おまけ

「・・・まさかお前が相良さんとねぇ。

 てっきり仕事に生きるのかと思ってたんだが」

「だね。それに相良さんって私は一度しか会ったこと無いけど・・・今思うと恵利も顔つきとか幼い感じだったもんねぇ~」


川野辺駅近くの居酒屋。

僕は田丸夫妻(藤枝次長は田丸さんの家に婿入りした)と久々に飲んでいた。


最初は"久々に飲みでも行こうか!"って仕事終わりに藤枝次長に誘われたんだけど、途中で田丸さんが合流し2人の惚気話から始まり、いつの間にやら酔った田丸さんから"そういえば最近、横田くんはどうなのさ?"となり・・・僕が相良さんと付き合い始めたことを話すことになってしまった。


「はは・・・別にそういうわけじゃないんだけど」

「でもずいぶんと歳離れてるだろ?」

「まぁ確かに一回り近く・・・。

 で、でも意外と話も合うし彼女しっかりしてるから」

「・・・それならいいけど。心配してるのよ私達」


そう言いながら不安そうな顔で僕を見る2人。

だよな。僕の事を心配してくれているのか。

確かに田丸さんは恵利と別れた直後も色々と相談に乗ってもらったしな。

でも


「心配してくれてありがとう。でも僕は大丈夫だよ。

 正直なことを言うと、もう彼女を作るつもりとかもなかったんだけど、彼女と一緒にいるとなんだか落ち着くというか・・・彼女とならやり直せるかもしれないって思えたんだ」

「そっか・・・」


僕自身、こんな気持になるとは思わなかったけどね。


「彼女には恵利とのことも話しているし、それを聞いても僕のことが好きだと言ってくれたんだ。

 それに僕自身、彼女のことを大切にしたいと思うし・・・僕ももう同じ過ちは繰り返さないつもりだからね」

「同じ過ち?」


「ああ。去年、田丸さんに勧められて恵利と会っただろ?

 その時に話を聞いていて思ったんだよ。恵利も悩んでたんだなって。

 僕は一緒にいたはずなのにその気持に気付いてあげられなかったんだなって」

「でもそれは横田くんのせいじゃ・・・」

「そうかもしれないけど、気になっちゃってね。

 確かにあの頃は仕事も順調で忙しくはあったけど、恵利との時間も大切にはしていたつもりだったんだ。

 でも・・・気付けなかった。

結局僕も恵利の上辺だけしか見れてなかったんだよ」


離婚直後は僕も冷静さを欠いていた。だからといって恵利の行動は許されるような内容でもないけど・・・もっと話し合っていれば。

タラレバだけど何か違った結果になっていたかもしれない。 

まぁ今更かもしれないけどね。


「そっか・・・。でも無理はしないでね」

「まぁ横田を選んだ相良さんの目は確かだと思うし。

 彼女なら大丈夫だろう。仲良くやれよ」

「はい!」

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後悔しても・・・ ひろきち @hiro_1974

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