第9話・迷わず行けよ、行けばわかるさ。
「さわっやっかっな日曜〜♪」という歌が自然に頭の中で流れ始めるサンライズカフェの後。その日は公開コンサルが行われていった。
主に仕事や働き方に関しての悩みに応えていく内容として、1時間のZOOM公開コンサルが行われる。その後は、食に関するお話会が行われながら、昨日は午前中だけでもかなり有意義な時間となっていった。
「あなたにとって、愛からの行動、愛からの選択は何ですか?」
「昨日のさんちゃんの問いも、素晴らしかったなぁ。毎回皆様が考える問い自体にも考えさせられることが沢山ある。今日も朝から、愛の行動と選択をしよう。」
朝起きて、顔を洗う。それが、1日の目覚めの儀式。何気なくこなすこのルーティンにも、愛を持って行動に移してみる。自分の顔をゴシゴシ洗うのではなく、より丁寧に愛おしく顔に触れながら、自分の顔に感謝を込めて。
「なんか、愛おしく顔を触ってみたら、肌の潤いが変わった気がするな・・・」
いつもやっている当たり前の行動に、より注目して意識を向けてみる。そんな単純な微差から生まれる自分への影響力に一人静かに感動する時間となった。
「よし、今日も朝のオープンが近づいてきたな。」
ふと、まだ夜が明けていない暗がりの空を見上げると、オリオン座が美しく輝いていた。
「それでは、時間になりましたので、今日も始めていきましょうか。またいつも通り、昨日の振り返りシェアを行っていきたいと思います。今日は、ななちゃんからシェアいただけますか?」
いつもはZOOM画面が非表示になっている人を先には当てないが、この日は直感的に、ななちゃんを当てたくなった。
「あ、えーっと、実はいま洗顔しておりまして(笑)シェアは、後に回してもらっていいでしょうか?」
「あー、それは失礼しました!洗顔、大事ですね(笑)ぜひ、洗顔に集中されてください!」
直感で当てた人が洗顔中。今朝、洗顔を愛おしくやっていただけに、内心そのシンクロに喜んでいる俺がいる。
「では、他の話せる皆さんで振り返りをしていきましょう!」
こうして昨日の振り返りだけで25分ほど進み、いつも以上にお一人お一人の方々のシェアが濃密な時間となっていた。たった1日でもそこにテーマを持って意識を向けていくと、1日で得られるものが語りきれないほど濃密になるものだ。
「皆様のシェアだけで、気づきが満載ですね。今、道というシェアもありましたが、実はぼくも昨日別の意味で道を意識した日でした。アントニオ猪木の詩に「道」があるんですね。実は今、お金磨きのことをまとめているんですが、お金を磨くのにはタバスコを使い、そのタバスコを日本に初めて輸入したのは、アントニオ猪木なんです。その猪木の「道」を、ご紹介しておきますね。」
何気なく出た話題から、また連鎖して分かち合えるものが増えていく。昨日の振り返りから、道をシェアしていった。
「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ。これが、アントニオ猪木の『道』です。ここを踏まえて、今日のテーマに入っていきましょうか!」
千里の道も一歩から始まる。この言葉は実家の掛け軸に飾られているものだが、改めて道に関する言葉の味わい深さを実感していく。
「それでは今日は、第1クレド『愛』の3日目として、言葉の質問をみんなで考えていきましょう!」
言葉は、言霊。日々使う言葉の質が、未来の質を変えていく。無意識で活用している言葉を意識的に使っていくことが、今すぐに誰でも出来る最もシンプルかつ効果的に人生を豊かにする方法だ。
この日の問いは、自分にかけてあげたい言葉をみんなで考えていった。自分に対して愛を持った言葉を日々投げかけてあげる。そのために、どんな言葉がけをすると自分の心は晴れやかになろうだろうか。
「それでは、またシェアをいただけたらと思うのですが、ななちゃんはそろそろ洗顔を終えて話せるようになっているでしょうか?笑」
「はーい、大丈夫です!笑」
この問いの答えではない部分で、ななちゃんが話してくださった言葉に思わず笑いが生まれながら、その後の自身の人生を振り返る言葉には人生の転機を感じるような想いも伝わってきた。
「あと、さんちゃんのシェアも素晴らしかったので、ぜひ共有してください!」
ななちゃんのシェアから、さんちゃんにバトンが渡る。
「では、さんちゃんにも、詳しくシェアいただいて良いでしょうか?」
「わたしなんですけど、あのー、『歩いてきた道、これからゆく道、全てに価値があるよ。』という言葉をかけてあげたいと思いました。さっきの勇司さんの道のシェアのこともあって、すっとその言葉が入ってきて、今は自分の全てを受け入れているような感覚になってきているけど、どっかで過去の自分が何か大したことやってきていないこともあって、価値がないと感じている部分が正直少しあるなと。でも、改めて今その全てに価値があるなと思いたいし、そう思えるような気持ちになってきたので、この言葉が思いつきました。」
歩いてきた道、これからゆく道、全てに価値があるよ。この言葉もまた、味わい。
「さんちゃん、素晴らしいシェアをありがとうございます!では、ここで今日もお一人の方に問いを作ってもらいたいのですが、いまパッと映って頂いたマッチさんにお願いしても大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよー!では、私が今日皆さんに投げかけたい問いですね。そうですねー、この問いにしましょう。『みなさんが、一番心躍る時はどんな時?』です!」
「マッチさん、素晴らしい問いをありがとうございます!では、3回繰り返して言っていただいてもいいですか?」
「わかりました!では、改めて。みなさんが、一番心躍る時はどんな時?みなさんがー、一番、心躍る時はーどんな時?みなさんが⤴︎、一番☝️心躍る時は☝️⤴︎⬆︎どんな時ー?」
マッチさんが問いかけの言葉を繰り返すたびに、全身全霊で心躍る様を表現しながら言葉を届けてくれた。そのエネルギー感を浴びるだけで、自然と笑みが溢れてワクワクして心が躍る。
「マッチさん、感動的です!もうすでに心が躍ってます!!笑」
こうして今日の朝の締めくくりは、心躍る時間となっていった。
その後、サンライズカフェの営業が終了してすぐに、俺はyoutubeである曲を検索する。今日のZOOMのチャットで何気なくコメントがあった「映画NANA」で登場する伊藤由奈の「Endless Story」だ。
心躍る朝の余韻に浸りながら、「Endless Story」をヘビーローテーションで流しながら、俺は今日のことを小説に落とし込んでいった。
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