第200話ユメカナッ!!

目が覚めるとそこは、どこかの大地。

僕はどうやらここで寝転がっていたらしい。

「あれ?ここは……僕は、どうなったんだ??皆は!!???」

ガバッと起き上がる僕の目の前には真っ白な大地が広がっていた。

遥か彼方まで真っ白な大地。

しかも静かで。

よく話に聞く死後の世界ってのにも見えなくもない大地。

僕はフラフラと立ち上がる。

すると目の前に天から光が差し込んでくる。

「えっ!!??」

「…らい……みらい…君。」

僕の目の前に降り立ってきたのは、あのライティア様だったんだ。

「ライティア様。」

「みらい君……よく…あの竜也を倒してくれました。この地の人々に変わりお礼を。」

「いえ…僕は何も…。」

「そういえば竜也は?」

「彼は…貴方の放ったエネルギー、つまりこの世界の力により…力を奪われ…そして…消えてしまいました。」

「そうですか。」

「……貴方は竜也を倒せた事…嬉しくはないんですか??」

「僕は……ライティア様?僕はね?この世界に来る時……友達が沢山出来たらいいなって!そう思ってきたんだ!!そう、僕がこの世界が好きな事も理由は夢のある世界だから!!なんです。」

「確かに…そうですね…みらい君はこの世界に来ても戦う事が不本意でしたね?」

僕はこくりと頷く。

「そうなんです。らいとと二人でこの世界にきたけど僕はらいとみたいに戦いが好きな訳じゃなかったんだ。でも。」

「でも?」

「でも、次々と襲ってくる敵…それに!困ってる人達の為に必死に僕は戦ってきたんです。」

「そうですね…これまでの貴方の戦いは本当にこの世界の人々の為に続けられてきました…そしてとうとう。でも、散っていった仲間たちは!!!???」

「みらい君………顔を上げるのです。」

僕は顔を上げるとライティア様は僕に微笑む。

「私が何者かは…話していましたよね?」

ライティア様がそう言うと。

スーッと姿を現すバラキ。

「みらい…よくやってくれた…この俺からもお礼を。」

「バラキ……。」

「私もいますよ。みらいさん!」

バラキに包まれながら出てきたのはレーミアちゃんだった。

「レーミアちゃん!!無事だったんだね?」

「はい!みらいさん!ここからが私達の出番です。」

「えっ!?どういう……事??」

「それは。」

レーミアちゃんが優しく微笑む。

「ライティア様!!いや!フェニックス!!」

いつの間にかライティア様はフェニックスへとその姿を変えていた。

そして。

「今こそこの力を!!!世界の為に散っていった者たちの全てに癒しを!!!!!」

『フェニックスワールド!!!!!』

キラリと光り輝き出すフェニックス。

そして。

僕達は光に包まれた。

ここは地下世界。

「ふぅ……また動いたわ!そろそろパパが帰ってくるかしら??」

ネージーさんを見守るエリーン様はダンさんの安否確認は出来ない状況だったのだ。

「あ、ああ。ネージー。」

エリーン様の表情は陰る。

すると背後から誰かの声が。

「エリーン様!ネージーはどちらに!?」

エリーン様の目からは…涙が。

ここは港町マリンベル。

「はぁ…しかしレイオールはどーこ行きやがったんだ??」

「あなた!そんなガミガミいうからレイオールも嫌になるのよ!今に帰ってくるでしょ??」

「はん!どーだかな!また修行とか言って山にでも。」

ガチャりと家の扉がひらく。

「ったく!いつもいつもうるせーな!オイラはここにいるってーの!」

そして、ここは火の街ファンガイア。

「おお!サイリス!帰ってきてくれたか!!??っとそこの…彼は……。」

「もぉ!父さんはいつまでも私を子供扱いするんだから!!あ!父さん!この人はなんと!あの!」

「ラージです!お久しぶりです!ファンガイア王!」

ここは世界魔導協会。

「バラキさん!どこ行ったんですか??」

「ん??ああ……ここだが……これはなんとも俺様には恥ずかし気がするのだが??」

「そんな事言わないでください!ダメです!魔導協会の新体制を確率する為私は貴方の。」

「そ、そうなのか??でもこれは人間のする事ではないのか??」

「私にとって一生に一度なんですからね!」

「あ…ああ。わかった。」

ところ変わりここは邪馬国。

「おお!飛鳥か!?よくぞ戦い帰ってきてくれた!!」

「なんですか?沖田さん!あ!どうしてまた子供姿になってるんですか??」

「おい!飛鳥!僕にそんな口の利き方を!!」

「うわぁぁぁ!怒ったァ!!!」

僕たち二人。

そう、僕とらいとは皆の今の姿であろう光景を見ていた。

後ろからライティア様から声をかけられる。

「みらい君…そして……らいと君……これまでの戦い本当にありがとうございました!貴方達の戦いでこの世界は救われました。どんなお礼をすればいいのか。」

「いや!お礼なんて要らねーよ?なぁ?みら!?」

「そうだね、らいと!僕達はこうして皆元気でいれた事が嬉しいから!」

「さぁ…では帰る準備が出来たのなら貴方達の元の世界は扉の向こうです。」

「ああ。」

らいとはそういいスタスタと僕の前を通り抜け光の扉に向かい歩いていく。

僕が動かない事に気づいて振り向くらいと。

「ん?みら?どうした??」

「らいと!あのさ!相談なんだけどさ?」

僕は、異世界への扉の方へ走り出す。

らいとはニヤリと笑うと僕に並び走り出す。

「えっ??みらいさん?らいとさん?」

「ライティア!また俺は異世界で遊んでくるぜ!!」

「ライティアさん!ごめん!僕もまだ!遊びたいんだ!!異世界は僕の夢だからさ!」

「ユメ!叶ってしまったんだけど、どうする!?どうしたらいい??」

こうして僕達は、また異世界への扉に飛び込んでしまいました!

その後の話は。

読んでくださった皆様の想像でお楽しみください!

約三年という長きに渡り拙作「ユメカナッ!!」をご愛読くださり本当にありがとうございました!



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ユメカナッ!!本編 黒羽冥 @kuroha-mei

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