妹の遡 今日子さんからの愛が重たいっっ!
祭囃子
プロローグ
深い黒赤色のレースのパンティと思わせる布地が僕をチラ見している。
それを凝視している瞳の視野角を少し拡げた。
すると、太ももから足のつま先まで身に纏う布地は無い。
更にそれ等は足組みをしている綺麗な裸体だと認識できた。
僕はもう少し上へと視界を加速させていく。
大きめの薄いベージュ色のカーディガン。
どうやら先程の黒赤色の布地は、そのカーディガンでは隠しきれなかった事が理解出来た。
カーディガンの内側には学校物だとわかる白のブラウス。
胸元より少しだけ上に飾られている水色のリボン。
そして、一目でそれがセーラー服だとわかる黒色の襟元。
僕の視界の真ん中で捉えている存在は――どうやら女子高校生だと認識できた。
突然。
目の前の女子高校生が目の前へと近づいてきた。
その彼女は左手で僕の口をこじ開け、右手親指を僕の口腔内に強引にねじ込んできた。
「カハッ……」
彼女の親指をねじ切ってしまえば簡単なのだろう。
だが僕にはそれが出来ない。
何故なら。
彼女は僕の最愛の妹なのだから。
「けほっけほっ――今日子苦しいよ」
「お兄ちゃん我慢して」
喉元へねじ込まれていた彼女の親指は、僕の頬の内側へと場所を変えた。
「これで話せるでしょ?」
「ああ。それにしても毎回どんな趣味なんだよ」
「逃げればいいじゃん」
「逃げるって。正座で後ろで手も縛られてか?」
「ふふん。だって私が見た本ではこうするとお兄ちゃんは喜ぶって書いてたもん」
「どんな猟奇的なエロ本だ。そんな趣味は無いよ」
「そうなの? でももうすぐ私達結婚するんだし、お兄ちゃんの性癖くらい知っておきたいのが――妹心ってやつだよ」
相変わらず指を抜こうともせず「さもありなん」
とでも言いたげに首を傾げている妹。
「はいはい。まだ芋の心の方が理解出来るよ」
「むぅ。こんな可愛い妹なのに文句ばかり――」
「可愛いのは認めるけど早く指を抜けよ。僕のヨダレまみれだと思うが……」
「えへへ。それよりお兄ちゃん。今日ね私に変な本が届いたんだ」
相変わらず人の話を聞かない妹は、机に置かれた怪しげな本を取りに向かった。
「へー。とりあえず喋りやすくなったよ。もう入れないでくれよ」
「…………」
僕が声を出したほぼ同時にどういう訳か、視界が真っ暗くなってしまった。
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こちらもよろしくです。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860057563472/episodes/16816927860057575357
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