シラナイ

添野いのち

シラナイ


深夜2時 住宅街


誰もいない交差点


隅に置かれた公衆電話


鳴り止まない着信音




変わらない赤信号


木々の葉は揺らめく


どこからかサイレン響く


回送列車が通過します




通りかかった男1人


不思議そうにじっと見て


そっと受話器を取ったなら


灯火ともしびに水をかけましょう




月明かり消えた交差点


佇む1つの黒い影


公衆電話へひとっ飛び


あなたの後ろに気をつけて




悪意なんて微塵もない


憎悪も怨みも一切ない


ただ欲望を満たすため


今日もどこかで佇みます

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シラナイ 添野いのち @mokkun-t

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