とっても楽しい物語でした。読んだ後に「この話、大好きだ」と胸の中がホクホクとします。
登場人物は主に二名。片方はお姫様。もう片方はオオカミさんです。
主人公になりそうなお姫様と、悪役になりそうなオオカミさん。その二人(一人と一匹?)が出会います。
オオカミさんはお姫様が退屈そうにしているので、色々と話を聞かせてあげます。
その話というのが、『きっと誰もが知ってる有名な話』に属するもので、その中にはどれもオオカミが登場するようになっています。
物語全体がほのぼのとしていて、終始ニコニコしながら読むことができました。
そして話のテンポが良く、オオカミさんの話として「次はどの話が出てくるかな?」とか「オオカミが出てくる話と言えば、あの話があったかな」とか、色々と記憶を模索しつつ、どんどん読み進めさせられることになりました。
一つ一つの話を聞き終えた後のお姫様のコメントもいい感じで、「その昔話はそうザックリ結論づけられるのか」と、思わず頬が緩むようになります。
ラストもとても優しく、「良かったなあ」としみじみ満足させられました。
ほのぼのとして、それでいてテンポも良く、とても完成度の高い、素敵な物語でした。