第58話 プリン小説のモデルについては聞けたり
お局さんのほうも、ネタ元になってる方とかいるんですか? もしかして爪楊枝でつつきあってる?
そんな疑問をチャットにぶつけたら、おつぼねぷりんはきちんと答えてくれた。
おつぼねぷりん:いますね。言いたくないけど
おつぼねぷりんは文章がブレている割に、キャラにブレがない。決まったモデルがいるからブレないのかもしれない。マサコは一貫して変態だし、和美は一貫してプリンにエロを見出している。
purinmania:言いたくないんですか?
おつぼねぷりん:プリンマニアさん、お局とそういう関係になりたいのかって聞いてきそうだから
purinmania:じゃ、ご期待に応えて、聞きますね。そういう関係になりたいですか?
おつぼねぷりん:なりたく!! ないですよ!!
purinmania:なーんだ
すごい否定のしかただな。
おつぼねぷりん:爪楊枝でつつきあうとか、してないですからね?
リアルでしてるわけじゃないのか。
ってことは、単純におつぼねぷりんの性癖なのかな? まぁいいけど。
purinmania:じゃ、プリンのほうの人は?
おつぼねぷりんの返信がしばらく止まった。
おつぼねぷりん:ないですよ。ない
即答じゃなかったな、いまの。お局さんの時は即否定だったのに。
purinmania:まったく?
この辺でやめといたほうがいいだろうか。あまり突っ込むと、おつぼねぷりんの何かに触ってしまいそうだ。いま少し、おつぼねぷりんは迷っていたような気がする。カムアウトするかしないかを自分で選んでギリギリ適当にかわせるぐらいの質問じゃないと、だめかもしれない。
おつぼねぷりん:ルームメイトと、そういう関係になるとか、ない。性格が違いすぎる。合わないですよ
おつぼねぷりんは、わたしの質問をかわしすぎることなく、答えてきた。
恋愛対象にならない、……そういう返信じゃないんだ。性格が違う? 価値観とかちがうのかな。
おつぼねぷりん:プリンマニアさん、私は別に、リアルをそのまま書いてるわけでもないし、現実になってほしいことを書いてるわけでもないんですよ
purinmania:ネタとして使ってるだけとか、ざまぁだ、っていうのは、前に聞きましたけど。本当にまったく、そういう感覚ないのかなって
おつぼねぷりん:ネタにしてるときに、意識することはありますよ。でもそれは、ネタだからです。彼女とこれ以上仲が深まる事ってあるのかなと思いますね。ある意味、友達としてもギリギリのラインだと感じる事がありますね
purinmania:友達としてもギリギリなんですか? ルームシェアする程度には気が合うわけですよね?
おつぼねぷりん:復讐小説を書くぐらいには気が合わないですね
purinmania:どういうところが合わないんですか?
おつぼねぷりん:毒舌なんですよ
purinmania:毒舌?
おつぼねぷりん:イヤになるぐらい毒舌で完璧主義。穴を見つけたら突っ込むタイプ
purinmania:IOい意味で?
おつぼねぷりん:そ ん な こ と は 一 言 も 言 っ て な い
purinmania:w
おつぼねぷりん:綻びがあればそれが見えるんですよ、彼女は。どんなに頑張っても彼女の完璧主義にかなう状態には到達しないので、もうわざと、彼女の気にいるようにはしないって決めてるんです、私は。すり減るから
purinmania:あらら
おつぼねぷりん:掃除とかも、私の掃除は穴だらけらしい
purinmania:「おかしな二人」みたいですね
おつぼねぷりん:おかしな二人?
purinmania:ニール・サイモンの脚本で、あるんですよ。潔癖症とズボラ、真逆の二人が同居するドタバタコメディが。あれ最高ですよ。ズボラ側が、潔癖症の人がわざと許せないことしたりするのね。潔癖症がやられたら気が狂うようなことするのw おつぼねぷりんさんと観に行ってみたいな
おつぼねぷりん:面白そうですね。あとでググッてみます
――おかしな二人。公演。
トークを読みながら、わたしはパソコンで検索した。実際に会うのはだめだと、自分で言ったはずなのに。それでもつい検索した。おつぼねぷりんと本気で観に行ってみたい。
関東圏でやってないかな。やってないな。数年前に渋谷で公演してたみたいだけど、もう終わってる。これからやるんだったら、誘いたくなってしまうところだった。
purinmania:食べ物の好み以上に、清潔感覚に関わるとこって、確かに大きな問題ですよねー
おつぼねぷりん:そこだけじゃないですよ。あまり愚痴言うのもなんですけど、上から目線すぎて。いろいろしてくれて有難いんだけど、これ以上してもらいたくないんですよね。有難いんだけど
purinmania:上から目線なの?
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