第57話 お局小説のモデルを聞かれたり

 応援コメントの通知が二通入ってきた。


 一人はやっぱりプリンマニアだった。


 時々はどうでもいい回もあるだろうに、プリンマニアさんは律儀に全部にハートを押してくれる。


@purinmania

何度謝っても許してくれなかったら、わたしは相当ヘコむでしょうね……こういう境地まで行けば、たいていの事がどうでも良くなれそうです! 修行あるのみか。


 ……プリンマニアは放っておくとすぐ変な方向に行こうとする。

 速攻で返信を返す。


作者からの返信

どんな修行ですか。プリンマニアさんはしなくていい! もうしなくていいです!


 ついでにチャットのトークにも入れておく。


おつぼねぷりん:変の態になる修行は、あなたの場合、むしろこれ以上はもう要らないでしょう


 こっちは周りに見られないから、少し辛口で突っ込んでも許されるだろう。

 ほんと、これ以上の変態になってどうすんだよ。もう充分だろ。どっかで歯止めかけとけよ。


 もう一つのコメントは、社会人百合ラブさんだった。

 なんだって?


 長いので、まずざっと全体を読む。

 基本、イイね的な感想なんだな。


 ――土下座、甘美で良いですね! マサコさんの気持ちが伝わってきます。一緒に叫びたいです。土下座きもちいいぃぃぃ!


「ひえっ……」


 なんだこいつ?

 土下座気持ちいいってのに共感してる。


 どうしよう。

 これ……わかってくれてありがとうとか適当に書いたら、私も同類にされるかな。


 でも作者が「いやその気持ち、私はわかんないですけどね?」とか書いたら裏切りもいいところだよな……。書いたの私だし。


 どうしよう。

 でも、そうか。


 私は今になって、当たり前のことに気がついた。

 

 わざと「変態」を書いてるんだから、フォロワーも変態、これは当然のことなのだ。プリンマニアといい、社会人百合ラブといい、「変態小説」に「共感」して寄ってきてるんだから、変態なのは当たり前だ。そうでなければ私の小説のフォローなどしない。自業自得なのだ。

 私は頭を抱えて、あまり深く突っ込まない返事の仕方をした。


 作者からの返信

 許したフリというのは、どこかシャットアウトしてるところがありますしね。楽しんでいただけてよかったです!


 携帯に通知が入ってくる。LIMEのチャットのほうだった。


 purinmania:盛大なブーメランありがとうございます。ところで、プリン小説のほうは、プリン食べさせあってるルームメイトが実際にいますよね? お局さんのほうも、ネタ元になってる方とかいるんですか? もしかして爪楊枝でつつきあってる?


 ――つつきあってねーよ!!


 プリンマニア、だんだん聞くことがセクハラくさく、遠慮がなくなってきたな。

 ってかそこまで変態じゃねーよ!! 私は!

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