螺旋樹

 あれは何という名の木だったか、何処の場所だったか分からない。母が歳の離れた妹を産む前の年、両親に連れられて入った不思議の森。成長につれ絡み合い、近いもの同士で螺旋を巻く木々たちの、数多が天を指し伸びている。きりきりと急に頭が冴えて、確かにあの森から僕の思春期は始まったんだ。

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いちよんまる 綿引つぐみ @nami

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