【180万PV感謝】機械仕掛けの乙女戦線 〜乙女ロボゲーのやたら強いモブパイロットなんだが、人の心がないラスボス呼ばわりされることになった〜
第151話 この一皿に愛を込めて、或いは規格域外。またの名をパノプティコンの歯車
第151話 この一皿に愛を込めて、或いは規格域外。またの名をパノプティコンの歯車
彼ら
しかし、実のところ――――全ての機体がそうである訳ではない。
この点に関しては、個々人に合わせた機体というより、その機体を使いこなすに足る人間を選抜した――――もしくはその個々人に合わせながらも並行して各種のシステムの実証を行っていったと呼ぶのが正しいか。
まだこの時点では、各機は、汎用性を有している。
というよりも、汎用性の上に特化型の特性を重ねた機体ばかりである。いずれも、その点で、
それらを踏まえた上で――――第五号から、いよいよ機体はその
例えば
コックピットを覆う三つのリングが齎す対G緩衝機構によって、他の機体に比して、より高機動かつ複雑機動での接近/回避行動を実行。通常のエースや
そして中距離での腕部ショットガン――《複製人格搭載管制型》誘導散弾による多角的な牽制射撃と、プラズマライフル及びブレードによる一撃必殺を目的に構成された最先鋒を務める機体だ。
そして、
「参ったな……お構いなしだとは!」
地球目掛けての銃身めいて連なった大掛かりなリングの周囲に展開した四隻の宇宙軍用艦。降り注ぐ物理艦砲とミサイルの雨が、さながら流星同然に平たい剣じみた【ドラゴン・フォース】の船隊を目指して繰り出される。
艦内指揮所で漏らされるアーサー・レンの言葉通り、コルベス・シュヴァーベン率いる【フィッチャーの鳥】の艦隊は、一切その砲撃を緩めていない。
味方アーセナル・コマンドとの近接砲撃距離での連携運用にあたってどうしても制限されてしまう筈の戦艦の砲撃が、容赦のない弾幕として降り注ぐ。
そう――――何よりその砲撃の雨の中を、揺るがぬ速度で飛翔する一個のプラズマの刃があった。
OHI-X005A【ブルーランプ】――。
骨組みの鳥が、刃と変えたその尖った両翼を合わせて構えて一つの嘴となったかの如きシルエット。
前方と左右にプラズマの炎を纏い、超高速の尖形飛翔体として敵艦に目掛けて直進する――。
宇宙巡洋母艦【ドラゴン・フォース】の周囲に展開した暗黒の目玉じみた【
宇宙空間に吠えるプラズマ炎。
そう、まさに攻撃は最大の防御という機体だ。
それを兄のハロルド・F・ブルーランプは味方との共同砲撃のために。
より操縦能力で勝るフレデリック・H・ブルーランプは、集中砲撃の中の単身敵艦破壊のために利用する。
いずれにせよ、その味方は同士討ちを気にせぬ攻撃が行える中で――――その敵艦に対しては、艦隊からの強烈な砲撃と、迎撃兵器によって止めることのできない致命の剣が降り注ぐのだ。
全ての兵装と武装を捨てて電力を集中させた単純なそのプラズマ出力と力場出力は、かつてのメイジー・ブランシェットが得手とした牽制からの一撃必殺殺法も跳ね除け、ハンス・グリム・グッドフェローの振るう刃も寄せ付けぬ攻撃にして防御を成り立たせた。
味方巡洋母艦に迫るミサイルを捌きつつ、迫る鬼火の刃のその射線に割り込んだアシュレイの群青色の海棲騎士が肩部二門のレーザーを照射するも――
「く――……これは……!」
蒼銀の機体が身に纏ったプラズマの齎すブリルアン散乱によって、レーザー光の持つ周波数は乱され、アシュレイ・アイアンストーブの持つ非殺傷攻撃は無力化される。
有大気下を離れることによってその能力の大半を封じられる彼は、その上、その不殺の軛までをも揺るがされる事態に陥った。
更に、機動性でアシュレイ・アイアンストーブを上回るという点からも、まさしく、彼にとっての天敵と呼べる相手だろう。
そして、エーデンゲートはその流体温度上昇を防ぐために常に地球の影に太陽を遮る形の周回航路をとっている。つまりは、全く、アシュレイ・アイアンストーブの全力の九割は完全に封じられた形となっていた。
加えて――――
『脇が甘いようで……ミスター・サージェン! 王手飛車取り……それともここはチェスに倣って
地球側から出撃している第五位――ユーレ・グライフのアパッチがいる。
表面に赤熱の血脈じみた塗装を施された漆黒の重量機体は、再び加速を開始して【ドラゴン・フォース】を目指していた。
彼ら【
互いに、最大の脅威と認識したのはアシュレイ・アイアンストーブとアーサー・レン。
三つ巴の戦いは、必然なる挟み撃ちの姿をとっていた。
「……
『なに、チェスの駒は白黒二種類あるものですよ! 第六位! ふふ、さて――――それともこれは、ダブルチェックでありますかな!』
流石のアシュレイ・アイアンストーブといえども、自機に並ぶほどの実力を持つ異なる二方向から迫る機体に対処は追い付かない。
どちらも彼の天敵たる慣性を利用する超攻撃機。
そして、完全にその異能めいた技量を成り立たせる手札が封じ切られ――――加えて、共同する宇宙戦艦を操るのは大軍運用なら四圏一であるコルベス・シュヴァーベン。
まさに、これは詰みだ。死地だ。
事実、彼からの迎撃でこの二機と四隻を封じきれるものは存在していなかった。
故に、宇宙の塵となるのは必然であったが――――
「チェスに倣うなら、用語も確認すべきだね。……正しくは
言葉を一つ。
冷静に上昇した群青色の海棲騎士のコックピットにてアシュレイはその銀の瞳を細め、肩の円形レーザー照射装置が稼働する。
『――――――!?』
突如、【ドラゴン・フォース】に迫っていた二隻のアーセナル・コマンドはその軌道を急角度で変更した。
また、同じく即座に応じたのはシュヴァーベン特務大佐もであった。
『ッ、レーザー散乱膜を張れ! やってくれたな、アシュレイ・アイアンストーブ!』
彼らの視線の先にあるのは、エーデンの巨大
そうだ。
何もかもが封じられた中で、降り注ぐ弾幕と二機の特記戦力の突撃の中で、しかし、アシュレイ・アイアンストーブは微塵ほども揺らいではいなかった。
「君たちに利用されてしまうなら、
『っ、なんと――――容赦のない……!』
「戦闘の影響でどのみち今日の輸送も封じられてしまうからね。……一日あれば直せる程度に壊すなら、誤差の範囲内だよ」
淡々と。
戦場を俯瞰し、腑分けするメスの如き冴えた銀色の瞳。
そのまま彼は、蒼炎を纏う鳥の
「母艦からレーザー通信はできなくなったけど……君の耳は、聞こえているかい?」
『っ――』
「ありがとう。それじゃあ君たちも、ガンジリウム・チャフは撒けないね。……本当に打ち合わせなしでは、その機体も危ないだろう?」
事実――――流石の【ブルーランプ】といえども、推進機構を備えた背面に関してはその攻撃にして防御を為すプラズマも及ばない。砲弾の炸裂を受け止められるのは正面と側面に限り、本当に衝突軌道の同士討ちまでは防げないのだ。
どこまでも冷徹に病巣を摘出する外科医の瞳。
そうだ。アシュレイ・アイアンストーブの強さとは、なんだろうか。
あらゆる機体を停止させる光速のメス――否。
炎熱を統べ、大気を司り、陽光を操る力――――否。
全ては、その観察眼と残酷なまでの冷静さだ。
人を救うために人を切り刻むという外科医の精神をそのままに、人を殺さないためにそれ以外のあらゆるものを切り刻む視点を持つ。
いくら光速で照射されるレーザーを持ちえども、常人では決して不可能な機動中の機体の配線を的確に焼き切るという常軌を逸した業前。
人を殺したくないなら、戦場に向かわなければいい。
だというのに仲間の死も許せなかった彼は――敵の死を許さぬままに、道理を殺した。その技量と瞳で、敵と味方以外の全てを殺した。
故にこそ彼は、炎熱の支配者であるのだ。
戦場そのものを、手術台へと載せた――――。
そして、応じるのは同じく――歴戦だった。
襲いかかる中型ミサイルへと迎撃ミサイルを発射し、一瞬強める力場にてプラズマ砲を僅かに受け逸らす【ドラゴン・フォース】の内にて、
「熱誘導式、発射! アシュレイくんが道を示す! プラズマ主砲充填! ミサイルで足を止めたら、膜の一部に穴を空けて敵艦を狙い撃つんだ!」
アーサー・レンが艦内指揮所から指示を飛ばす。
彼が睨んだ先は、コルベス・シュヴァーベンが座すキングストン級一番艦【キングストン】と、その周囲に立ち込めた靄めいたレーザー防護のみ。
光を散乱させる代わりに相応に熱も帯びてしまうその防護膜を、彼は攻撃の誘導経路に使用する。
「そんなものをバラ撒いてちゃあ、そちらの迎撃レーザーも使えないだろう! とびっきりの一人に賭けるのは僕の得手さ、シュヴァーベン艦長! 全機、艦隊側面にて待機! 機を見て突っ込む……いつもの奴だ!」
甲板から飛び出した機体たちが、脚部の電磁石にてその船の横腹に着艦していく。さながら、彼ら自身が増設の砲台となるかのように。
奇しくもその声に応じたように、キングストン船内のシュヴァーベン特務大佐も檄を飛ばした。
『コマンド・レイヴン、コマンド・リンクス発艦! いざとなれば盾となって母艦を守れ、腑抜けども! 間違っても膜の外に飛び出すな……アシュレイ・アイアンストーブに狩られるぞ! タイミングは私が指示する! それまでは【目】と連動させた迎撃砲台になれ!』
一方の彼らは、船外に展開させていく無数のアーセナル・コマンドのその力場を以って船の防護力場を補完しつつに機動力へと力場を割り振り、四隻の宇宙戦艦と巡洋母艦は急速にその輪形陣の網を広げる。
アーサー・レンが神業的に発揮する対プラズマ砲への力場干渉への対抗として、特定方向からの射撃からではなく十字砲火を成り立たせるべく。
更には、未知の敵への攻撃に備えて。
次々と船体のその周囲に展開される悪魔の卵じみた自律式砲台が、膨らんでいく陣形が、まさしくこれは大軍であると如実に知らせる。
『敵は単艦! 常に射線を共同させて対処しろ! 数で劣る以上、狙うは私の船だ! こちらの連携を分断すべく至近距離まで突っ込んでくるだろう! 二重の阻止線を構築し、これに備えろ!』
奇策を正面から踏み潰してこその正規軍だと、コルベス・シュヴァーベンは吠え上げる。
『おい、小僧!』
『何、ハゲのおじさん』
『髪の話は……ええい、エーデンゲートを庇うことをやめろ!』
『でも……』
あの大戦で生まれた技術の平和利用であるそれを、今や宇宙と地球の輸送の要であるそれを守ることこそが軍人としての役割だろうとフレデリックは眉を寄せ、
『奴らも深刻には壊せん! 第一、壊されたところでどちらかの所業として宣伝してやればいいだけのことだ! お悔やみの言葉と反省文はロックウェルの得手だ! それでお前が封じられてどうする! あの船を沈めることに集中しろ! あとはこちらでどうとでもしてやる!』
『――――!』
『ここでクソ
重大施設の防衛を行うことこそが軍人の役目なのか、それともそれを捨て石にしてなお敵を打ち払うことが役割なのか。
少なくともコルベス・シュヴァーベンは後者をとった。彼は防衛ではなく、そもそもの争乱の根を打ち払うことを選択した。
そのまま、
『陸戦隊を出せ! スイーパーチームは艇の直掩! エーデンゲートに詰める民間人共を撤退させろ! 多少手荒でも構わん! 制御系の奴らから優先的に退避させろ!』
全周が三十キロメートルを超える巨大な直径を持つエーデンのゲート。その遠大なる輪形の一大建造物は、キングストン級の航空母戦艦ですらも縦に五十隻は並ぶだろう。
宇宙、地球からの飛翔物を減速させ誘導させてその輪の中に捉える力場を持つ。
突如として巻き起こった艦隊戦に戸惑うスタッフたちは、今はその作動を停止させており――――そして兵器として使用ができぬよう安全装置が組み込まれているものの――……それは力場を持つのだ。
仮にその機能を使用された場合、艦隊そのものが力場に食い荒らされるようなことは起きないとしても――この宙域で放たれる弾丸という弾丸が引き寄せられ、絡め取られかねない。
そういう意味で、コルベス・シュヴァーベンの行動は実に理に適っていた。ウィルヘルミナ・テーラーの持つ洗脳能力を考えれば、その対処としてはもっともであった。
しかし、
『……私の手駒は、それだけではない』
地球近縁軌道からエーデンゲートを目指す立体的なナスカの地上絵の鳥めいた【
そのまま広域の電波通信のスイッチを押して、叫ぶ。
『皆さん、逃げてください! 本官は【フィッチャーの鳥】の第三艦隊所属、ヘンリエッタ・コールマン中尉です! 【フィッチャーの鳥】は、【
扇動。
ただでさえ、突如として巻き起こった戦闘でエーデンゲートに立ち寄っていた民間人は恐怖を抱いている。
そこに、飛び火をさせるのだ。
恐慌を。絶望を。
ウィルヘルミナが焼け移るための材料を。
そして――輸送品の手配に携わっていた無手のアーセナル・コマンドやモッド・トルーパー、アーモリー・トルーパーがシュヴァーベンの旗艦目掛けて移動を開始した。
『クソッ! 止まれ! それ以上近付くな……それ以上は、船への攻撃と見做す! 近付くな! 撃つぞ! 撃つんだぞ! 近付くんじゃない! やめろ!』
ウィルヘルミナの思考を都合よく転写された人間たちが、突撃する。
突撃し、【フィッチャーの鳥】に撃ち落とされていく。
それがウィルヘルミナの扇動に余計に真実味を与え――火を放ったように混乱と怯懦がエーデンゲートのスタッフに広がっていく。
これでいい。
これでいずれかのリングの制御スタッフを乗っ取れば、その時点でエーデンゲートは外部からの砲撃に対する強い防御力を手にできる。コルベス・シュヴァーベンの持つ大軍の利が、彼らの銃が無力化される。
何より、
(ヴェレル・クノイスト・ゾイストが居れば如何様にも言い逃れはできただろうが……今の貴様たちは沈みかけの船だ。一体、誰がその弁明を行う? 誰が貴様たちに付き合う? このまま、くだらぬ世論と共に衰えていけ)
民間人の撃墜。
それを行う様が、【
おまけに今は、例の、リーゼ・バーウッドによる映像の捏造という疑惑がある。
追求された【フィッチャーの鳥】は映像の捏造を唱えるであろうし、【
ラッド・マウスが何を企んでいるにせよ――法廷での決着など相応に時間がかかるだろう。その間に、その二勢力を完全に封じ込め……何よりも
エーデンゲートを手中に収める。
対立勢力全てを弱らせる。
そして、自分が本国に対して働きかけられるだけの時間を確保する。
ウィルヘルミナ・テーラーは高らかに笑う。
己こそが、勝者だと。
今ここには――――あの、最大の脅威たるハンス・グリム・グッドフェローは居ないのだから。
奴こそが、この世の秩序の最後の砦だ。
◇ ◆ ◇
雪上に鮮血が舞う。
廃棄された軍事施設で巻き起こった戦闘は斜面に面した乏しい家々を包んだ雪原へと場を移し、そしてそれももう――終わりが見えていた。
半流体であることを利用した流動を伴った弛緩と硬化を元にした緊張。その落差が生み出す爆発的な跳躍が、ハロルド・フレデリック・ブルーランプの背中を捉え容赦なくナイフで逆袈裟に斬り上げる。
骨まで達するその斬撃に歯を食い縛り、かろうじて拳銃の引き金を引くも……無意味だった。
ラモーナの爆発的な跳躍と共にその尽くが虚しい空砲めいて空を切り、銃声が響くのみ。やがて全ての弾丸を吐き出しきり、彼は雪原へと膝をついた。胸からの出血が雪の上に湯気を立てる。
「あなたも、置いていく人なんだ……置いていかれた人が、どんな気持ちになるのかも知りもしないで……」
「……ああ、そうだな。僕はきっと、そうする側の人間だ。グッドフェローと同じくな」
そう言った、途端だった。
響く銃声。
「――――っ、ぐ……!」
弾丸がハロルドの右手のひらを貫いた。
骨と腱を纏めて破砕し、その衝撃だけで根本から指を不格好な方向に曲げさせた。
更に――振り下ろされる足。
素肌の上に軽くジャケットを被せたような格好のラモーナが、その前を閉めることもないままに、雪ほどにも真っ白で僅かな丸みを持つ裸身を晒しつつも睨み付ける。
「おーぐりーを悪く言わないで。おーぐりーを馬鹿にしないで。おーぐりーは、そんなことしない」
猫が獲物を嬲るように、ラモーナのブーツがハロルドの右手を踏み躙る。逃げられないように圧しながら、
「おーぐりーはハロルドなんかと違う。おーぐりーは助けてくれるって言ってたもん。おーぐりーは……世の中の誰が敵になっても、わたしの味方になってくれるって言ったの……おーぐりーはハロルドみたいに裏切ったりしない。おーぐりーは、わたしの、大事な仲間だから」
「……その献身が疑いがなければ、か?」
「――――!?」
ハロルドの言葉に、ラモーナの目が見開かれる。
「なんで……」
「ふ。あの男の言いそうなことだ……。大方、こう言ったのだろう? その献身が疑いがないものなら……それが報われぬなんてことが、この世にあっていい筈がない――その時は必ず力になる、と……」
「……聞いてたの? そんなに前から……おーぐりーのこと……盗み聞きして……」
「っ、待――――――」
銃声が続く。
防寒着の上から叩き込まれた銃弾が、ハロルドの内臓を容赦なく撹拌していた。
透明感のあった筈の少女は、どこまでも憤怒の色に染まっていた。
「許さない。おーぐりーを罠にかけようなんて……絶対に許さない……! 優しいおーぐりーを……! おーぐりーは皆のために柱になろうとしてるのに……! おーぐりーは苦しくても、頑張ってるのに……!」
ただでは殺さない。
そう言いたげな、獣の怒り。家族と住処に手を出された獣の怒り。縄張りに踏み込まれた獣の怒り。
或いは、番いを狙われた雌獣の怒り。
致命傷は、間違いない。
そう、身体の力が抜けていくのを感じながら――……血だらけの雪にうつ伏せになるハロルドは、冷え付いていく頬を歪めた。
「く、く……あの男が、言いたい……ことは……違、うぞ……? それが疑いのある……偽りの、献身ならば……その時は、助けるに……値しない……と。それどころか、奴が……幕を引く……と」
「違う! おーぐりーは嘘なんてつかない! 味方になってくれるって言った! 世界の誰がわたしのことを否定しても、おーぐりーだけは肯定してくれるって言った!」
「……ほう。それで、あの男に惚れたか」
「――――っっっ」
踏み付けられていたブーツがハッと退く。
ここぞとばかりに、ハロルドは口角を上げた。
「その……エイリアンの、ような……体でも……男に愛して貰えると……思ったか……? フン、オマエも……女だった……とは、な……。物好きなら、具合を一度ぐらい試してはみたくはなるだろうが……」
「うるさい!」
剥き出しの素足のままに振り付けた蹴りが彼の小柄をくの字にへし曲げ、その肋骨をへし折るままに身体を仰向けに転がし、更に立て続けに連射。
残弾を撃ちきってなおも引き金が引かれる。それほどまでにラモーナは激昂していた。怒りのあまり瞳に涙を浮かべるほどに顔を赤く染めて、殺意を顕にしていた。
「フーッ、フーッ……!」
防寒着の下のハロルドの肉体は、ぐちゃぐちゃだった。ここから助かるのは、よほどの奇跡でもなければ不可能だろう。ハロルド・フレデリック・ブルーランプの最期は、この雪原にて幕を閉じることだったのだ。
そのことに訳もない寂しさと悲しさを覚えながら――だが、ハロルドは内心で笑った。これで、少なくとも、今の弾倉を使い切らせることはできた。
(僕が護衛で……よかった、だろう……?)
これで……。
ジュスティナを遠目に見付けても、ラモーナからの攻撃の手段はない。
仕事は果たした――――と、瞼が落ちようとしている中で、しかし気力を振り絞って、彼は続けた。
「くくく、ふふふ……ははははは! 決まっ、たな……お前の末路は……そんな、ヤツに……斬られることだ……ライ、ラック……」
「違う! その名前で呼ばないで! お父さんとお母さんみたいに!」
捨てられた子供。
それが、ライラック・ラモーナ・ラビットの根だ。
居場所を求めてる。仲間を求めてる。家族を求めてる。そしてきっと、伴侶を求めてる――……だからこそ、失うことと捨てられることに怯えながら。
かつての仲間の孤独に、ハロルドも思うところはある。
だが、今は、関係なかった。ハロルドの優先順位の中には、もう、含まれない。
「グッド、フェローに……今回の……ことを、言えば……いい……それで、全てが判る……」
「うるさい」
「聞、け……オマエ、は……初、めから……判って……いるんだ……だから、グッドフェローに隠して……ここに来た……そうしなければ、グッド……フェローに……切り捨て、られると……初めから、判って、いたから……」
「……っ」
「そんなオマエは……もう、大佐を選んでいるんだよ……笑わ、せるな……先にグッドフェローを……あの男を、裏切った、のは……オマエの方だ……」
死にかけのハロルドの言葉が、ラモーナを抉る。
違う、と首を振った。
これは、おーぐりーを助けるためにやったのだ。そう、大佐が教えてくれてやったのだ。どちらか一人ではない。どちらも大切な人だからやったのだ。
なのに、
「それでいて……味方をしてくれとか、アイツを守りたいとか……ふ、ふ、ははは……!」
ハロルドは、高らかに笑った。
「獣ではなく……子供ではなく……女だよ、オマエは……ずる賢い、そういう女だ……ははっ、男二人にそんなに求められたいか……!」
「っ、黙って……!」
重厚なコートの裾が揺らぎ、ラモーナのか細い裸体が動いた。仰向けに倒れたハロルドの身体に、馬乗りになる。
その首に、両手をかけた。
体重と共に絞め殺さんと、或いは首をへし折ろうと雪原に圧していく。
だけれども、まだ彼は笑っていた。
「誤魔化す、な……ライ、ラック……。とっくの……とうに、オマエ、自身は……グッドフェロー……ではなく、大佐を選んだ……。その上で、あの男が……オマエの味方をすると……オマエ自身が、思うのか……?」
「うるさいっ」
更に全身の力を込めるも、顔を赤黒く染めていく彼はまだ笑った。
「オマエはその時……どう、する……つもりだ……? あの男が……大佐の首を、刎ねると……したら……――――ぐ、っ」
「黙って。……もう、あなたの言葉なんて聞かない」
言いながら、ラモーナは腰のナイフを抜き払った。
ひんやりとした感触が手に伝わる。雪原ではあまり持っていたくないそれを逆手に構えて、両手で握り直す。
そのまま、身体の下に抑え込んだハロルド目掛けて切っ先を勢いよく振り下ろそうとし――……彼女は一度、目を瞑った。
ふと。
仲間の顔が、思い浮かんでいた。
「……フレッドに、何か言うことはないの?」
「――」
「ずっと、言ってたよ。またお兄ちゃんと居られて嬉しい――って。一緒に居られるんだ、って。……フレッドのことも裏切って、何か、言うことはないの?」
もう、目の前の彼の言葉は聞かない。自分に向けられるそれを聞きはしない。
だけれども――……仲間に、兄弟に、家族に向けるなら、その言葉だけは目を瞑ろうと思っていた。
一瞬だけ神妙そうになったハロルドは、口角から血を零しながら……寒さだけではなく震える頬を動かして、口を開いた。
「……そう、だな……。一つだけ、いい……か……?」
「何?」
「ヘイゼル・ホーリーホック……とはいかないが……僕とて生憎、
「……?」
「つまり……」
そこで、眼帯の横の瞳が残酷に歪む。
なんだと思った、瞬間だった。
地震。地揺れ。そう思うだけの振動と共に、彼らの真横から飛び出した――――真っ白な、波。
「こういうことも、できる」
雪崩。
銃撃と銃声で、それを、引き起こしたのだ。
そして彼はただ、その時間を稼いでいた。
不味いと思ったその時には、遅い。
ラモーナとハロルドの身体は、為す術もなく白き波濤に呑み込まれた。
それから、どれだけ時間が経っただろう。
ある意味では、幸運と呼ぶのかもしれない。
ライラック・ラモーナ・ラビットの内部骨格は、全てが高分子ケイ素ポリマー製の液状強化内骨格に置換されている。更にはその機械的な制御装置が、主の意識喪失に伴って自動的な防衛反応を作動させた。
雪崩の衝撃と酸欠で意識を奪われていた少女は、雪上にて意識を取り戻した。それだけ見れば、奇跡的な生存と言えるだろう。
だが、生存と無事は――必ずしも等価ではない。
「ぁ――――」
彼女の場合、それは、その骨格の素材的な熱伝導率の高さによって齎された。つまりは、冷えやすいということだ。
呆然と、ラモーナはその両手を見た。
「あ……ゆび……」
凍傷。
見れば、判る。
黒く、変色し始めていた。感覚がなくて、ブニブニと柔らかい。
これは、治るのだろうか。
元通りに――――治るのだろうか。また、料理ができるように。大好きな人のために、ご飯を作ってあげられるように。
それとも、あれが、最後になってしまうのか。
切り落とさねばならぬのか。元通りには、治らぬのか。
「おーぐりー、食べて、くれたかなぁ……」
ポロポロと、凍りつきそうな頬から涙が垂れた。
ハロルドの言葉は嘘だ。間違いだ。大嘘だ。
だって、料理なんてしたのは初めてだったのだ。食べたら喜んでくれるかなとか、美味しいと言ってほしいなと思ったのは初めてだったのだ。一緒に食べたいな、と思ったのは初めてだったのだ。
これからもそうやって、あの人と、食卓を囲んでいたいと思ったのだ。恋が叶わないとしても、そう思ったのだ。
こんな気持ちになったのは、これが、初めてなのだ。笑って――――ほしいと。
だから――……。
だから――決して、絶対に、裏切ってなんかいない。
「おーぐりー……おーぐりー……っ」
今すぐここに来て、いつものように優しい言葉をかけて欲しかった。
だって、彼を、本当に心から守ろうとしたのだ。
皆のために戦おうとしているあの優しい人が、罠にかけられて遠ざけられるなんてことがあってはいけないと思ったのだ。守りたかったのだ。優しいあの人を。
だから、違う。
ハロルドの言葉は嘘だ。嘘なのだ。嘘に決まってる。
――――〈先にグッドフェローを……あの男を、裏切った、のは……オマエの方だ……〉。
死に際の彼の言葉が残響する。
違う。そんなことはない。おーぐりーは大切な人で、おーぐりーも大切にしてくれる。きっと、ちゃんと味方で居てくれる。いつものように、優しく、一緒に居てくれる。
そう、約束したのだ。
嬉しかったのだ。
そんな彼のことを、守ってあげたかったのだ。
「う゛……う゛ぅ……――う、うぅぅぅぅぅ―――――」
泣きながら蹲る。
冷えついた手足を温めるものはない。
吹き荒ぶ風に雪が舞い上がり、辺りが白く染まる中で……透明な少女は、一人だった。
「助けてよぉ……会いたいよぉ……! おーぐりー……! おーぐりー……っ!」
誰も答えない。
ただ、その指が何かを紡ぐことはないのだ。
◇ ◆ ◇
教会の扉が鳴る。
あの二人の姿はなく……ロングコートを
久方ぶりに生身で顔を合わせた旧友は、どこか、強く疲れの色を見せている。
出会ってから、十年。
別れてからは……ああ、六年だったか。それだけだというのに、随分と隔たっていた気がする。
「マクシ……ミリアン……」
ライフルを構えたままの彼の前を過ぎて、教会の中に入る。見れば――二体のアーセナル・コマンドが、建物を半壊させる形で膝をついていた。
一機は、灰色の【ホワイトスワン】。
もう一機は、白銀の剣鎧騎士――初めて見る、いや、記憶には強く残っている――シンデレラの機体。名は、【グラス・レオーネ】だったか。
あの戦いの中で移動させて来たのか。それに気付けないほど、戦闘に集中してしまうとは。
だが、これなら安全に離脱が叶うと……そう思えば全身の力が急に抜けて膝から崩れてしまう。
「マクシミリアン……ここに二人……市民がいたが……彼らは、どうしている……?」
背後で、扉の閉じる音がした。灰色のコートの裾を棚引かせたマクシミリアンが、歩み寄る。
「それと……ああ、シンデレラから……話は、聞いている……俺を、証人に……ということだったな……?」
ごほ、と咳き込んだ。
痰に血が交じる。
どこか、撃ち抜かれたのかもしれない。自分の状態も悪いのだろうか。
何にせよ、だが、今は自分のことではなかった。
「シンデレラの、状態が悪い……意識がないんだ……目を覚まさない……。マクシミリアン……君は、何か……知っていたり……しないか……? このままでは、彼女が法廷に……」
茫洋と目を向けると、彼は、こちらに向けてライフルを構え直していた。
「マクシミリアン……?」
相手が違う――――そう言おうとした、そのときだった。
「方便だ、我が友ハンス。……いいや、
「マクシ……ミリアン……?」
「全てはこの街で、君を葬るためだ。そう呼ばれれば――君は応えざるを得まい。そうして釣り出して、君を葬ることが目的だった」
淡々と、彼は言う。
「騙して悪いが、死んでもらう」
そしてライフルのレーザーポインタが、こちらの頭部に向けて照準された。
一瞬、何を言われたのか判らなかった。
彼もこの惨状に心を痛め、そうなってしまったのだろうか。呑み込まれてしまったのだろうか。彼ほどの男が。
「何故だ……マクシミリアン……? 時間はかかるが……法廷で、正当に、決着が付く……これ以上、この世界が、争う必要もない……この事態さえ収まれば――――」
「中将が死んだ」
「――――」
「スパロウ中将は殺害された。それが
そのまま、旧友は続けた。
「そして……【フィッチャーの鳥】のゾイスト特務大将も殺害されたようだな。……判るか、ハンスよ。それを描いた何者かがいた場合――この戦火、収まるところではないのだ。世は乱れる。分断のままに、世は乱れる」
「……」
「そこで……この国が新たなる偶像にするのは、誰だ? ロビン・ダンスフィードか? アシュレイ・アイアンストーブか? ヘイゼル・ホーリーホックか?」
狼のような濃い琥珀色の瞳がこちらを捉える。
これから喰らう肉を見るかの如くに。
「……いいや、今、私の目の前にいる男だろう。他ならぬ君こそが、まさに滅びに傾くこの世界での旗の担い手となる。そして――」
彼はゆっくりと首を振り、
「君は、旗手たり得ない」
そう、決断的に断言した。
「全てを置き去りに飛ぶその在り方の行き着く果ては、君の望みとは真逆の、分断よりも恐るべき最期だ。故にこの私が――……マクシミリアン・ウルヴス・グレイコートが、此処で君を取り除こうと言うのだよ」
「マクシミリアン……?」
彼には何が見えているのだろう。
己などよりも判断能力に優れた彼がそう言うからには、相応の理屈もあるのだろう。きっと、何か妥当な言葉なのだろう。そのことに、異は唱えられない。
だとしても――――そうだとしても。
「マクシミリアン……待ってくれ……今なお、この街には助けを待つ人々がいる……もし、君が、俺に怒りを抱いたとして――――だけど、俺たちが、ここで、争うべき場面では……」
「久しいな。……君と出会った日のことだ。妹から話は聞いていたよ。同い年の男があの子と婚約するなど……どんな厚顔無恥な男かと思った。父同士は連絡をとっていたが、我々は顔を合わせることもなかった……それでもあの子は、乏しい連絡先から私に連絡を寄越した」
「マクシミリアン……」
妹。
婚約者。
……そうだ。今日知った。
眼の前の彼は、あの娘の、兄だった。
「君は、素朴で頑固だった。……そして優しい男だった。我々の国の緊張が高まる中でも、思ったよ。世が我々のような関係になれたなら……と。ローズマリー女史も交えて我々は色々なものに触れたな。命懸けの冒険もあった」
「マクシミリアン……今は、思い出を語る時間じゃ……」
遠く過去を覗き込むような彼の目が、冷めた。
「真剣にあの日、語ったな。どうすれば争いが起きずに済むか。その中には荒唐無稽なものもあったが……一つ覚えている。もし、世が、仮にその個人の意思を強く反映することとなったなら――――そこで残るのは、最も揺るがぬ意思だと。思えば、君は初めから備えていた」
何かの確信を持った視線が、こちらを正面から捉えた。
「それがメイジーを殺したのか?」
「――――」
「ようやく判った。……やはりお前はそうなのだな。そしてお前はその論理の果てに、我が妹メイジーを……十年来の婚約者を殺したのだな、ハンス・グリム・グッドフェロー大尉。そして、お前は何もかも灰にしようとしている」
その視線に、呼吸が止まる。
「答えろ、我が友であった男よ。その天秤の働きで婚約者も見捨てるような男のどこか英雄だ? 人の想いを踏みにじり突き進むそれのどこが善人だ? サーの称号を担うに足るのか? その在り方のどこに人の心がある?」
「俺は、そんなことなんか――……」
「ああ、自称をしては居まい。否定すらしているだろう。だが、君の自己評価と他者が見出すそれはまるで別だ。そして何より――……そんな君の天秤を動かすのは何だ? その天秤は誤らないのか? 人の想いでさえも刃を止めぬ男が道を違えた際に、一体誰がそれを正す? 覆らぬ判決をどう贖う?」
こちらの天秤の在り処を確かめるような瞳。
「果たしてお前は――この先を生きるに値する男か?」
そしてマクシミリアンは、続けざまに言い放つ。
「だからだ、
判らない。
彼が、何を言っているのか判らない。
何を懸念して、何故ここで自分を殺そうとしてくるの判らない。どうしてこんな苦難の中で戦いをしようとしているのか、判らない。
だから、言えることは一つだった。
「マクシミリアン……話は……その話は、あとで聞く……ちゃんと、聞く……考えるよ……だけど――」
この教会に隠れていた人。
そして、自分を信じて潜んでいる少女たち。
あの日、自分たちに手を振った人。そうでない人。
そんな、多くの人――――――
「この街には……助けを待つ人が……いるんだ……皆、待ってるんだ……震えて、苦しんでるんだ……。今も、銃声に脅かされてる……彼らは、何にも力を、持っていないんだよ……。どれだけ恐ろしいだろう……すぐに……助けにいかないと……」
今ここで、戦火に苦しむ人がいる。命を脅かされる人がいる。そこで泣いている人がいる。
彼の言葉は判らないけど。
それは果たして、そんな人々よりも優先させることなのだろうか。彼らの命より大切なのだろうか。
どうか伝わってくれと、そんな想いを視線に込めて――
「その、どこかの誰かまでをも滅ぼす剣になる――と言っている。ハンス・グリム・グッドフェロー」
「俺は……」
「お前の至るべき果ては、誤りでしかない。……ここで果てろ、
彼は何かの確信とともに、こちらを、射抜くような金の目で見た。
ああ――――と、理解する。
今日この日まで、互いに刃を交えることは幾度とあったが、それは、どこかで終わるのではないかと思っていた。
立ち位置がそうなだけで。
立場がそうなだけで。
また、状況が許せば、手を取り合うことはできないとしても、刃を向け合わずとも済むのではないかと。
だが、彼は決定的に自分の排除を決断している。
(――――――――そうか)
カチリと、己の中の何かが嵌まる。
その瞬間に切り替わった。
彼が果たして何を言っているのか、その意図までは判らないが――――明白であるのは、それが己に銃を向けているということ。
そして、市民の救助を阻むということ。
その戦意に行き違いや誤解がないということ。
であるならば――――やることは、変わらない。
「無辜の民を踏み躙るのは、兄妹で同じか。ならば辿る道もまた等しい」
言いながら、手足に力を込める。
翔べ。飛べないままに、翔べ。
果ての先へ、その先へ、翔ぶのだ。
ここではない。こんな場所を終わりにする気はない。こんなところで止まる気はない。
ならばお前は、翔ばなくてはならない。
そう――――誓ったのだろう。己と、職責に。
「争いたいのか。この街で。この俺の前で。お前は、それを望むのか」
ふつふつと湧くものが、己の手足に力を与えた。
彼の理論は知らない。彼の懸念は知らない。
だがこの男は銃を向け――――争いの中の一部分になろうと、その悪を担おうとしている。
ならば、ああ――……是非もない。
「貴官が死にたい、ということは良く判った。……この俺を前に争いを続けたいならば……死を意味すると知れ、マクシミリアン・ウルヴス・グレイコート」
旧友だろうと、関係ない。
ここで――――――殺す。それだけのことだ。
望み通りに、喰い千切ってやる。
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