時間働くなんて想像しただけで寝込んでしまいそうだ。今は二週間に一度、のんびりと自分の作りたい物を作っているからそこまで苦じゃないけれど、これが本職に、となるととてもじゃないけれど続けられる気がしない。

 ああ、私が深窓の箱入り令嬢なばっかりに。


「深窓の箱入り娘はそもそも定期的に外出してマーケットに参加しないと思いますよ」


 クッキーを売ってお釣りを受け取ったソラナが遠い目をして何か言っているけれど聞こえなかったことにした。

 家族に迷惑をかけない額の不労所得ってどうやって稼げばいいのかなあ。


「実家が太い婿を取ればいいと思います」


 先物取引? 株取引?

 ぼんやりとした知識ではぼんやりとした手段しか思い付かなかった。

 なにかいい手段はないかしらと頭を捻っていると絹を裂くような悲鳴が聞こえてきた。恐怖によるものではなく、黄色い系の。

 よほどの美人かかわいい動物でもいたのだろうか。悲鳴に引き寄せられて遠くに人だかりができていく。ちょっぴり興味をそそられたけれどあんな人混みに揉まれる覚悟はない。


「今日はもうお店を閉めて帰りましょうか。万が一、人だかりに巻き込まれて帰れなくなっても困るし」

「えっ、あっ、そ、そうですね、あの、でも少しだけ見てきてもよろしいですか? えーっと、何があったのかとてもつもなく気にかかってしまいまして」

「別に構わないけれど」


 そわそわ落ち着かない様子のソラナに許可を出したとたん「ありがとうございます!」と元気よく飛び出して行った。まるで散歩を待ちかねていた犬のよう。そんなに野次馬したかったのかしら。


「私が戻るまでそこを絶対に動かないでくださいね! 絶対に!」


 そう念押しをしてソラナは人混みの中に消えていく。うーん、私も気になってきたぞ。いったい何があるのかしら。

 もふもふ愛嬌ガン盛り犬? ふわふわツンカワ猫? もこもこたぬたぬ? ほわほわきつねさん?

 ……どれもかわいいわね。路地裏を通って行けば遠目に見るだけでもできないかしら。

 そう考えた私はマーケットの路地裏に足を踏み入れた。いつもは表しか通らないから知らなかったけれど、路地裏って汚い。おまけに臭いし、薄暗い。ちょっと本腰を入れて掃除したくなってくる。

 スカートの裾を汚さないよう慎重に路地裏を進んでいくと、啜り泣きが耳に届いた。

 すわ幽霊?! と一瞬身構えたけれど真っ昼間に幽霊が出るわけもなし、よくよく見れば大柄な男が地面の汚さにも頓着せず座り込んでいた。全体的に泥にまみれて薄汚れているから気にならないのかもしれない。

 長い足を折り曲げて、膝に顔を埋めて震えている。

 カツアゲにでもあったのかしら。……その図体で? それは泣きたくもなるわね。


「ねえ、ぼく……お兄さん? どこか怪我しているの? 大丈夫?」


 声をかけると男が大袈裟なほどにびくついて顔を上げる。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔は笑いを我慢するのが困難なほどに滑稽だった。いえ、我慢よ。我慢するのよ、私。こんなに悲しんでいる人を目の前にして笑っちゃったら悪いわ。でもすごい顔……ぷぷ。


「ふふ……なんで泣いてるのかな? ぷふ……ここは汚いから座るのはやめようね。んふっ、お洋服が汚れちゃうよ」


 たぶん年下だろうと思ってかけた言葉はうっかり子ども相手にするものになってしまった。ごめんね、今崩壊しそうな腹筋に集中していて口調まで頭が回らないの。ぽろぽろもれる笑いをなんとか我慢しているんだから。


「へ、あ、大丈夫、です。どこも痛めてないです」


 涙を目一杯溜めながら男は立ち上がる。わあ大きい。私よりひと回りくらい背も厚みもありそう。

 ぱたぱたと服をはたきながら男は赤ら顔を晒す。年下扱い、というか子ども扱いされて恥ずかしかったのかも。ごめんね。

 せわしく動く彼の懐からハンカチが落ちた。


「あッ!」

「あら、これって……」


 ひょいと拾い上げれば見覚えのある刺繡に首を傾げた。私が刺しゅうしたハンカチだ。


「君、もしかして──」

「は、はいっ! おれ……!」

「マーケット参加初日に小物を買ってっいってくれたお客さんでしょう!」

「ほひゃ……?」


 彼の両手を取ってぶんぶんと上下に振る。初日にしか出さなかった物を買ってくれたお客さんに会えるなんて!


「ありがとう! ソラナ……店番のに聞いたのだけれど、ハンカチ以外も売れ残った小物全部買ってくれたんでしょう? 本当にありがとう、嬉しかったわ!」

「え、あ、はい、ど、どういたしました……?」

「ぬいぐるみも買ってったから妹さんかお姉さんがいるのかなってソラナと話してたんだ。どう? ご姉妹きょうだいからの評判は」

「あ、う、と、とても喜んでます……。毎晩一緒に寝てます……」

「そうなのね! 制作者冥利に尽きるわぁ!」


 踊り出したいくらい!

 月に一回ぬいぐるみを打ったお金で二、三か月くらい暮らせたらいいのだけれど。付加価値を付ければ或いは……? ソラナと相談してみようっと。

 ハンカチを返して店に戻ろうとすると青年に戻ろうとすると。


「あのっ! おれエフラインって言いまひゅっ!」


 め、めちゃくちゃ噛んでる……。なんでそんなに緊張して……はっ。まさか。


「おれ、あなたの……! あなたの……!」


 上気した頬、かわいそうなくらい涙で潤んだ瞳、わなわな震える口。ふっ、皆まで言わなくてもいいのよ。全部分かったわ!


「私の作る小物のファンなのね! わかった、次に参加するときは小物も出品するわ! 楽しみにしていてね!」


 うっすい胸をそらし、自信満々に叩いて宣言すると青年は


「ウワーイ、ヤッター……」


 と涙をこぼすほど感動してくれた。いや~私ってばファンサービスが天元突破しちゃってるな~。


***


「ってことがありました…………」


 ソラナの母の実家であるセラ邸の柔らかな風の吹くバルコニーでソラナの叔母の息子──従弟いとこのエフライン・セラが肩を落としながら紅茶をすする。

 いつもなら行儀が悪いと叱るソラナだが、あまりにもかわいそうな従弟の頭を撫でて慰めてやった。あまりにも哀れすぎる。

 貴族令嬢なぞ性に合わん、働いて金を稼ぐと家を出たソラナによくしてくれる母の実家は休みの度に訪れていて、最早実家よりも実家だった。従弟のエフラインも幼い頃から知っていて、素直でかわいエフラインと大切なアンヘリナとの婚約がなんとか決まった時には人知れず踊り明かしたものだ。

 しかし悲しいかな二人の婚約が決まって一年。二人は顔すら合わせていなかった。過保護なアンヘリナの父親が


「アンヘリナはうちのだもん! 結婚するまではうちの娘だもん! むしろ結婚してもうちの娘だもん!」


 と駄々をこねて二人を合わせたがらないのだ。いい加減にして欲しい。

 せめて文通くらい、と思っても今度はエフラインが


「おれ、字が汚いからぁ……」


 と泣いたため実現していない。

 外に飛び出して魔物を相手取って遊んでいたエフラインにしてはこの一年がんばって字の練習をしてきたため、かなり上達しているのだが、アンヘリナの流麗すぎる字を見てしまい自信を喪失してしまった。

 それでなくてもエフラインは顔が傾国並みに良すぎるため、やっかみ嫉妬その他もろもろを買いまくり、変な噂まで流され、誤解されている。

 天が二人の婚姻を認めていないのか? と疑ってしまうレベルだった。

 不幸中の幸いと数えていいものか、アンヘリナはそこまで真剣に捉えていないのが救いだったが、アンヘリナの父親はこれ幸いとばかりに婚約解消をしようとしてくるのには骨が折れた。複雑骨折だった。

 お嬢様が婚約解消を望んでいませんから! お嬢様が! と本人の意思を尊重するよう強めに促し続けた結果、解消されていない。


「ぐすっ……。おれ、本当にアンヘリナさんと結婚できるのかなぁ……ずびっ。おれなんか顔しか取り柄ないのに、アンヘリナさん、おれの顔見ても顔赤らめたりしなかったぁ……」

「諦めてはだめよ、エフライン! お嬢様は美男美女ご家族に囲まれて育った方だもの、あなたの顔に動じたりなさらないの!」

 それにあなたの良い所は顔だけじゃないわよ! 性格も善いし、体力も腕力もあるじゃない!」

「ソラナ姉さん……ありがとう……」


 顔を赤らめたエフラインがほのかに笑う。我が従弟ながら太陽光のごとき眩しさだった。

 アンヘリナがマーケットに参加すると聞いたエフラインはもちろん会いに行くつもりだった。直に会って挨拶をして、自分が婚約者ですと名乗り出るつもりだった。

 しかしなぜかいつもすれ違ってばかりで会えないどころか一目見る事もできなかったのだ。初日の小物完売は


「せめてアンヘリナさんの作った物だけでも側に置きたい……」


 とエフラインがさめざめと泣きながら購入していった。ぬいぐるみを毎晩抱きしめて寝ているらしい。ちょっと引いた。お嬢様の匂いなどしないから飾るだけにしておきなさい。

 初めての邂逅前には騒がれないためにしていた変装が解けて傾国かおを見られたために騒動になり、群がる人だかりをソラナが押しとどめてエフラインを逃がしたのだ。そのせいでヨレヨレボロボロの姿を見られたとエフラインはやはり泣いた。

 良い子なのになぜこうもタイミングに恵まれないのか。


「だからせめて文通なさい! あなたの長所を知ってもらって悪い噂を否定するの!」

「でも、おれ字が汚い……。アンヘリナさんの字より、ぜんぜん汚い……」

「お嬢様の字の綺麗さは国一番だから仕方ありません。エフラインの字だって上達したんですから恥ずかしがることはありません。上位百位には入っています」

「百の差……」

「ウジウジしてないで書け! 絶対にお嬢様に渡してあげますから! さっさと書け!」

「はいぃぃぃっ」


 胸倉を掴んで凄むソラナの剣幕にエフラインはまた泣いた。

 ちなみにエフラインが泣き虫になったのは生来のものもあるが、ソアラのせいでもある。



「偶然ってあるものなのねぇ。見てよソラナ。私のファンと婚約者殿の名前が一緒なのよ」


 そう言いながら封筒を開けるアンヘリナをソラナは生暖かい目で見守った。

 封筒の中身はエフラインの想いがこれでもかと書き連ねられた恋文だ。恋愛事に疎い主の反応は、さていかほどか。

 ソラナは静かに口角を上げあた。

 アンヘリナはソラナと同じか、それ以上に風変りな令嬢だった。貴族らしくないお前でもやっていけるだろう、と母に紹介されたリベラ家での生活は想像していたよりずっと楽しいものだった。主従の垣根はあっても、それは決して重苦しいものではなく、のんびりとした屋敷しょくばだった。

 不吉な家系だとか魔女が住むだとかくだらない噂を流している人間はきっとリベラ家を妬んでいるのだ、とソラナは飛び交う下賤な噂を蹴っ飛ばして働いていた。

 そこへ従弟が忍び込んできたのだ。ソラナが魔女に食べられてしまうのでは、と今でも腹を抱えてしまう、けれど微笑ましい理由で。


「もう、だめでしょう、エフライン。人の御屋敷に勝手に入ってはいけません。見つけたのが私だからよかったものの……。ほら、見つからないうちに帰りなさい」

「やだ! 帰るならお姉ちゃんもいっしょ! 魔女のいるおうちにいたらお姉ちゃんが食べられちゃう!」


 口さがない連中の噂を鵜吞みにしているエフラインがあんまりにもかわいくて、心配してくれるのがいじらしくて、ソラナは仕方がない、とエフラインを抱きしめた。


「私は食べられたりなんかしません。ここには魔女もいませんよ。いるのはとびきりかわいらしいお嬢様とそのご家族です」

「ほんとう? 魔女、いない?」

「ええ、いませんよ」


 口に人差し指を当てて見せ、ソラナはエフラインの手を引きそろそろと茂みを進んで行った。茂みの中から見える中庭にちょうどお茶を飲んでいるアンヘリナの姿があった。


「あちらがアンヘリナお嬢様。私の仕えているお嬢様ですよ。見てごらんなさい、あんなにかわいらしい方が魔女であるはずがないでしょう?」

「うん……きれい……」

 ため息をつくようエフラインが呟いた。

 あの日からエフラインの恋が始まったのだ。あれから幾星霜。なんとか婚約者までこぎ着けたエフラインの努力は称賛されるべきだ。アンヘルナの父アホが考えた婿取り条件を逐一エフラインに漏洩リークし続けた甲斐があったというものだ。

 セラ家は資産もあるし、家業も安泰、エフラインは次男で家を継がなくても良い、とまさにアンヘリナ向けの好物件で、むしろエフライン以外に婿候補がいるなら連れてこい。


「まあ、エフラインは裸一貫で無人島に放り込んでも生き残れる子ですから何があっても心配いらないのですけれど」


 手紙を読み進めるほどに頬を紅潮させていくアンヘリナにソラナはにんまりと笑みを深めるのだった。

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