第199話竜也…消滅

らいとと竜也の一騎打ち!!

それは辺りの凄まじい衝撃音を轟かせた。

そして…次の瞬間。

ズシャッ!!!っという音と共になんと!!

今度はあの竜也の右肩から腕を斬り落としたのだ。

「ぐあああああああああああっ!!??」

竜也が、腕を押さえながらもがき、のたうち回る。

「らいと!!??すごいよ!!」

「本当にあの男やってくれた!!まさか本当に神化をしてしまうとは!!??」

らいとの凄まじい攻撃にバラキも驚きを隠せない。

「本当に凄いわ!彼の戦闘センスは並外れているようね。」

「そうだよ!ベレッタさん!アイツが僕の大親友のらいと…なんだ!!」

僕の言葉に皆安堵の表情を浮かべる、すると。

「ぐっ!!??」

らいとは突然腕を押さえこむ。

「らいと!??どうしたの??」

「ああ…ここまではなんとかなった…だけどまだ俺の技は未完成かもしれねぇ…それに俺もまだまだ鍛えねーと…この一発放ってみたが…腕への負担が大きすぎたぜ。」

そう言ったらいとの腕は腫れ上がり暫く刀ももてなさそうだったんだ。

「らいと!とりあえずらいとが竜也を仕留めてくれた…だからゆっくり休んで………。」

僕がそう言いかけた瞬間。

突然竜也の身体が更に光り出す。

「えっ!!??」

ぼうっと音を立て光りを増す竜也。

まさか本当にこの竜也というのは不死身…なのか。

僕が倒れている竜也を見るとはぁはぁ肩で息をしながら…光を纏い宙に浮いている竜也がいたんだ。

「竜…………也。」

僕は竜也をみすえる。

すると竜也は腕を抑えながらも立ち上がる。

「くっ!?この…よくも、よくも、よくもよくもよくもよくも!!!!!」

竜也は光を発し、そして…その声は怒りを露わにする。

「くっ!!??あの男…更にパワーアップを。」

ベレッタさんもその力に貼っているバリアにも影響を感じたようだ。

「貴様ら!!!よくもこの僕にここまで傷をつけてくれたな!!!???ゆる…さない!!!」

その力は更に大きなものへとなっていく。

「竜也…くっ!!??」

「お前もだ!!!ベレッタ!!!!こんな壁邪魔だ!!くらえっ!!???」

ドウっと放たれた光はベレッタさんを捉え。

そして!!!

僕の身体は飛び出していた!!!

僕はベレッタさんに手を伸ばす!!

「ベレッタ!!!さんっ!!??」

「みら…い……くん…。」

ベレッタさんは獣化を解き人型へと戻っていた。

そして僕はベレッタさんに手を伸ばす。

僕の手は微かにベレッタさんの手に触れる。

次の瞬間。

竜也の放つ光に…押し流されるように。

ベレッタさんは消えてしまったんだ。

「ベレッタさーーーーーーーーん!!???」

僕はガクりと膝から落ちる。

「みらいさん……。」

「みら??お前。」

レーミアちゃんとらいとの声が聞こえる。

僕は呆然とベレッタさんが消えるのを見てしまっていた。

竜也の力は確かに巨大で恐ろしい力なんだ。

僕の力じゃ到底かなうことがないのかもしれない。

だけど…だけど…竜也が。

僕の中に震える奴を倒したいという素直で力強い思い。

「僕は…アイツ……竜也を倒したい。」

僕の中で何かが変わったのかもしれない。

「ほぉ。言うようになったじゃねえかみらい。この僕を倒すだと!?」

「僕はね…ここにくる空間内で何故か…君の記憶が頭の中に流れ込んできたんだよ?」

「は??」

「僕はなんとなくだけど向こうの世界にいた時の君の思いを知れたよ…だからね!戦わずして君と友達になれたならいいのかな?なんて事も心のどこかで思ってたんだ。」

「だからどうした??」

「僕は、この異世界に初めは友達を作りに来たようなものだよ、だからバトルなんてすることもないと思ってたんだ。」

「………………………。」

「でもここに来て友達の為に頑張るのも悪くないなって思ったんだ…この弱虫な僕がだよ??」

「で??何が言いたい??」

「そう…僕一人なら何も出来なかったと思う…らいとが……皆がいてくれたから!!!ここまで来れたんだ……そんな皆を……僕は。」

「守るんだ!!!!!!!!!!!!」

僕の全身から力が溢れだしてくる。

自分でもこれまで感じた事のない力。

「くっ!?なんだ、そ………その力は。」

「竜也……最後の………勝負だ!!!!!」

僕の杖に力が集まってくる。

竜也も背中の剣を抜くと再び握り構える。

「僕はお前がもう二度とたてつかないように…その身に教えてやる!!!!!」

竜也は頭上に剣を振り上げる。

その力は辺りの力を吸い尽くすかの様なエネルギーが竜也の剣に集まっていく。

「くく…僕のこの力はこの世界…全てを滅ぼせるぞ……これは脅し…なんかじゃない。」

「みらい!確かにアイツの言ってる事は本当の様だ。気をつけろ!!」

「みらいさん。」

バラキとレーミアちゃんは僕に声をかけてくれる。

「み…みら……自分を…信じろ。お前ならきっと………やれる。」

そして…らいとの声。

「皆!僕に任せて!!」

僕が手にする杖。

それは精霊からもらった貴重な杖。

僕は魔力とは違うこの力…神の力を杖に込めていく。

「くっ!?お前も神の力を!!??バカな!!させるか!!!!????」

竜也は剣を振り下ろしてくる。

「竜也!!!!!たぁぁぁーーーーーっ!!」

ガキイイイン!!!!!

僕の杖は竜也の剣を止める。

そして。

「…この世界の力…僕にその力を貸してください!!!!!」

僕の杖に力が集まり膨大なパワーが溢れてくる。

「ユメをカナえる…僕の力を…『夢叶!!!!《ユメカナッ》』」

竜也の後ろに巨大な神の姿が現れる。

神は竜也の手足を捉え…そして。

「くっ!!??なんだそれは。ぐっ!!ああああああああああああーーーーー!!??」

「竜也……神は君には微笑まなかったんだ。」

「うわぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!」

「ふ…あ………あぁぁ。」

そして竜也は神の手によりその身体…精神全てを世界に取り込まれていったんだ。

(今…全部が終わったんだ。)

「皆!僕竜也に勝ったよ!!!」

僕は、その場に倒れていく。

竜也を倒したみらい。

そして。

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