第291話:ファウダー対騎士
急襲された『墓守』の前に『水葬』と名乗る男が割って入る。『ヘメロス』、『トゥイーニー』の両名が左右に展開し、三方を囲う形となった。
テュールはゆったりと立ちながら、正眼とも半身ともつかない中途半端な構えを取り続ける。剣の位置も片手で軽く握り、切っ先を垂らしたり、少し上げてみたりとゆらゆら、力感なく漂っているように見える。
「……『墓守』、用意だけお願いします」
「う」
「よろしい。では、始めましょう」
『水葬』は惜しむことなく、動き出しの前に魔族化する。相手は騎士として著名な人物、当然格上と判断し魔道の力で押す。
腕とは別に四つ足となり、馬と人の中間のような姿となる。ただ、その馬の部分もひれがついていたり、鱗が見えたりと単なる馬と言うわけではないのだろう。
さらに見た目以上にわかりやすいのが、
「騎士の世界には四剣使いがいると聞きますが、私は御覧の通り――」
明らかに意思を持った水が『水葬』の周囲に集まり、それらが透明な、水で形作られた腕と化す。二つ、四つ、八つ、八本の腕が方々に伸び、騎士剣を取り出す。
「無限です」
「怖いなぁ」
「その虚勢、いつまで持ちますかね?」
水の腕が伸び、テュールを襲う。彼は後退しながら軽く、相手に添えるようなタッチで、八つの剣の猛襲を捌こうとする。
「そんな軽いタッチで、一つ一つが私の両腕に匹敵する水の腕、その猛攻を受けられると思うか⁉」
強烈な連撃。しかも人体ではあり得ぬコンビネーションである。たまらずテュールはさらに後退する。そも、逃げ場はそちらしかない。
其処に、
「多勢にて失礼」
左からメイド姿、しかも騎士剣を握る相手に無手という剛毅なスタイルで突っ込んでくるは『トゥイーニー』と名乗る女性である。
大股でのステップ、其処から繰り出される破壊力を帯びた拳は、単純な破壊力だけならばバルバラの鬼の拳をも凌駕する。
「……ん?」
それに対し、やはりテュールは軽く触れるような剣で応戦するも、其処で初めて眉をひそめる。
「私に生半可な剣は通じません」
「困ったなぁ」
軽く触れるだけの剣だが刃筋は立っていた。一応、服を着ていようが、鎧を身にまとっていようが、斬れる条件は整っていたはずである。
だが、刃が通らなかった。
最低限、何とか軌道を逸らしながら『トゥイーニー』の拳、そして蹴りを何とかしのぐ。当然、『水葬』の攻撃も加わる。
ただ、
「……なるほど、なるほど」
「……」
『ヘメロス』は後退に合わせ、きっちり展開し続けるもテュールの様子見に、見に徹していた。そちらの方が困るなぁ、とテュールは心の中で思う。
「ちっ、往生際が悪い」
「押し切ります!」
剣八本、拳二つに蹴り二つ。それらにさらされ、防戦一方となるテュール。苦しい展開である。突破口は微塵も見つからない。
相手に攻撃をする選択肢が生まれない。
でも――
「はは、あれで受けが成立し続けるのか。凄いな」
『ヘメロス』が驚嘆した通り、先ほどからあんな半端な構えで、力も込めていない、動作も小さく迫力もない、そんな剣であるのに、どう見ても受けが成立するようには見えないのに、三十秒、攻防としてはそれなりの時間が経過しても、
「ふぅ、きついね」
無傷。
と言うよりも、衣服に汚れ一つついていない。
少しずつ、
「なんだ、これは」
「……っ」
『水葬』も『トゥイーニー』も気づき始める。押しているように感じている。勝っているような手応えもある。
だけど、その実、何一つ届いていないことに――
「これはどうかな?」
「え?」
圧倒的な防御力を秘めた『トゥイーニー』の衣服を模した、自身の鱗。竜鱗、ドラゴンスケイルの絶対防御を、テュールの剣がするりと抜け傷を刻む。
「なっ!?」
『水葬』も、後方の『墓守』も、何よりも斬られた本人である『トゥイーニー』が驚愕する。剣の振りは同じ、優しく、軽く、刃筋だけ立てたもの。
それなのに、
「鱗の隙間を狙われたね、『トゥイーニー』」
「……そのようです」
『ヘメロス』の言葉に苦々しく頷く『トゥイーニー』。巨大化した、変身した状態ならいざ知らず、この形態の鱗はとてつもなく細かく、遠目では擬態する肌や布と見分けがつかぬほど。隙間も当然、1ミリもない。
針の穴を通すよりも遥かに難しい芸当である。
「面白い服だ。それとも、そういう体なのかな?」
「……この男」
魔窟に迷い込んだ愚者。最初はそう見えていた。
しかし、徐々に見え方が変わる。
「うん。わかった」
ぬっと割り込む『ヘメロス』。大きな、ティルやリーグらが扱う大剣と呼ばれる部類の騎士剣を振るう。
大きい剣は、ただそれだけで扱いやすさを大きく損なってしまう。それなのに彼の振るう剣は、それこそ騎士が通常の剣を振るうのと何ら遜色がなかった。
軽々と重たい剣を扱っている。
やはりテュールはそれに軽く触れ軌道を変えつつ、
「化け物だな、貴方は」
「……そちらもね」
必殺のカウンターを差し込むも、それを見てから無理やりかわされてしまう。其処からさらに『ヘメロス』は片手で、玩具を扱うかのように大剣をぐるりと回し、カウンターへのカウンターを繰り出した。
超反応に、超身体能力。
光沢が混じり、輝くような紅い髪に銀の眼。肌にはまだらに、白と褐色が入り混じる。奇妙な姿かたちだとは思っていたが――
「ソル族、ルナ族、純血同士のハーフかい?」
「の、複製かな」
とんでもない化け物が控えていた。
そのカウンターへのカウンター、に対してテュールは開いていた左手の甲で相手の剣の腹を打ち、またしても軌道を変えた。
ただし追撃せず、今度は後退を選ぶ。
『ヘメロス』もまた追わない。
「複製?」
「貴方が私たちの情報を集めるため、攻めず逃げず、中途半端な姿勢で戦闘を継続していたのは理解した。だから、交換しないか?」
「何をかな?」
「貴方の型の情報と私の個人情報だ。おっと、皆はそれまで手出しをしてくれるなよ。私の好奇心を殺さないでくれ」
この殺伐とした状況で、随分と呑気な提案である。
もっと言うと、
「私はその条件で良いよ」
「交渉成立だ」
テュールの型の情報など別にそれほど重要ではない。万人が知る者ではないが、隠しているわけではないので調べる者が調べたならすぐにわかる。
と言うか、ラーの騎士団を探せば普通に知っている者もいるだろう。
「型の名はゼー・イーゲル。一応発明者は私になるかな? 騎士剣の性能向上に伴い、従来の斬る、突く、と言う動作が無駄に大き過ぎる、と思ってね。そこから構築してみた。おそらく動作の大きさは最小の型じゃないかな」
「道理だ」
「他に聞きたいことはあるかい?」
「スタンスや剣の位置が中間を取る理由は?」
「いい着眼点だね。単純に正眼、半身の良いとこ取りをしたかっただけ、と言うのが答えかな。戦闘中少しの動作でどちらにも切り替えられるし、片手で剣を扱い、もう片方を空けたり、両手で握ったり、中途半端は応用が利くんだ」
「素晴らしい発想だ。なるほど、ううむ、剣は奥が深い」
『ヘメロス』は感心しっぱなし。
他のメンツは、
(何でしょうか、この時間は)
(……天然め)
(うあー)
何とも言えぬ心地で二人の会話を聞いていた。
「君のことを聞いても?」
「もちろん。私はいわゆる人造人間と言うべきか。『双聖』の剣となるべくこの世に生を受けた。手っ取り早く言うと……先々代グランドマスターのコピー、となる」
「……っ」
先々代のグランドマスター。史書の記録に残る中では勇者リュディアと並び、最強の騎士として名が挙がる存在である。
純血のソル族、ルナ族と言う文化的に絶対交わらぬ血統が結び付き、さらに突然変異をした最強の一角。生涯無敗、ユニオン騎士団を支えた男である。
ただ、最強の器も何故か長命種同士のかけ合わせであるにもかかわらず、彼自身は齢七十を前に亡くなった、とされている。
誰もが知る、史実の伝説の騎士。
「生後四年だ。まだ幼子なので手心を頼むよ」
「……大人に見える理由は?」
「……『双聖』のお歴々のご要望でね。早く剣が欲しいと『創者』に願い、結果として成長を早められた、と言うところかな」
「……話し辛いことをすまないね」
「気にしないでくれ。私は別に『双聖』を恨んでいない。彼らがいなければ私と言う存在はこの世に生を受けていないのだから……まあそれは、私の理屈だが」
ちらりと『ヘメロス』は『トゥイーニー』の方を見る。彼女の貌は生命の創造、それに対する嫌悪に満ち溢れていた。
それはもう、互いが辿ってきた道の違い。意見が食い違っていいのだ、ファウダーでは。烏合の衆ゆえにそれが許される。
まあ、そのせいで今回、こちらが手薄になってしまった側面もあるが――
「では、そろそろ再開しようか。貴方が上手なのは充分理解した。なので――」
『ヘメロス』は『墓守』に視線を送る。
彼は頷き、
「うー」
地中から棺を出す。
「……」
其処から、テュールの見知った顔が現れた。随分、変わってしまったが。
「総力で当たらせてもらうよ」
「戦闘を継続します」
「さっさと終わらせましょう」
「あー」
敵が一斉に襲い来る中、誰よりも早くテュールの前に到達したのは、
「あー、あー」
「……哀しいね」
かつて友であった男、ピコ・アウストラリスであった。死体を魔族化し、普段は『墓守』が管理する躯の騎士。
その剣はまさに生前のそれ。
冴えわたり、それ以上に、
(……体の可動域が桁外れに。それを支える筋力も含め、生前どころか人間のそれじゃない。そうか、君は――)
剣に力が宿る。速さも増す。ただでさえ、人間の時でもオフバランスを巧みに操り、枷を外した力を、速さを生んでいたというのに、今の彼はそれ以上。
そういう体を、能力を得たのだ。
魔道にて。
「アアアアア」
生前、きっと彼はこんな理想を浮かべていたのだろう。求めていたのだろう。天才と持て囃されてきた自分たちを地に落とした男。彼に勝つため、求めた。
その気持ちは痛いほどわかる。
だけど、だからこそ――
「ッ⁉」
「こう、だ」
押し寄せてきた水の腕、竜鱗をまとう拳、最強の器が振るう大剣、そして共に天才と謳われた友の剣、その全てを捌きながら、並行して全てを斬った。
全員が眼を剥く。
ここまでずっと余裕を、笑顔を、ゆとりを崩さなかった男が見せる本気の表情。怒りも混じったそれは、その剣も相まって全員を気圧した。
「私もピコも、夢は見る。未だに、苛む時はある。だが、私も彼も大人だ。夢を見ても地に足を付け、現実を歩むから私たちは騎士なのだ」
ピコだけは止まらない。
何故なら、今の彼に意思などないから――
「理想の体現、その過程を失った剣に、私は負けんよ」
オフバランスを超えたオフバランス、魔族の体が成した生前を超えた動き。その連続攻撃全てをしのぎ、逆に全て、必要最小限の斬撃にてケリをつける。
両手両足の腱、それのみを断ち切って。
あっさりと崩れ落ちる。
「君は死して強い身体を得た。でも、君は弱くなったよ。生前、私と君は互角だった。こんな雑な仕掛け、私相手に君はしない」
圧倒的強者。
ピコの性能を知るからこそ、鎧袖一触とばかりに斬り捨てた化け物を見て、彼らは今更ながら自分たちの目測、そのあまりのズレを理解する。
魔窟に至ったのは迷い人ではなかった。
「……『斬罪』様が、必要でしたね」
若き彼らによく年長者である『斬罪』が言っていた。魔族化や様々な理由で自分たちは強い身体を得た。速い身体を得た。
人を超越した力を得た。
だが、それゆえに気を付けろ、と。
真の騎士は、そもそも人を超越した魔を刈るために剣を握るのだから、と。
「ですが」
『トゥイーニー』は臆することなく、今一度踏み込み拳を放つ。テュールは無造作に剣を差し出し斬ろうとするも、
「私にも、留守を預かる者として、『トゥイーニー』の名を冠する以上、居場所を、巣を守る使命があります!」
「こ、れは」
巨大化した腕、鱗の隙間は射貫くも、鱗の下、ドラゴンの肉厚により剣が挟まれ、動きを止められてしまう。
如何なる騎士とて、
「さすが、瞬時に手足へ目配せする深慮、見事です」
「……やられた」
未知を相手には判断が鈍る。未知で畳みかける、それしかなかった。部分的にドラゴンとなる、そしてこの死角から尾による一撃。
どちらも未知。
さしものテュールも捌けない。此処まで無傷の化け物であったが、とうとう一撃が入った。重たい、強烈な一撃が。
しかし、
(尾応えが、軽い?)
尾が当たる前に自身の騎士剣を手放し、自分から全力で後方へ跳躍していたのだ。しかも水の腕、先ほど斬られた際に落としていた『水葬』の騎士剣を拾いつつ。
「逃が、さないッ!」
『トゥイーニー』は頬をぷくりとふくらまし、
「があっ!」
建物に甚大な被害が出るから、と封じていた竜の焔を放射する。凄まじい火勢が一気に聖堂を照らす。
その、外までも――
「外の様子は?」
「今、見てる……クソ」
聖域には多くの水場がある。この聖堂の、神殿の周りには特に多くの。そして『水葬』は水場では手を、足を、そして眼をも得ることが出来るのだ。
今回はそのせいで――
「……化け物め」
自分で飛んだ勢い、尾で吹き飛ばされた勢い、どちらも使って跳んだテュールは炎に追いつかれる、と判断した瞬間、もう一度地面を蹴り再加速、炎を回避しながら水辺へ突っ込み、自身の体を回転させ、外套と共に水面を跳ねる。
水切りの石、そんな様子で跳ねながら、最後は体の回転を強め、ぽん、と体を浮かして、水場に咲く水生植物の上にゆったりと着地してのけた。
その一部始終を、見てしまったのだが。
「……『ヘメロス』は距離を取りながら追いかけてください。私と『トゥイーニー』は『墓守』を死守します。あと――」
ゆえに『水葬』は、自身の未熟に、無力に唇を噛みながら、
「狼煙を、頼みます」
『トゥイーニー』らに頭を下げた。
「承知」「心得ました」「あう」
彼らもそれを汲み取る。
ここに残る自分たちではあの化け物には勝てない。悔しいが今回は相手が強過ぎた、と考えるしかないだろう。
あの『斬罪』が言っていた本物の、真の騎士。
彼がそうなのだろう。
なれば――
「こぉぉぉお」
「あ、やるなら外で――」
「がああああああああっ!」
『トゥイーニー』は天高く、天井をぶち抜き竜の焔を夜空へと打ち出した。自身の持つ最大火力、それを天に放射し、爆発させる。
「うあー」
「あはは、同感だね。彼女の焔はとても美しい」
「……全く」
夜空を焼き、雲を燃やす。
それは遠くからも、とてもよく見える合図となる。
「……これは、本当に参った」
すでに情報を得た、最低限の仕事は果たしたとばかりに逃げを打っていたテュールもそれを見た。天に伸びる焔、それが炸裂し、全天へと示した。
この聖域にて、何かが起きたことを。
テュールは全力で逃げを打つ。が、先ほど通り抜けた水場、その水が大きく形を変え、口のような形となった。
そして、
「獣よ、『双聖』の獣よ! 招かれざる客を妨害せよ!」
何かを命ずる。
それと同時にうめき声が、苦しみ、嘆くような声が変化する。獰猛な、獲物を前にした獣の、唸り声のように。
「……なるほど。あれの元は『双聖』か」
そこかしこから現れるは醜い怪物。それなりに戦歴を積んだテュールも見たことが無いほど、あえて醜悪に形作られたとしか思えぬ形状は、何とも創造主の悪意を感じざるを得ない。
「困ったが、今は不可逆と信じよう」
『双聖』相手に剣を向ける。本来であれば国際問題であるが、今は醜悪なる獣であり、現状は不可逆である、と考える。
なので行く手を阻む獣は容赦なく斬る。
可逆だったら腹でも首でも切ります、と心の中で唱えながら。
しかも背後から、
(……彼がマーカーか)
『ヘメロス』の気配も感じる。全力で追うと言うよりも、優速を生かして間合いを保ち追跡する、という役割なのだろう。
四歳児の癖に頭がよろしいようで。
ひと癖も二癖もある敵。その上、彼らの未熟は裏を返せば伸びしろの塊、と言うこと。何としても情報を持ち帰る必要がある。
遠足は帰るまでが遠足と言うが、
(……人使いが荒いんですよ、学園長は)
これで有休を使っているのだからあまりにも割に合わない、とテュールは心の中でお願いと言う名の上司命令をかました男を恨む。
○
そして聖域から少し離れたところで、
「おやぁ」
「……『創者』様、あれは」
ファウダーの『創者』、レイル・イスティナーイーは天高く燃ゆる炎を見て、嫌な笑みを浮かべる。
「今回の反乱に乗じて……偶然じゃないでしょ」
今回、レイルが彼らを率い聖域から離れた理由は、国内で起きた原理主義者の反乱を鎮めるためであった。
レイルはそれを偶然が重なった、と楽観するほど馬鹿じゃない。
「狙いは……」
「ボクの生け捕り、いや、たぶん、ボクを殺しに来たんじゃない?」
レイルの考えはほぼ正解であった。学園長、ウルのお願いはラーの様子見かつ、可能であれば生け捕り、であった。
しかし、テュールは端から生け捕りする気はなく、聖域にレイルがいた場合、全力で、最悪自分が死ぬことになっても殺す気だった。
其処はウルとテュールの考えの違い。今の秩序を全肯定など出来ずとも、いずれ破壊、崩壊のフェーズが来るとしても、それを今急激にやる必要はない。変化とは急であればあるほどに傷を生むもの。
ゆっくりできる選択肢がある内は、急激な変化を歓迎などしない。もっと言うと、魔族の研究に精通する優秀な人材であっても、替えの利かぬ人材だとは思わない。其処まで世の中は狭くないし、可能性は閉じていない。
テュール視点、生かす理由がなかった。厄介な仕事を自分の教え子に依頼するぐらいなら、自分の手で片を付ける。
そのつもりであったが――
「ボクが聖域を離れるのは想定外だった。うん、その通り。ボクも研究を兼ねていないと、動く気なんてなかったからね」
「……追いますか?」
「うん。二手に分かれようか。ボクは聖域に戻る。こっちは少しで良いよ」
「逆では?」
「いや、ボクならさ、あの合図を見た時点で、応援の存在を考慮に入れる。それなら、逃げの一手しかない、と考える。相手も優秀だろうから、それでいい」
「御意」
狼煙一つ、創造の怪物は全てを見通す。
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