僕は落語も好きなんですが、この作品には落語のような、古き良き時代の匂いと、そして、どうしようもないヒトの業が軽妙に描かれています。文字を紡ぎ刻むという、誰にでも出来る作業を芸術の域にまで高めた人を、現代の我々は文豪と崇める訳ですが、彼らとて、重い業を背負ったただの人でありました。【文豪の中にはクズオトコも多かった。ならば、クズオトコは文豪足りえるのか?】というテーゼを投げかけているようにも読み取れます。とても良い作品です。オススメします。