第5話
俺たちは今、Dランクダンジョンに来ている。普通初心者はFランクのダンジョンから始めるものなのだが、今回はアレス達の意向もあり、稼げるDランクダンジョンに来ている。
「リン!ここからは気を引き締めていくぞー!」
「はい!」
受付の人にライセンスカードを渡したアレスとケアと俺は早速ダンジョンへと足を踏み入れた。
異世界もののダンジョンは種類に分かれるが、
ここの世界のダンジョンは下へと連なる階層構造になっているそうだ。各階層ごとには階層主といういわばボスがいて、その階層主を倒すと、次の階層に行けるようだ。この世界にダンジョンは既に発見されているもので300ヶ所はあるそうだ。それに現在進行形で発見されているとか。
「よし、一階層だからといって油断するなよ」
「ええ、もちろんよ」
「はい。了解です」
ここ、1階層~5階層ではゴブリン、オーク、スライム、ハイオークなどが出るようだ。ハイオークは滅多に見かけないという。
と、早速前方に3体のゴブリンだ。
「よし、ここはリン!初めてだろうがやってみるか、頑張れよ!」
「は、はい!分かりました!」
よし、俺か。やるぞ!相手はゴブリン、俺が地球で読んでたラノベではゴブリンはスライムと同じく最弱のはず!いくぞ!
ゴブリン達は俺の姿を確認するなり、手に持っている棍棒を振りかざしながら、走ってきた。
「うおおおりゃぁぁ!!」
ザシュ!
剣を振りかぶり、ゴブリンの頭を切り落とした。そして、もう一体のゴブリンは胸を思い切り踏み込んで突いた。ゴブリン達はギギギィと鳴きながら灰になって崩れていった。思ってたよりグロくはないもんだな。
「よし!たおせたぞ!」
「油断するな!リン!まだもう一体いるぞ!」
はっ!そうだった、と気づいた時には時すでに遅し。ゴブリンは目の前でその棍棒を俺の頭に振り下ろす瞬間だった。低身長ながらに、さすが魔物と言ったところか迫り来る棍棒に為す術なく目を瞑り……その攻撃が俺の頭蓋骨を破ることはなかった。
「ふう、油断するなといったぞ?気を付けろ」
「あ、ありがとう、アレス!」
ゴブリンはアレスの剣によって灰と化した。
跡形もなく消え去ったゴブリンは代わりに小さな小指程度のキラキラ光る紫色の石を置いていった。
「これは?」
「ああ、コイツは魔石と言ってな。魔物を倒すと落とすんだ。魔石を売ると金になる、冒険者達はクエストとこの魔石を売ることで収入を得てる。ちなみに魔物の強さに比例して魔石も大きくなってくぞ」
「なるほど!」
「初めてにしては悪い動きではなかったわね。まぁ、油断は禁物よ」
「うっ、そうですね。以後注意します」
「よし、先へ進もうか」
反省も踏まえつつ、異世界で初めて魔物を狩った。意外と平気なものだな。
さらに奥へと進むと、そこには大きな深緑の扉があった。道中、ゴブリン4体、スライム7体、オーク2体を倒した。スライムの魔石はゴブリンと同じくらいのサイズだった。
「ここがボス部屋だ。いくぞ!」
「ええ!」
「はい!」
アレスが扉を開けると、そこにはハイオークが2体いた。
「!ハイオーク2体か、ケア!魔法で援護してくれ!リンは危ないから下がっていろ!」
「わかったわ!」
「は、はい」
ハイオークは威圧感をはなっており、その身長は2メートルはあった。手には大きな棍棒、血走った目で俺たちを捉えると襲いかかってきた。
「うおおおおおお!!」
ガキュイン!!
ハイオークはアレスの高速の剣を棍棒で弾き返すと、後方にいたもう一体のオークがアレスに棍棒を振り下ろした。
「ぐぅっ!」
アレスは棍棒を剣でガードすると、
「ケア!」
「了解!」
「『ウインドアロー』!!」
ケアがアレスの顔面スレスレの真空の槍を放った。槍はハイオークの顔面をやすやすと貫いていき、ダンジョンの壁に衝突して消えた。
「よし!おりゃぁぁぁぁ!」
相方がやられたハイオークの一瞬の隙をアレスは見逃さず、ハイオークの左肩から袈裟斬りにした。ほぼ同時にハイオークは灰と化した。
「ふう、まぁこんなもんかな」
「おつかれ!」
長年の連携術と言ったところか、アレスとケアは涼しい顔をして階層主を倒した。
「お二人共すごいです!」
「うん、じゃあ次の階層にいこうか!」
「いきましょう!」
こうして俺は次の階層へと進んだ。
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次回はアレスとケア視点です。
【身体特徴操作】ってのは何ですか?…最強でした。~あらゆることに見捨てられた俺は成りあがって神をも超える~ ひろりゅー @hiroryuuuu
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