不穏を抱かされるタイトル。
顔が壊れるとはどういうことなのか。
気になった方、ぜひ本編へ。
リーストン魔術学校に通う『元気な子』ことルーシー。彼女には、顔を蝕む〈呪いの痣〉がついている。そして、そんなルーシーと同行をともにするオーランド。隣国の王子でもある彼にも、呪いの痣が宿っていた。
そんな異世界ファンタジーを設定にもつ本作は、呪いの痣という不穏の元凶。その解呪を目的とする背景をおきながらも、とにかく明るい読み味。
登場するキャラクタたちが、とにかく優しく、楽しく、それでいて時に格好よく。掛け合いを見ているだけでも、ほのぼのとした気持ちにさせてくれます。
魔術とは、誰かを傷つけるためだけにあるものではない。
殺伐とした世界に浸り、傷心を負った方も。そうでない方も。ぜひ、本作がもつ癒しの魔術に触れてみてください。
そして、タイトルの意味が回収されたときに開かれる道をぜひ辿ってみてほしいと思います。読後、幸せな気持ちを抱くこと間違いなしの一作です。