第3話・8つのクレドから成り立つ龍神理念

「みなさん、自己紹介をありがとうございます。聞くだけ参加も全然OKなので、しゃべれない方も皆様のシェアを楽しんで頂けたらと思います。では、サンライズカフェで交流する上で、全ての皆様に共通認識として理解しておいて頂きたい、8つのクレドから成り立つ龍神理念をシェアさせて頂きます。」


ざっくばらんに交流いただいた後、俺は8つのクレドについて語っていった。クレド(Credo)とは、企業に属する従業員が心がける信条や行動指針を表すものだ。 ラテン語で『志・約束・信条』を意味する言葉で、クレド発祥元として有名な企業が「ジョンソン・エンド・ジョンソン」である。


一部、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」のクレドを抜粋すると、「第一の責任は、我々の製品およびサービスを利用してくれる患者、医師、看護師、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。」というものが全従業員の共通認識として定められている。


それと同じように、サンライズカフェに来店する皆様に共通認識となる信条や行動指針を予め定めていくことにより、モラルとコミュニケーションにおける最低限の基本軸が生まれていくのだ。


「サンライズカフェを運営する、GDサードコンサルティング合同会社の8つのクレドは、代表である私、伊藤勇司が八大龍王に導かれたご縁から生み出されたものになっています。その象徴となる1文字が、愛、縁、運、輝、喜、楽、勇、遊、という8つから成り立ち、それぞれに指針となる言葉を設定しています。」


人生にも行動指針があることで、日常生活のクオリティーを日々向上させることができる。なんとなく生きていくのと、明確な行動指針を元に生きていくのでは、長期的なスパンで人生を捉えた時に天と地ほどの差が生まれるものだ。


「では、まずは『愛』から。すべてを愛おしく、全てを愛おしむ。これが、第1クレドです。全ての現象に良い悪いはなく、起きる出来事や関わる人たちを愛おしく感じながら、愛おしむ姿勢で現象を捉えるという意味でのクレドです。次に『縁』。縁から始まり、縁から発展する。これが、第2クレドです。袖振り合うも多生の縁ということわざがありますが、人生における発展的な流れは全て縁から出発するもので、目の前の身近なご縁を大事に育んでいくことで、未来の発展は生まれていくという意味のクレドです。ここに集うメンバーとの縁をぜひ大切に育んでいきましょう。次に、『運』。運を動かし、動いて運を開く。これが、第3クレドです。受動的にラッキーな事が起きるのを待つ姿勢ではなく、自らの行動によって運を動かしていく。運を動かすと書いて、運動です。動きがない時ほど滞りが生まれ、鬱傾向に陥りやすい人の特徴も動きがない人です。人生に、関わる人に、自ら積極的に働きかけていく姿勢を大切にする意味のクレドです。次に、「輝」。輝く在り方を通し、輝く生き方を支援する。これが、第4クレド。人に何かを指図する、アドバイスをする以前に、自らが背中で見せる意識で実践を通して周りに示していく。人を輝かそうとする前に自分自身がどこまでも輝く在り方を探究し続け、その姿で人に影響を与えていく意味でのクレドです。この4つのクレドは「月のクレド」として、陰陽でいうと「陰」のクレド。母性を表すイメージで定めていきました。」


こうして8つのクレドの前半部分を共有するだけで、皆様の目の色が変わっていった。和気藹々とした自己紹介から一変して、真剣に聞いてくださる空気感に変わる。


「では、次の4つが「太陽のクレド」として、「陽」のクレドであり、父性を表すイメージで定めたものになります。『喜』。喜びが価値となり、価値は喜びで創造する。これが、第5クレドです。不安や恐れで人を支配するのではなく、喜びと歓喜に満ちた価値創造を大切にしながら、ワクワク感を軸にして創造をする。共に喜び合う世界観を大切にする意味で定めたクレドになります。次に、『楽』。楽しむ姿勢が、楽しい勢いを加速させる。これが、第6クレド。楽しいことを探すのではなく、楽しい事が起きるのを待つのでもなく、自らの感性に由来して目の前のことを能動的に楽しんでいく。そうすると、さらに楽しくなる出来事が無限に連鎖する意味のクレドです。次に、『勇』。勇気ある選択が、勇ましい心を育てる。これが、第7クレドです。恐れの選択ではなく、愛の選択を選んでいく。心弱き自分に振れるのではなく、心強き自分としての判断・決断・取捨選択を心がける意味のクレドです。最後が、『遊』。遊び心が、人生を遊びに変える。これが、第8クレド。何事も真面目に捉えていくだけではなく、遊び心と柔軟性も大切にしながら行動をする。人生には遊びが重要です。自らの喜びを追求するゲームを楽しむようなイメージで人生を謳歌しようという意味でのクレドです。この8つのクレドを共通認識として心に留めて頂きながら、これからの仲間同士の育みをより深く味わっていきましょう!」


こうして8つのクレドから成り立つ龍神理念を共有すると、真摯にメモを取る方もいて、その場に緩急がつく引き締まったひと時が過ぎていった。

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