七、
愚にも附かないがらくたが溢れ、幾つも山をつくっている。じゃりじゃりと
もとの世界だ。
太陽が昇り掛けている。真ッ直ぐに黄色い光が差す。ああ、いま夜が
あたしの
あたし、掌がある。あたし、脚がある。どうして、躰を見ようと
あたしは自分の躰を見廻す、全身が鮮やかな血いろに染まっている。頭を起こし、見渡す、あたしの周りも、遠く遠く、世界がどこまでも血いろに染まっている。赤い、赤い、果てが見えない、どうして、これは、何、
笑い声が聞こえる――誰かが笑っている。振り向くと、がらくたの山の上、せむしが朝陽を背負って立っている。逆光で、せむしの姿は真ッ黒く、まるであるじから逃げ出して来た影だけが、そこに立って笑っているように見える。
「ばかめ――おまえは、なぜ、自分が人間の皮を被せて育てられたか、本当に知らなかったのか、素裸の
むしさも
「おまえは腹の膨れた蛇が、何を
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