【180万PV感謝】機械仕掛けの乙女戦線 〜乙女ロボゲーのやたら強いモブパイロットなんだが、人の心がないラスボス呼ばわりされることになった〜
第97話 悪なる炎、或いは狩人狩りの聖者、またの名をホワイト・スノウ戦役
第97話 悪なる炎、或いは狩人狩りの聖者、またの名をホワイト・スノウ戦役
現地の駐留軍基地に立ち寄った結果、やはり多少はひと悶着はあったものの、特に障害らしきものもなく伝達は行えた。
あとは、当初の作戦時に示されていた所定の行動が実現できるか――……つまりコマンド・レイヴンないしはコマンド・リンクスの使用が叶うか、そして宇宙軍や【フィッチャーの鳥】と共同して宙間船舶保護や空域保護を行えるかだけが問題である。
その、回答待ちの時間。
既に三十分が経過した。
室内だというのに、煙草に火を点けたくなる。
ここから、更にどれだけ時間がかかるのかを考えた。
こちらの報告を受けた現地部隊から暗号通信によって【
それらはまず行われるだろう。
同時に
ともすれば【フィッチャーの鳥】が下すその分析如何によっては、こちらに軽率に動くな――という指示が改めて行われるかもしれない。
あとは、まあ、一番はこの現地部隊から【フィッチャーの鳥】へとされるこちらの身元確認か。
先方へはこれが正式な書面でされている命令に従った行動である旨を伝えた以上、おそらくその作戦の実在やこちらの身元に関しての照会についてはさして時間もかからないだろう――おそらく。
そこからどうなるかは、全く以って見通しが立たないとしか言えないが……。
しかし何にせよ、せめては一時的にでも待機命令、ないしは今現在の分析の進捗状況か、或いは最低限でもこちらへの回答に必要な時間を伝えて貰いたいものだった。
そう考えている、そんなときだ。
時計型の可搬型デバイスへの着信。
念の為に備えて、基地の外に待機を頼んだオーウェンからのものであり――よほどでもない限りは、呼ばれることはないはずのそれだった。
そして、そのホログラムに浮かんだ主は、
「……ラモーナ?」
憔悴していたはずの、彼女だった。
それから告げられた事実は――まさに、驚愕としか言えなかっただろう。
『ごめんね、おーぐりー……! ごめんなさい……ごめんなさい……!』
彼女の不調の、その原因。
何か体質的なもの、或いは何らかの罹患症状かと思っていたが……それは誤りだった。
あれほどまでに熱に魘されるように、意識喪失と覚醒の波の合間を漂うようになっていたラモーナ。
その原因は、
『燃え広がって……燃え移ってきて……! うぃるまの心が……うぃるまが……! 今までのこと、うぃるまに……きっと、全部、伝わって……!』
「……」
『おーぐりーのことも、この人との話のことも……きっと全部……。ごめんね、おーぐりー……! ごめんなさい……!』
言わば――精神的なハッキング。
実に常識を外れているとしか言えない。だが、懸命に訴える彼女の言葉に嘘があるとは思えない。
ラモーナのあの不調はまさしく肉体の免疫反応の如く、精神の免疫反応であったのか。それとも、そんな乗っ取りによる反応なのか。或いは、肉体をそうされるかの如く精神へと火傷を負わせられ憔悴したというのか。
なんにしても、彼女は被害を受けた。精神的かつ直接的な諜報を受けた。
ウィルへルミナ・テーラー。
あの街で仲違いのように別れた少女が、何らかの深刻な事情を抱えていたと思しき少女が、何とも信じがたいことにラモーナの精神に相乗りをしていたという事実。
何故とか、どのようにとかは、今はいい。
とにかく――ラモーナはそうされたと判断して、ウィルヘルミナはそうしたということだ。
(時期的には……あの残党との交戦後か。つまり――)
ウィルヘルミナは、そちらに与していると考えて間違いではあるまい。
そして、こちらの正体を知った。オーグリー・ロウドックスがハンス・グリム・グッドフェローということに気付き、それからこちらが何故身分を偽り
その上で――得たのだろう。得てしまったのだろう。かの
最早、こうしてはいられまい。
あまりにも緊急性が高い――そう判断するには十分な事象だ。
公式に、そして法的に
回答は待てない。
早急に行動するしかない。――その上で。
「ラモーナ」
『な、何……? ごめっ、ごめんなさい……ごめんなさい、おーぐりー……! ごめんなさい……!』
打ち叩かれて悲鳴しか発せなくなってしまった動物のように、ホログラム画面の中で謝罪を続けるラモーナ。
……言うべきだろう。
己は、言うべきなのだ。言わなくてはならない。
「……君は俺に、仲間と言ったな」
『……?』
「仲間同士だ。……ならば何も謝ることなどない。そうだろう?」
『でもっ……』
まだ謝罪を続けようとするラモーナへ、首を振る。
「案ずるな。俺は全てに備えている。……何一つ、君が気に病む問題などない」
『おーぐりー……。でも……!』
「大丈夫だ、ラモーナ。……俺はそのためにいるんだ」
然りと意思を込めて、頷き返す。
だが、それでも彼女の表情は晴れなかった。
彼女の憂いを晴らすには己では不十分なのだろうと、何とも実力不足を呪いたい気持ちになるが――一瞬だけ逡巡し、そのまま言葉を続けた。
「……今の君は、安全なのか? 情報を奪われているという自覚は? 何かその兆候は?」
『えと……多分、ないと……思うけど……。でも……ごめんなさい……わからないの……そう思わされてるだけ、なのかも……』
「……」
言葉を濁したラモーナの言うとおり、それも確かめようがない。
本当に今は問題がないのか。或いは何かの病のように潜伏期間に入ったのか。それとも、その精神侵食とも言うべきものの進行によって何らかの抵抗力とも言うものが失われてしまった結果――あたかもガン細胞に免疫が発揮できなくなるのと同様――ラモーナの精神が拒絶反応を起こさなくなり、彼女はこうして話せる状態に戻ったが干渉はなんら変化なく継続しているのか。
結局のところ、精神という藁の家に対する干渉など何一つ外部からは判別ができない。それは他人であるこちらからも、何よりも彼女自身からもそうだろう。
恐ろしい能力だ。
故に――こう指示するしか、他はない。
「ならば、休養を。こちらから各所へは連絡する。……申し訳ないが、君は、可能な限り作戦内容から遠ざかる位置に居てくれ」
『……ごめんね、おーぐりー。役立たずで、ごめんなさい』
今にも悔いるように涙を滲ませながら、無念そうにラモーナは俯いた。
暫し、黙し……
「……君はあの時点で、俺が役に立つから仲間と言ったのか? あの時点でそうと判っていたか?」
『それは……』
「……」
『……ううん。違うよ、おーぐりー。違う……』
彼女の返答を待ち、こちらも頷き返す。
「ならば、そういうことだ。君と俺とが仲間であるということに、それとこれとはなんら関係がない。そして――」
如何にこう補ったとしても、人の心はそう容易くは変えられないだろう。十分にそれは判っている。
だとしても、
「気に病むな、と言っても難しいだろう。……俺がどう言ったところで、君の気が晴れるとは思えない。だが……そうだとしてもこのような事案は、決して被害者の側が叱責を受けることでも負い目を感じることでもない。君に、結果の責任などない」
その点だけは示さなくてはならない。
悪いのは、加害者だ。被害者がそれに責任を感じて押し潰される事態ではない。
予期できないミスも、或いはミスというものそのものも叱責には値しない。大切なのは、そこからどうするかでしかない。
ライラック・ラモーナ・ラビットは、ひたむきで優秀な
故に、
「君は、何も、悪くない。……悪くないんだ、ラモーナ。どうか、そうも悲しまないでくれ。俺は、大切な仲間の悲しむ顔を見たくない」
『おーぐりー……』
その言葉により涙を滲ませてしまったラモーナに、何とも言えない気持ちになる。やはり、自分ではまだ足りないらしい。彼女をフォローしきれる実力もないと、確かに非才の身たる己ではそう思われてもおかしくはないだろう。
だとしても――今は俺が上官だ。
ならば、その責務を果たさねばならない。
連綿と受け継がれ、己にもそう言葉をかけてくれた人間たちのように――己も、そうあらねばならない。
「後は任せろ。こちらで対応する。俺は、そのためにいるのだ。……上官というのは、そういうものだ。そのためにいるんだ」
『おーぐりー……! でも、わたし、もしこれでおーぐりーが……
「……俺では不足か?」
『……!』
ハッとしたように顔を上げた彼女が、それから小さく首を振った。
「ならば、任せてくれ。……君のその尊き献身の心を、俺が無にせぬと誓おう。それは、断じて否定されて良いものではない」
『おーぐりー……』
「案ずるな。この世の誰が君を否定したとしても、俺は肯定する」
『う、うん……!』
彼女は、こちらの言葉を受け入れてくれた。
最低限の信頼関係は確立されているか。
ああも彼女からは再三に渡り注意受けるような間柄となってしまったが、そうであるなら喜ばしいと、素直にそう思う。
故に、
「……貴官のその憂いを取り除くだけの結果を約束する。しばし待つといい。必ず吉報を届けよう」
そう告げ、部屋から踵を返す。
何一つ猶予がないなら、やはり、当初の交戦規定通りに行動すべきだろう。作戦内容の変更や追加は待てない。十分なアーセナル・コマンドの使用は叶わないが、それでも敵機を破壊するだけだ。
己の有用性はただその一点のみ。
他の全ては些事だ。千の励ましの言葉も万の慰めの言葉も、一の成果には劣る。あとはただ敵機の完全破壊と撃滅という結果を以って、彼女の憂いを取り除く他あるまい。
義務を果たせ――兵士であるということの義務を。
『……あのね、おーぐりー』
「まだ何か?」
『前に……前にね? おーぐりーのことを恋人にするのは嫌かなって、言ったけど……』
指と指を絡めながらもラモーナは控えめに、
『……今はね、わたし、おーぐりーみたいな人だったらいいなぁって……思う……よ?』
「そうか、光栄だ」
はにかみながら、そう言った。
それで通信は切れる。どうやら、そのような私事に関わる雑談を行えるだけの精神的な余裕は生まれたらしい。
何よりだ。
ならばあとは、こちらもすべきことをするだけだ。
接触を行った部隊の人間に緊急性を伝達し、駐留地を離脱。
受け取ったアタッシュケースを開き、衝撃緩衝用のウレタンマットのうちに安置された金属製の厳しいベルトを腰へと装着。
手の内のスマートデバイス型のガジェットへと所定のコードを入力し、ベルトに備えられたデバイスマウントへと搭載――――脊椎を電気信号が駆け巡る。軍のデータベースに登録されている生体信号との照合を完了。そして、スマートデバイスによる周囲状況の認識を完了。
これにて、当官が敵軍兵士からの脅威に晒された状態でないことの確認も終了。
そして――コックピット・シート下の大容量記憶装置を引き抜き、入れ替わりにアタッシュケースをその部位に挿入する。
つまりは――
『随分とお久しぶりですね、
「特に痛みは感じていない」
『………………ええ、ええ、なんとも実に喜ばしいことですね、
「そうか、光栄だ」
『…………………………』
データリンクを介して軍の専用回線にてアタッシュケース型の記憶装置にダウンロードされたフィーカが、改めてコックピット内にいつも通りの冷やかな声を発する。
これより先、潜入任務による無線封鎖・通信封鎖の状態を解除。作戦内容の重大性を鑑みて、軍内での高度な連携や連絡を可能とする彼女の出番が求められる。
そして、彼女との連携によって初めて可能となる様々な戦法――……それがなければ、切り抜けられない相手だろう。
「
『私を誰だとお思いですか、
「そうか」
ならば、よりこちらも戦闘に集中できるということだ。
そして、フィーカの入ったアタッシュケース型の記憶装置からケーブルを伸ばし、先程までそこにいた学習型AIの記憶装置へとコネクト。
これにて、残党が行っていたこれまでの戦闘や功績、整備記録、
規格違いだったコックピット内のホログラムシステムUIが、見慣れた
操縦桿を握り、簡略化された始動前点検を実施。
ドーナツ型スペースコロニーと呼ばれる、宙に浮いた途方もない車輪の如き
「ラッド・マウス大佐に通信は可能か?」
『
「……あちらの状況は? 確認できるか?」
『残念ですが、データの照合には高度な権限を必要としています。こちらからはアクセスが不能です』
「そうか」
何らかの作戦行動中、だろうか。
しかしこれで――状況は揃った。
そして作戦の指揮官への指示を仰ぐこともできないことが確定しており、任務内容の特殊性から他部隊への合流は不可能。現場の最先任は自分。
任務に緊急性が求められる状況であると判断したために当初の交戦規定に基づいて作戦行動を開始する――その行動への法的な瑕疵は存在しないのだ。
「速やかに敵を叩く。空気反力がないため、
『……了解ですが、相変わらず無茶がお好きで実に何よりです。辞書の無謀という言葉に新たな項目を追加されるでしょう』
「
脊椎接続の力により、それまでは訓練を受けたパイロットでしか行えなかった呼吸法や筋硬直・弛緩の技術がプリセットのように備えられた。これがまた、容易く民間人も戦闘に出撃可能な理由となる。
そして高度に専門訓練されたパイロットはそれを超え、更に
……なお、マーガレット・ワイズマンの通常攻撃時のバトルブースト使用による最大加速度は一七〇Gオーバーというデータがため、如何に彼女が空前絶後に突出した人員であるか知れるだろう。
「……フィーカ」
『なんでしょうか、
問い返す彼女へ、
「――ここで、必ず破壊する」
そう、端的に告げる。
『了解です、
「感謝する」
大きく息を吐き出し、一度目を閉じた。
オーウェンが集積していたデータ。可能な限り、きっと彼が血の滲むような努力と献身の果てに集められるだけ集めた敵のデータ。
抜けは多い。穴がある。不明点や不信情報もある。だが、だとしても見えたものがある。
そこから知れた
それは、世界を焼き尽くすものだ。
つまりは、人々を焼き尽くすものだ。
その日常を踏み躙り、幸福を下敷きにし、全てを戦の炎の中へと投じるものだ。
彼らの命と、願いと、祈りを、ある筈だった当たり前の人生を侮辱するものだ。
彼らも、彼女らも、そんなものなどに容易く傷付けられていい筈がないものだ。
見逃す理由はない。断じて、赦してはおけない。
軍人として、一市民として、ハンス・グリム・グッドフェローとして、そんな存在がこの世に在ることを赦してはならない。この命続く限り否定しなければならない。
その蹂躙する暴力をこそ、己の暴力によって蹂躙せねばならない。
ああ、
お前も
「状況開始。――当機と当官の持てる全力を以って、敵を破砕する」
――――喰い千切ってやる。
◇ ◆ ◇
想え。
失われゆく命を想え。
そこにある命を想え。
彼らが得るはずだった幸福を、失われるべきではない日常を想え。
踏み躙られ、奪われ、慟哭と絶望の中で死していく命を想え。
保たれる平穏を、送られる人生を想え。
人を想え。
命を想え。
それが暮らしている社会を、大地を、国家を想え。
そのあまりにも儚く、頼りなく、故にこそ決して容易く奪われるべきではない人々の持つ善き営みを想え。
彼らの父祖が連綿と繋ぎたる人の世を、文化を、歴史を、技術を、科学を、愛を――その善き営みを想え。
己を凍えさせる哀惜も。
己を怯えさせる怯懦も。
己を打ちひしがせる挫折も。
その全てが些事である。
彼らの生と比すれば、その喪失と比すれば、何もかもの一切が些事である。
大切なのはただ一点、彼らのその生を――それを成立させうる国家を、社会を、基盤を壊させぬことだ。
生きとし生けんとする者たちが黄金の安寧に居られるように、その揺り籠を保つことだ。
ただ――――怒りを想え。
それのみが一切、邪悪を断つ。
故にこそ、それすらも棄てよ。
断つものは邪悪にあらじ。己は正義でも、英雄でもあらじ。そのような理想も、偏った役割も、定義を必要とする拙遅なるものも、不必要なしがらみも不要である。
己は兵士だ。
彼らの生存を保証する秩序と、その善を掲げた旗の下に立つ者だ。
必要なのは、機能だけだ。
義務を果たすための――――殺傷性という、その機能だけだ。
全ては、そこに目掛けて突き詰めていくだけのものにすぎない。それを磨き上げるためのものにすぎない。
戒めよ。
己には――――首輪が付いている。
◇ ◆ ◇
水素収集翼――四方八方へと飛び出して蜘蛛の巣めいた構造を為す鋭い銀色の柱が青き燐光を放つ。
銀の巣の中心にて、凹凸の少ない円錐の船体下部に備わったで加速補助推進剤噴射口は折り畳まれた蜂の足か。
【
生物的な有機を機械という無機質で突き詰めたものというべきか、どこか、命無きものの有する機能性の極地と命あるものの硬質な生命力を両立させる昆虫の如き大船の、その船内にて。
「……大義であったな、ウィルマよ」
「勿体ない言葉です。……私も、
「……」
禿頭の艦長へと、仄かに紅き炎髪を靡かせながら、黒カーディガンの上に軍服を肩からかけたウィルヘルミナが恭しく腰を折った。
ハンス・グリム・グッドフェローという男との接触により
外宇宙探索船へと合流した残党たちの中でそれらの開発に携わっていた者たちからの裏付けもあり、確かに真実味のある情報として今や大戦の亡者の巣窟となった船の先行きを決めるには十分なものだった。
指揮官であるアンドレアス・シューメーカーこそ僅かに怪訝そうな沈黙で彼女を見詰めたが、やがて周囲で拳を握る兵士たちの様子に、口を噤んだ。
「では……大佐……!」
期待するような兵の瞳に、壮年のアンドレアスが然りと頷く。
それに、兵たちが輝かせた顔を見合わせる。
戦いだと――己たちは、敗れてはいないのだと。あれは卑劣なる
この艱難の日々が終わり、ようやく己の磨いた戦闘技能を発揮できるのだと――。
「我々は、この日を待ちわびた。我々のこの行動こそが次なる
拳を握った禿頭の壮年が、艦内に響き渡る放送を行う。
無意味な妄言を除けば、つまり、艦の兵士を複数に分けてアーク・フォートレスの確保を行う。併せて敵勢力への陽動も行う、ということだった。
後者は【
撃墜数第十九位――
撃墜数第十七位――
撃墜数第十六位――
撃墜数第十五位――
その全てを投入しての乾坤一擲の作戦だった。
故にウィルヘルミナは、一人、船の廊下で笑う。
その脳裏には、あの男――己へと消えぬ炎を灯した、あの男。
「お前が本当に、全てを焼き尽くす炎であると言うなら――」
その言葉の通り、秩序と善の担い手を語るならば。
不退転の覚悟と、絶対なる意思を掲げるならば。
不毀なる剣として、己という存在を定義するならば。
「――来るがいい、ハンス・グリム・グッドフェロー」
かの男こそ、再び己が相見える相手なのだろうと――彼女はその笑みを強めた。
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