身にまとえば誰もが幸せになれる香水を作って欲しいと依頼された主人公。
幸福ってなんだよ? と、難題に首を傾げた彼が見つけたのは、芳しい香りを漂わせる赤い花。
「これだ!」と育成を始めた彼ですが、どうやっても花は枯れてしまい……?
本作の美点はいくつもあるのですが、冒頭から置かれる謎と伏線。情報の出し方に、捻りのある展開。秀逸な設定でしょうか。
読みやすい文章もですが、構成が実に巧みなので、最後までするすると読ませる力があります。
どうやったら花は枯れないのか? 真相に気づいたあとの彼の行動とたどった顛末に、「嫉妬や思い込みというのは恐ろしいものだな」という感想を抱きました。
出来上がった香水は本当に人を幸せにするのか否か?
驚愕のラストは、ぜひあなたの目で。