第7話 短所は短所ではない

もし、あなたがコンビニの店員だとする。

あなたの仕事に対して、店長が一言言う。


レジ打ちをしていて、時間が掛かる。

「仕事が遅い」


商品の名前を忘れる。

「記憶力がないな」


上手くお客様に対応できない。

「コミュニーションもできないのか」


商品を運ぶ時に、みんなより手際良く運べない。

「力もないし、体力もないのか」



さて、もう一度仕事をしてみよう。

ただし、店長の一言の後に、自分の仕事に対して、自分で考えよう。


レジ打ちをしていて、時間が掛かる。

「仕事が遅い」

・・・確かに遅いかも。でも、その分ミスは少ないぞ。


商品の名前を忘れる。

「記憶力がないな」

・・・確かに忘れがちだ。

でも、嫌なこともすぐ忘れて切り替えられるってことだ。


上手くお客様に対応できない。

「コミュニーションもできないのか」

・・・確かに上手く会話できない。

でも、一人でも十分幸せに生きていけると思う。


商品を運ぶ時に、みんなより手際良く運べない。

「力もないし、体力もないのか」

・・・確かに、今はみんなより時間が掛かっている。

でも、何回も繰り返せば、みんなと同じぐらいの時間でできるようになる。




✳︎✳︎✳︎


人には長所と短所がある、と言われます。就職活動の際には、自己分析をして、自分の長所や短所は何かと考えた人も多いのではないでしょうか。


今回考えていただきたいのは、長所や短所は存在しない、ということです。


すいません。これだけだと、語弊があります。

正しくは、長所や短所は人の印象に過ぎない、ということです。


今回の話のように、例えば、仕事に時間が掛かったとする。これは事実であり、存在することです。しかし、それに対して、どう思うかはあなた次第です。


時間が掛かって自分はダメだ。と落ち込むこともできます。

また、自分は丁寧に仕事に取り組んでいる。と思うことだって可能です。

そう考えた時、どちらが幸せに生きられるのかは、一目瞭然ですね。


長所や短所は、見方を変えれば、どちらにもなり得る。つまり、実際には存在しない。その人ならではの個性なのだとみんなが心から納得すれば、この社会はもっと生きやすくなるのだと思います。

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大人の道徳 鷹巳 @Takami-saukky

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