第2話 七不思議その1②
ぼくは朝早く起きてしまったので二度寝をしようかと考えたが早く学校に行って時間を潰すことにした。教室につくともちろん誰もいなかった。グラウンドをみると、野球部やサッカー部が朝練をしていた。しばらく眺めているとクラスメートの芹澤が登校してきた。
「こんなに早くに登校してくるなんて珍しいじゃん。なにかあったの?」
「別に何も。そういう芹澤こそだいぶ早いんじゃないか?」
「私は今週図書室の鍵当番だからね。暇なら来ない?」
こんなに馴れ馴れしいのはぼくと芹澤が小学校からの付き合いがあるからだ。いわゆる腐れ縁ってやつだ。昔は芹澤のことを愛称でシェリーなんてしゃれた名前で呼んでたっけな。高校入ってからは恥ずかしくて呼べなくなったんだよな。
「いくか」
そういって2人で図書室に向かった。図書室に向かう途中、芹澤は少し昔を懐かしむように言った。
「高校入ってから私のことシェリーって呼ばなくなったよね、結構あれ気に入ってたんだよ私。日本人なのに外国人みたいな名前だし特別な感じして。」
芹澤って小学生のときは結構そのあだ名でいじられてた気がするけどな。でも本人は結構気に入ってるらしい。
「そっか。じゃあまた気が向いたらシェリーって呼ぶよ。」
「何それ、馬鹿にしてるでしょ」
そんな会話をしながらぼく達は図書室に入った。
図書室に入るとぼくは面白そうな本がないかを見渡すように確認した後、一冊ずつ本の題名をみながら本を見ていた。するとふと気になった本があった。「学校の七不思議」という本なのだが昨日のことが気になってこの本を手に取った。高校生にもなってこんな本読む人いるのかと思いつつ本のページをぺらぺらとめくる。「トイレの花子さん」と書いてあるページに目をやると、どうやらトイレにまつわる七不思議にはトイレの花子さんも有名だが男子トイレには男の子のバージョンの怪異のいるらしい。ふと後ろから視線を感じたので振り返るとそこには芹澤の姿があった。
「それって学校の七不思議?高校生にもなってこんな本読む人いるのかなって思ってたけど君が読むなんて意外だったな。オカルトとか信じてるの?」
ぼくは気恥ずかしくなって言い返した。
「べつに興味があるわけじゃないんだけどちょっと懐かしいなと思って…
なんでこんな本高校の図書室にあるんだろうね。」
「ほんとなんであるんだろうね。」
ぼくは本をもとの場所に返すと芹澤と朝のHR(ホームルーム)が始まるまで図書室で話をすることにした。
ぼくの学校の七不思議 あきみどり @kfyb0707
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