第241話:マリウス・バシュ

「ヴィルマーを今回の作戦に加えたのは、副団長の裁量だったそうですね」

 小首をかしげ、硬直するマリウスへクルスが声をかける。

 その言葉にゆっくりと、鈍い頭を動かすような感じで、

「ん、ああ、私が編成した。今は少しくさしているが、私は彼がいつか立ち直ってくれると、今回がその契機になればと思ってね」

「彼がユルゲン殿を妬んでいる、其処に軋轢があることを貴方なら知っているはず。ヨナタンさんですら、知っていたことですから」

 ヨナタンから得た最後の問い。それはヴィルマーを今回の作戦で組み込んだのは誰か、と言うものであった。

 言い方は悪いが下っ端であるヨナタンですら勘付いていることに、直属の上長であるマリウスが気付かぬわけがない。

 それでも編成したのはなぜか――それが上役がねじ込んだなど、外的要因であればそちらが怪しい。が、そうでないのなら――

「それを、乗り越えてほしかった」

 クルスはこの時点で知らない。ヴィルマーが上の、団長の息がかかっていたことを。それが全てディクテオンの手によるものであると。

 そして、それはマリウスも知らないのだ。

 知らずに彼は編成した。

 争いの、不和の種を。

「チームの輪を乱してほしかったのでは?」

「馬鹿な。私が何のためにそんなことをする?」

「殿下を殺害するため」

「ふざけるな! 私にとって王家は我が身を取り立ててくれた大恩ある存在! 中でも姫様は幼少の頃からお仕えしておるのだ! 殺害など、殺害、などォ」

 ありえない。そう言いながら、表情は苦しんでいる。

 わけがわからないのはクルスも同じ。ヴィルマーを編成し、輪を乱すことを望む、もしくは確信はなくとも察していたのかもしれない。彼が団長と共に自分たちを裏切ることすら。そして彼らの作る騒動に紛れ、王女を討つ。

 まさに必殺の局面を作る、である。

 テウクロイの騎士たちがあのような変死状態であれば、多少杜撰なやり口でもまさかマリウスが、とは思われない。

 その変死させた存在に全てを擦り付けることが出来る。

 状況からもわかる。思い切りのいい、それなりに練られた手口である、とクルスは思っていた。部下をよく知り、その気質まで利用したのだから。

 彼以外にいない。ただ、いつまでも猫を被っている意味がわからない。もう手遅れなのだ。今の彼の姿を見て、騎士剣を、衣装を処分ないしは証拠を隠滅せねば、どう言い逃れすることも出来ない。

 ならば、開き直っても良いはず。

「マリウス! 私は、まだ、まだ、愚かと言われようとも、貴方を信じたい! だから、言ってください。私の眼を見て、私に、王家に仕えているのだと。イリオスの騎士であるのだと。私たちと共に、これからも!」

 王女の、ソフィアの叫び。

 幼い頃から、物心ついた時には王宮にいた騎士である。人好きのする男で、ちょくちょく抜けはあるが、それもまた愛嬌と見做され周囲の評価も高かった。

 正式な御付きが採用されるまで、彼がその代わりも務めてくれていた。

 長い付き合いである。

 とても、とても――

「マリウス!」

 その悲痛な叫びに、

「……」

 マリウスの表情が変わる。忠義に満ちた騎士、それが揺らぎ、ふっと視線を逸らす。それは明確な意思表示であった。

「……そん、な」

 それは言えぬのだ、と。

 夢から覚めたかのように、先ほどから熱に浮かされていたもう一人の、忠義の騎士であった彼の姿は、陽炎のように消えていた。

 残るは、虚ろな顔で、力なく項垂れる騎士であった男、のみ。


     ○


「私は王宮へ戻ります! ヴィルマーは任せました」

「い、イエス・マスター」

 ユルゲンは顔を歪めながら駆け出そうとする。まだ間に合う、間に合わせねばならない。彼はイリオスにとって必要な人材であるのだから。

 その背に、

「あの人を殺したのは国だ。わかってんだろ、ユルゲン」

 ヴィルマーは笑っているような、悲しんでいるような表情で、言葉を投げかけた。

「黙りなさい」

「初手で外交そのものの破綻を狙い、テウクロイで両国の関係が崩れるのを狙った。よく考えれば誰でもわかることだ。旦那の、出自を知る者なら」

「黙れッ!」

 ユルゲンはヴィルマーを睨む。

「あの人は貴方を信じていた。期待していた。補佐と言う役職が責任を与えてくれると。上に立つ者として皆を引き上げてくれることを、期待していたのです」

「……お前さんが来る前は、だろ?」

「余所者の私が上に立つことを望むと思いますか? 私が一度でも貴方を差し置いて出世したいと、言ったことがありますか?」

「……」

「梯子を外したのは貴方自身です。勝手に諦めて、勝手に腐って、あまつさえ周りを巻き込んで……私たちがしっかりしていれば、少しは――」

 御三家アスガルド卒のユルゲン。なかなか馴染めぬ彼に上長として、先輩として、手を尽くした姿が、ヴィルマーには贔屓に映った。ずっと尊敬していた、慕っていた敬愛する相手が、自分から離れて行ったのだと思った。

 ヴィルマーが腐り出したのは其処から、ほんの少し、ちょっとしたかけ違いから、ここまで拗れた。ほんの少しずれていたら、もしかしたら――

「マスター・バシュはずっと、私に言っていましたよ。ヴィルマーは優秀だから、自分にない要領の良さがあるから、いつかはきっとわかってくれる、と。几帳面な私と要領の良い貴方が、共に手を携えてくれたら安泰だ、と」

 それだけ言い残し、ユルゲンは駆け出す。

 もう、伝えることはない、と。

 他の騎士たちがヴィルマーを立たせようとするが、男は力なく項垂れていた。

 小さく、

「……言われなきゃ、わからねえよ」

 それだけを零して――


     ○


 マリウス・バシュ。

 彼は騎士の家の生まれではない。生まれ故郷は王都から遠く離れた辺境の谷、通称『シリコンバレー』と謳われた魔導革命の一翼を担った土地である。

 その谷が選ばれた理由は、質の良い珪石が取れたことと当時の龍脈から魔力を汲み取る技術が拙く、物理的に龍脈に近いより低層な地形が良し、とされたからであった。選んだのも、その名を授けたのも魔導の始祖、エレク・ウィンザー。

 彼は言った。

『この名は縁起がいいぞ』

 と。

 魔導革命の黎明期、マリウスの故郷であるシリコンバレーはまさに八面六臂の活躍であった。ここで作られたシリコンウェハが世界中へ羽ばたき、其処で加工されそれぞれの用途に適した基盤となる。

 当時はまさに世界の中心、飛ぶ鳥を落とす勢いであり魔導の祖の故郷にして、魔導大国として世界に名を馳せたイリオスの柱であった。

 ただ、十年、二十年、少しずつ魔導の発展に伴い、黎明期の技術は世界中に広まり、その優位性を失い始める。

 五十年、六十年、新技術の確立により、シリコンバレーが持つ技術が陳腐化、ローテクとなり始めた。

 そして七十年に差し掛かる少し前、丁度、そういう時代にマリウス・バシュはこの地に生まれた。

 父は珪石の鉱山で働く炭鉱夫である。

 時に死亡者も出る危険な仕事。ただ、仕事終わりに汗まみれ、土まみれとなり、家に帰ってくる父の姿を、マリウス少年は愛していた。

 常に黒煙が立ち上り、何処か古臭く、新しいものも混じる渓谷の姿が好きだった。

 ただ、同時に少年は貧しい父が、苦労して貯めたへそくりで買って貰った騎士の物語、黎明の騎士の英雄譚に憧れた。ボロボロになるまで一冊の本を読み込んだ。騎士に成りたいと思った。だけど、とても騎士の学校の学費など工面できない。

 国立であろうと一般の家庭では通えない。何となく大人たちの会話で、少年はそれを理解していた。ただの一度も、その夢は口にしなかった。

 魔導の里ゆえ、初等の教育を受けられる環境であったのは幸運だった。少年も優秀であった。周りもトンビが鷹を生んだと父に言っていたし、父もそれを誇らしげに笑っていたことを少年は覚えている。

 憧れは遠い。不可能でも、それでも――

 そう思っていた矢先、

『マリウス、受験してみなさい』

 炭鉱の皆が少年の秘した夢を応援するため、少しずつカンパしてくれたり、足りない分は教師も兼任するシリコンウェハ製造工場の工場長などが、自分たちも決して楽とは言えない状況であるにもかかわらず金を出すと言ってくれたのだ。

 父は知っていたのだ。彼が擦り切れるまでその本を読み、騎士に成る自分を夢見ていたことを。だけど自分一人では学校へ行かせてやることも出来ない。

 だから、周りを頼った。

 そして周りもマリウスを見て、力を貸してくれた。

 この谷が、シリコンバレーがマリウス・バシュに機会をくれたのだ。

『ありがとうございます! 一生、このご恩は忘れません!』

 騎士に成る機会を。

 彼は必死に受験に向けて努力した。見事合格したが、その後も決して楽ではなかった。騎士の家出身の者たちは、それこそ生まれてからずっとそのためだけに教育を施されているが、マリウスは魔導に関すること、基礎的な学力はあれど剣などは素人同然、随分と同期には笑われたものである。

 未だにその時のことは仲間内で集まると笑い種になるほどに。

 それでも彼は努力した。必死にもなる。自分の学費は、故郷の谷の皆が汗水たらして働いて、そうして捻り出してくれたものだから。

 今よりもずっと、騎士の家ではない者が学校にいない時代である。如何に駅弁と蔑まれる学び舎(当時は私塾に毛が生えたもの)とは言え、騎士として生まれた者とそうでない者の差はとても大きかった。

 しかし、マリウスは必死に努力し、五学年の時には何とか三番手として対抗戦に出場できるほどまで這い上がった。

 其処で――

『すっげー』

 マリウス少年は知る。世界の広さを。

 化け物にしか見えない御三家ら、最上位の学生たち。立ち居振る舞いから、同い年の学生には見えなかった。

 そんな彼らが、

『ふはははは! 他愛なし!』

『品がないね、我らが黒百合様は』

『黙れ、巻き糞頭が』

『な、ナウでヤングなんだがァ?』

 路傍の石の如く蹴散らされていくのだ。真のトップオブトップ相手には。この年はぶっちぎりでブロセリアンドが強く、連盟は姑息にも御三家忖度により珍しく巨大フィールドでのバトルロイヤル、とした。

 バトルロイヤルは強豪から集中して狙われ、なんとブロセリアンドが誇る『黒百合』シフトにより、あの御三家が談合で手を結ぶ異常事態。

 しかし二枚看板がその談合事全部吹き飛ばした。

 マリウス少年は顎が外れるほど驚くしかない。世の中上には上がいる。そして最上位はまさに英雄、物語の人物にしか見えぬのだ。

 英雄にはなれない。

 だけど、騎士として出来ることをしよう。

 少年は祖国の騎士団に入り、其処でせっせと働いた。谷のみんなに学費を返しながら、彼らの厚意に報いるべく。真面目に、コツコツと。

 凡人らしく。

 谷の皆からの期待、苦しい中差し伸べられた手が、マリウス・バシュと言う騎士の骨子であった。

 だから、

『……』

 より傾き続ける谷に、ずっと心を痛めていた。

 学費を返し終わっても、マリウスは谷の皆へ出来得る限りの援助を続けていた。そんなこと当然だと思っていた。

 だけど、傾き続ける流れは変わらない。魔導製造の過ぎた競争により、一度龍脈が不調を来たし、世界中が乱れたことを契機に設けられた取り決め、汲み取る魔力の制限もまた、シリコンバレーにとっては逆風であった。

 かつては特許技術であった純度の高いシリコンの結晶を作る技術も特許切れ、しても誰も使わないほどに新技術が乱立しているような時代である。珪石の精製など魔力の値段次第、つまり国が協力するか否か、でしかない。

 テウクロイのように隣国の制限を買う。そうしなければ価格競争では太刀打ちできない。マリウスも、何度も過ぎたことは承知の上で、

『お願いします!』

 王へ、ディクテオンなどの重鎮たちに、頭を下げた。お願いをし続けた。

 だが、イリオスはそうしなかった。

『ディクテオン! 先の議会、あれはどういうつもりだ!』

『これはこれは陛下。穏やかではありませんなあ』

『シリコンバレーは我が国の柱であった。彼らを切り捨てるような案、あまりにも非情が過ぎる。それでは――』

『陛下、かの谷は負けたのです。技術競争に。今更時代の遺物に投資しても仕方がありません。下手に延命するよりも、沙汰を下してやるのが優しさ、というもの』

『貴公に情はないのか!?』

『ありますとも。家族のこと、領民のこと、この国のこと、全てを愛しておりますぞ。それゆえに、決断せねばならぬと言うておるのだッ!』

『……っ』

『周回遅れの我らが、魔導技術で戦えますか? あの世界は最新でなければ意味がない。一時の勝利ではなく、勝ち続けねばならぬのです。それを成す人材も、金も、この国にはない。ならば、我らは胃袋を掴む。先進国が軽視するもので戦うのです。何があろうとも、食糧は陳腐化しない。負けは、なくなる』

『……』

『御覚悟を』

 正しい。ディクテオンは、王は、とても正しい。

『許せ、マリウス』

『これでは、あまりにも、あまりにもでは、ありませぬか。せめて、今しばらくの猶予を。彼らも、そうだ、新たな販路があるやも、とも申しておりました!』

『決まったことだ』

『陛下!』

 頭を地面にこすりつけ、マリウスは必死に許しを乞う。自分の故郷を、自分を騎士にしてくれた皆を、どうして斬り捨てられようか。

『我らはエレク・ウィンザーが授けてくれたアドバンテージを生かせなかったのだ。シリコンバレーは役目を終えた』

『彼らは、今の仕事に誇りを持っています。それが奪われるとなれば、よからぬことを企むかもしれません。私が説き伏せます。ゆえに、今しばらくの――』

『万が一事が起これば、その鎮圧はユルゲンに任せる。卿には酷だ』

『へい、かぁ』

 王はマリウスを、信頼する忠臣を抱きしめる。

『すでにディクテオンが新たな土地を開発しておる。谷の者は其処に移住し、新たな仕事を与えよう。誰一人、飢えさせぬ。余の身命に懸け、約束しよう』

 力強く。願いを込めるかのように。

『農業に長けた人材も指導員として派遣する。全て任せよ。上手くやる』

 王が、国がここまでしてくれるのだ。だけど、あの黒煙が立ち上る世界は消える。汗水たらし、時に仲間が死ぬような危険な仕事もなくなる。いいことなのだ。きっと、こうなるべきだったのだ。ずっと前から。

 猶予は与えられていた。その間、何も出来なかっただけで。

『……』

 もし、あの谷に自分ではなく、イールファナ・エリュシオンのような天才が生まれていたら、また違ったのかもしれない。

 だけど、生まれなかった。

 ゆえに、滅ぶ。

『これが終われば、卿は団長になる。余を支えてくれ。新たな方向へ舵を取るイリオスを、これからも支えてくれ。我が騎士、マリウスよ』

 正しい。いいことだ。

『……御意』

 何度も言い聞かせた。新天地まで用意してくれている。こんな厚遇、なかなかない。感謝こそすれ、恨む道理などない。

 ないのに、心が――なぜか砕けた。

『よくぞ、よくぞ申してくれた。忘れぬぞ、卿の涙を』

 王は正しい。王に間違えはない。ずっとそう思ってきた。自分のような生まれの者を、大して能力もないのに、取り立ててくれた。

 性格の良さが一番、などと申してくれた。

 同じようなことはあった。その時も断腸の想いで剣を振ってきた。国があり、政治がある。決断には割を食う者がいる。

 そんなことわかっていた。わかり切っていた。

 自らも決断の片棒を担いできたのだから。

 剣を振るいて――

 その番が、自分の身内に回ってきただけ。国のため、騎士である自分は剣を振るわねばならない。率先して、彼らを諫めねばならない。

 今までそうしてきた。

 今回も――


     ○


「……クルス君、君は、故郷をどう思うかね?」

 マリウスが重たい口を開く。

「……かつては恨み、今は何も思いません」

 クルスはそれに正直な想いを答えた。

「君のお兄さんは、君のために保証人になってくれていたそうじゃないか。何者でもない君のために、君が何者にも成れねば、一生をかけて返さねばならぬ借金を背負うことになると理解していてなお……それにも、何も想わぬのかね?」

「感謝はしています。その重さも、今は理解しています」

「なら、そんな恩人を切らねば、騎士道を全う出来ぬとなった時、君はどうする?」

「……斬ります」

「ははは、なるほど、やはり君たちは凄い。本物だよ。私が到底届かぬと思った、騎士そのものだ。だけど、本当にそうかな? 直面してなお、そう言えるかな?」

 マリウスは渇いた笑いをこぼしながら、

「申し訳ありませぬ、姫様」

「マリウス。お願い」

「私は、切れませんでした」

 恭しく、騎士らしく、最後の礼を敬愛する王女へ向けた。

 彼女を通し、同じく敬愛する王へ、向けた。

「全て私がやりました。実験に協力する対価で借り受けた暗殺者を使い姫様の御命を狙いました。今日、部下の背信を半ば察し、彼の動きと共に再度、御命を狙った次第。すでに幾人もの騎士を、この手で殺めております」

「……マリウス、いや」

「私は、騎士ではなかったようです」

 王への忠義も、王女への献身も、全て本物であった。誰よりも強かった。だから、板挟みに心が耐えられなかった。

 王女の叫びを聞くまで、眼を見ろと言われるまで、本気でマリウスは王女を守ろうと思っていたのだ。その想いを抱きながら、きっと斬っていた。

 心が二つに割れていた。

 王家に仕える騎士のマリウスと故郷を想うただのマリウスとに。

 板挟みが、二重人格を構築していたのだ。

「クルス君、最後に一つ、頼めるかな?」

「何なりと。マスター・バシュ」

 どういう理屈かはわからない。クルスは彼の過去を、ルーツを知らないから。

 それでもクルスは何となく、察した。

 これは騎士、マリウスの願いなのだと。

「……私を殺してくれ」

「……イエス・マスター」

 ゆえに騎士として応える。

「あ、アアア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」

 マリウスが頭を抱えながら叫び、そして体が隆起し始める。血濡れた服を突き破り、ガラスの如し透き通った鱗が、彼の隆起した体を覆い始めた。

「……誰だ」

 クルス・リンザールは知っている。この光景を。千年前、神術の失敗により生まれた大いなる悲劇、その再現であるから。

 あれは誰が悪いわけでもない、ゆえの悲劇であったが――

「誰が、やりやがった」

 これが人為的なものであるならば、クルスはその者を絶対に許さない。

 騎士として構えたクルスの視線の先には、

「ア、アアア、あああ、あァ」

 騎士の敵、魔族がいた。

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