第1話 弱き少年強き少女

「おいシュラ」


はあ、またかよ…


俺の名前はシュラ。ただの村の子供なんだけど…


「今日も俺のサンドバッグになれよ」


この村のガキ大将のアレクが毎日サンドバッグにしてくる。


「…いや「よし始めるぞ」


こうやって拒否しようとすると被せて始めてくる。


「今日はこれで反抗してもいいぜ?」


アレクが鉄の剣を渡してきた


「…何言ってんだ?これ本物じゃねえか」


アレクはニヤニヤしている。


「かかってこいよ。一発入れれたらお前の勝ちだ」


怪しい


「そんなこと言われても…」


「出来たら二度と虐めないでやるよ」


俺はこの言葉に魅了された。

もうこの地獄から解放される…

そう考えると俺の体は動いていた。


「うおおおお!」


この村で一番弱い俺からするとこの剣はとてつもなく重い。

それをアレクは軽々しく…避けない!?


「っ!?」


俺はハッとした。

その瞬間にアレクに剣は届いていて…


アレクの血が舞った。


俺の顔に、アレクの血がかかる。


あまり剣の刃は深くなかったが怪我をさせた事に関して謝ろうとした。


だが


「っ!いってぇぇぇぇ!」


アレクが腕を押さえうずくまり、叫ぶ。


「おい!こいつアレクさんの腕を剣で切りやがった!」


アレクの取り巻きが騒ぎ立てる。

すると、人口が少ない故に直ぐに村人達が集まった。


「ちがっ、これは」


俺は事情を説明しようとすると。


「…シュラがやったの?」


「っ、違う!俺はただ…」


美しくも可憐な俺の幼馴染がアレクのそばで俺を睨んでいる。


「なあ、アキノ!俺の話を聞いてくれ!」


「…大丈夫?アレク君」


俺はこのとき本能で全てを察した。

アレクの野郎!


「アレクが仕組んだんだ!俺は悪くない!俺は」


「うるさい!」


アキノが俺の腹に蹴りを入れた。


俺は無様にも吹っ飛んでいく。


「あんたがそんな奴だったなんて、幼馴染として昨日まで仲良くしてた私が恥ずかしいわ」


俺の中で何かが切れた。


「話を…聞けっつってんだろおおぉぉぉぉぉ!」


理性を失った俺はアキノに切りかかる。

しかし


「ふっ」


俺はアキノから簡単に剣を奪われ首元に剣先を向けられる。


「あんたが私に勝つなんて100年早いのよ」


アキノが俺をまるでゴキブリを見るかのように睨みつけて言う。


「…そうかよ、そんなに言うなら…100年後にぶっ殺してやる」


俺は親指を下に向ける。


「っ!あんたね!」


アキノが何かを言っているが無視して走り出す。


「お前ら!忘れんじゃねえぞ!絶対にお前らを殺してやる!俺様がな!」


その時の俺の顔は多分…笑ってたと思う。

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幼馴染の美少女に負けて「私に勝つなんて100年早いわよ」って言われたから未開の地で100年修行してリベンジに行ったら幼馴染が魔王を倒してた件 サーモンエビマヨピーマン寿司 @ttttttttyyyyyyiiiii

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