➆終章
「落ち着けって!美鞠、ホント、落ち着けって!」
俺は、美鞠を抱きしめた。
久しぶりに嗅いだ柔らかなシャンプーの香りが、俺の嗅覚を刺激する。
途端、彼女は抵抗するのを止めた。
(今だ!)、と俺は思った。
「結婚しよう、美鞠・・・今すぐ、結婚しよう、俺達」
「・・・え?」
「だからぁ・・・こんな喧嘩だらけの毎日は、もう今日で終わりにしようって言ってんだよ」
視線を下に向けると、あの日の海で見たのと同じ極上の笑顔が、そこにはあった。
「杏二の・・・莫迦」
そう言いながら俺の腕の中で瞳を閉じる美鞠に、俺は応えた。
その瞬間。
今まで離れ離れだったふたつの体温がひとつになった、気がした。
36℃×36℃ 山下 巳花 @mikazuki_22
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます