リアルな生活の中で、気になったことを切り取った、とても身近に感じられるエッセイだと思います。「そうそうそうそう」「わかるー。」って感じかな。時々クスクス笑ってしまったり、そっかあ、と一緒に切なくなったり、筆者の心の動きを肌で感じられると思います。
小説の醍醐味を非日常のときめきにあるとすれば、エッセイの魅力は、日常にひそむきらめきを再確認することだと思っている。その意味で、何気ない毎日のなかの、ちょっとした出来事に焦点を当てた本作は、まさにエッセイであり、過ぎていったいつもと変わらぬ今日や、訪れる平凡な明日を、いとおしく思わせてくれる。