電子書籍をセルフ出版するも全然売れない件について
FZ100
電子書籍をセルフ出版した顛末
皆さんは電子書籍を利用していますか? 私の場合、保管スペースが無いのと老眼が進んだので電子書籍で買える本は電子書籍版を買っています。
そんな私ですが、AmazonのKDP(キンドル・デスクトップ・パブリッシング)で電子書籍を何冊かセルフ出版しています。つまり商業出版となります。従来であれば高額な自費出版しか途が無かったのですが、デジタル化の進展で低コストでセルフ出版の道が開けました。
以下、しばらく無関係なお話が続きますが、事の始めから書きますのでお付き合いください。
きっかけは2021年1月にジャストシステム社から広告メールが送られてきたのを偶々開いたことでした。そのメールでは日英翻訳ソフトが紹介されていました。500万語の辞書という売り込み文句に惹かれたのです。それがあれば自分のブログの記事を英訳できるのではないかと考えたのです。
ブログサービスは2003年11月頃より利用していました。当初は雑記ブログだったのですけれど、2007年に島根県石見地方の女神に関する伝説を記事にして取り上げたところ反応がよくて、ブログのコンセプトが固まっていきました。それからは島根県石見地方の神話、伝説、昔話、神楽などを中心に記事を書いていきました。現在では一日当たり20~30件くらいのアクセスがあります。
それらの記事を英訳して世界に発信できないかと考えたのです。自分の書いた文章を英訳して発信することについては漠然とした願望がありました。他の誰もやってくれないのですから、自分でやるしかないではないかと考えました。
で、Amazonでその翻訳ソフトのレビューを読んでみたのですが、評価は微妙でした。むしろGoogle翻訳の方が使えるというレビューがありました。それでGoogle翻訳というサービスがあることを知り、実際に試してみたのです。その結果、意外とこなれた訳を返してくれるという感触を掴みました。それで、実際に翻訳に取りかかることにしました。
翻訳に当たってはパソコンにプリインストールされた辞書と英辞郎という電子辞書を併用しました。実際に作業をした感覚で言いますと、長文になるほど訳が微妙になります。また思わぬところで直訳を返してきます。たとえば粗筋をシノプシスではなくラフラインと翻訳したりしました。ですので、出来るだけ翻訳し易い言い回しに書き換えることを心がけました。日本語の方を調整するのです。
Google翻訳はリアルタイムで翻訳結果を返してくれますので、日本語入力欄の文章をいじればいいのです。日本語特有の言い回しについてはパソコンにプリインストールされた和英辞典を使いました。
これらの作業は高校卒業レベルの英語力であれば問題なく可能です。ただし、ネイティブの人が読んでどう思うかについては未知数ですが。
英訳するに当たっては幾つかの主要記事をリライトしました。継ぎ足しに継ぎ足した老舗の秘伝のタレの様な文章となっていましたので、論旨が明確になるように書き直しました。また、である調では固いですので、ですます調に書き改めました。
そんなことがあって英訳した記事を公開しました。これはブログではなくWEBサイトの方で行いました。ブログはログ形式なので体系性がありません。その点ではサイトの構造を体系的に構築できるWEBサイトの方が有利です。これは一つの記事を読んだ方が目次のページに遷移して他の記事も読んでくれることを期待してのものです。
そうしてFacebookやReddit、Twitter、TumblrといったSNSで宣伝しました。効果はあまりありませんでした。元が島根県石見地方の神々の伝説に関するローカルな記事なので根本的に知名度がないのです。それでも偶にアクセスはあります。
そんなこんなでブログ記事の英訳化は進んだのですけれど、リライトした記事の扱いが問題となりました。せっかく書き直したのですから、どこかに掲載できないかと考えたのです。ですが、ブログに掲示しては二重になります。カクヨムに掲載することも考えたのですけれど、カクヨムだと写真が添付できないという難点がありました。
伝説の場合、その場に行ったという写真があるとリアリティが格段に高まります。その点で小説投稿サイトには不向きの内容でした。
そこでふと電子書籍化したらいいんじゃないかと思いついたのです。その時点では電子書籍に関する知識がありませんでしたので、Amazonで電子書籍出版を解説したマニュアル本を幾つか読みました。
実際に読んだ感想ですが、高評価のレビューが多く付いているものがいいでしょう。電子書籍出版で○○万円儲かる~といったタイトルの本は避けた方が無難です。電子書籍で売れるのはハウツーもので、カクヨムの読者さん達が考えているであろうWEB小説にそのセオリーは適用できないからです。
電子書籍化にあたって始めはワープロソフトの一太郎で行うことを考えていました。一太郎は文芸を趣味とする人の間ではポピュラーなソフトです。最近では電子書籍化機能も売りとしています。なので、一太郎と描画ソフトの花子のパッケージを実際に買いました。で、試してみたのですが、写真の添付が思うようになりません。
電子書籍のファイル形式はepub形式ですが、これはHTMLとCSSを包含したものです。私としては画像の添付に当たっては、ブラウザによって多少の解釈の差はありますけれども、概ね同じ様なレイアウトになるHTMLライクなものを望んでいました。ですが、一太郎だと画像周りが思ったようにいかないのです。
それでフリーソフトのSigilを試してみました。SigilはHTMLとCSSを編集できますので、高度なレイアウトも可能です。ですが、マニュアルに記載されていたosakaフォントが含まれておらず、他のフォントを使用すると文字の欠損が生じてとても使えないとなりました。
そこで、次に試したのが、でんでんコンバーターというWEBサービスです。これはプレーンなテキストファイルに幾つかマークダウン記号を付加するだけですので、現状で最も手軽な方法と言えるでしょう。
例えばフリガナですが、カクヨム記法ですと
|竜≪ドラゴン≫
となりますが、でんでんコンバーターの場合、
{竜|ドラゴン}
となります。
見出しは、目次の見出しにしたい場合、
##見出し2##
とします。HTMLの<h2>に相当します。これで目次は自動生成されます。
縦書きと横書きを混在させるといった複雑なレイアウトにする場合はCSSの編集が必要になりますが、小説の出版においては縦書きという以外、特にレイアウトに凝る必要はないでしょう。小説形式ならでんでんコンバーターで十分です。
ちなみにレイアウトには固定レイアウトとリフローとあります。固定レイアウトは漫画や雑誌の様なレイアウトです。リフロー型は表示環境に応じて文字や画像のレイアウトを自動調整します。でんでんコンバーターはリフロー型です。
epub化する際には、原稿となるテキストファイルと表紙の画像ファイル(cover.jpg)、それと画像を添付する場合はその画像ファイルを一つのファイル内に置きます。
表紙については、デジカメで撮った写真にテキストを付加する形で誤魔化しています。表紙にはデザインセンスがもろに出ます。なので、表紙が読者の第一印象となります。故に売れ行きをも左右する重要要素です。表紙については後述します。
そんな訳で、現在ではepub化に当たってはでんでんコンバーターを利用しています。一太郎の出費が無駄になったのですが、校正機能を活用しています。である調をですます調に書き換えたのですが、語尾しか修正していませんでしたので、校正にかけるとチェックが入りまくりでした。また、年号の間違いも指摘してくれましたので、校正機能は優秀だと思います。
ちなみに、電子書籍をペーパーバック(オンデマンド本)化する際にはPDFファイル形式での入稿となります。でんでんコンバーターには縦書きのみ対応ですがepubをPDF化してくれる、でんでん2POD出版というサービスもあります。
コンバーターでepub化した電子書籍の推敲については、AmazonではKindle Previewer 3というソフトを利用します。これで誤字脱字など入力ミスが無いかチェックします。フリガナの記入ミスが意外とあります。
推敲に関しては、Kindle Previewer 3は日本語での検索機能に対応していません。私の場合、フリガナといったミスの発生しやすい箇所についてはPDF形式に変換、検索してチェックしています。
推敲が終わったらKPFファイルというAmazonでのデフォルト形式にエクスポートします。
準備が整って、Amazon KDPのユーザーアカウントを取得しました。これはAmazonのアカウントを流用できます。幾つか個人情報を入力します。銀行口座が必要となります。これはカクヨムロイヤルティプログラムに加入している人なら問題なくできるでしょう。
英語で住所の入力を求められるので戸惑いますが、Google翻訳を活用すれば問題ないでしょう。
途中、TINという米国の納税者番号を訊かれます。米国人ではないのでブランクでも登録できました。
ユーザーアカウントを取得して、いよいよ出版準備に取りかかります。これは手続き的に三画面ありますが、必要事項を入力して出版申請します。
書名はタイトルとサブタイトルがあります。商品ページでは「タイトル:サブタイトル」と表示されます。この辺りのノウハウはカクヨムと共通と考えていいでしょう。人目を惹くタイトルが求められます。
タグは七つ選べます。検索に掛かりやすくなるキーワードを選定しましょう。
著者名は複数のペンネームを使い分けられます。
内容紹介はカクヨムで言えばあらすじとキャッチコピーに相当するでしょうか。まず、ここが読まれますので、内容を簡潔に練り上げましょう。私の島根の伝説本の場合は、概要紹介と目次の見出しを入れました。小説ではあらすじとキャッチコピーですね。目次はいらないでしょう。
申請の際、書籍のジャンルを問われます。二つ選択できますので熟慮しましょう。後で変更も可能です。
先述したKPFファイルと表紙の画像をアップロードします。表紙は1MB以下の容量だとエラーが出にくいそうです。
KPFファイルと表紙の画像のアップロードは何度でもやり直しができますから、紙の本と違って改訂は容易です。
DRM(デジタル著作権管理)はコピーガードです。ONにしておいた方が無難でしょう。
価格設定ですが、おおざっぱに言ってロイヤリティが35%と70%の二つのコースになります。
70%の方はKDPセレクトというコースになります。このコースはAmazonの独占販売となります。最低価格は250円から。また、Kindle Unlimitedという読み放題サービスにラインナップされます。販売の他、KENPというアンリミテッドで読まれたページ数に応じてロイヤリティが払われます。1KENPで約0.5円といった水準だそうです。他に、三ヶ月に一度、五日間の無料キャンペーンを実施できます。
35%のコースは最低価格99円からとなります。他所の電子書籍出版サービスで出版しても問題ありません。複数の販路を持ちたい場合、こちらのコースとなります。
出版申請を行ってから、長くて二日ほどで出版開始となります。実際には二日も掛かりません。私の場合は月末に申請して月初に出版開始というフローにしています。価格は250円にしてKDPセレクトに加入しました。アンリミテッドサービスでまず読んでもらってレビューを付けてもらおうという作戦です。
ちなみに、ブログの記事を電子書籍化した場合、著作権の確認メールが届きます。ブログを再編集したもので著作権が自分にある旨、返信すればOKです。
総文字数は8万字ほどです。紙の本より若干少なめです。電子書籍なので内容さえ伴っていれば、2万字とかもっと少ない文字数とかでも可能です。
また、自身で運営しているブログ、Facebook、Twitter等で告知しました。ですが、私の場合、Facebookで繋がっている人が6人、Twitterのフォロワーが26人ほどですので、宣伝効果はほとんどありませんでした。
そんなこんなで意気込んで出版した電子書籍ですが、販売レポートに全く動きがありません。十日ほど全く動きがありませんでした。KENPも全くつきませんでしたので、レポートに障害が発生しているのかとまで考えました。そうしている内に有料で一冊売れましたのでレポートは正常と判明しました。
私の場合、ニッチ戦略をとっています。ニッチとは隙間です。島根県石見地方の神々の伝説という他に書き手のいないジャンルですので、開拓する余地があったのですが、裏を返しますと、島根県の伝説に特に興味を覚える人はそうはいないでしょう。
本来、ニッチ戦略というのは商品に定評があってこそ成り立つものです。例が自動車になってしまいますが、例えばスバルの乗用車がニッチ戦略です。スバルの四輪駆動は雪国で絶大な信頼を勝ち取っています。そのため、シェアが低い下位メーカーであっても安売りせずに売れるのです。
私の場合、全く無名の新人アマチュア作家ですから、とにかく信用がありません。この無名のアマチュア作家という立ち位置が価格戦略において肝となります。商業出版ですからプロと同じ土俵で勝負することになるのです。
八月頭に販売を開始して、無料キャンペーンをお盆の時期に実施しました。休み期間に読んでもらおうと考えたのです。ダウンロードされた件数が販売レポートで確認できますが、十数冊ほどでした。思ったようにはいかないものです。
また、無料でダウンロードできるということは積ん読になる可能性も否定できません。私的には無料で配布したのですから、その見返りとしてレビューが欲しいとなります。ですが、レビューは中々つかないものなのです。
幸い、レビューに関しては五つ星と四つ星の二つの好評価を頂くことができました。どこで読んだか忘れたのですが、レビュー三件以上で星平均3.5以上だとAmazonのセールの候補となるとのことで、もう一つ高評価のレビューが欲しいところです。
どのタイミングで無料キャンペーンを実施するかというのも大切です。発売開始直後に無料キャンペーンを打って読者を集める手もあるでしょう。初月は新作ということで優遇されるのです。今回は長期休暇期間にキャンペーンを実施しました。キャンペーンは開始日の17:00から終了日の翌日の16:59までとなりますので、週末に読む本を探すという意味で金曜日から土日にかけてキャンペーンを実施する手も考えられます。
さて、ここからが本題となります。実は八月中旬に自作小説を電子書籍化してセルフ出版したのです。
これはKDPのユーザーインターフェースに慣れたいという思いがあって試みに行ったものです。
正直にいって、これは一時の気の迷いです。この小説はとある事情があってカクヨムには掲載していませんでした。小説家になろうの方に投稿していたものです。私はアクセス解析についてはカクヨムの方が優れていると思います。ページ毎のPVが確認できるのですから。なろうの方はアクセスはそれなりにありましたが、どうもあらすじのページもカウントされているらしく、どれだけ読まれたか実情がよく分かりません。そんなこともあって、なろうから削除して電子書籍化を行いました。
ちなみに、その作品がなろうで得たポイントは13ptです。どの程度のものか察してください。よく言って怪作です。
価格についてはロイヤリティ35%で最低価格の99円より1円だけ高い100円としました。100円の価格づけは、まあこれなら外れだったとしても許せるかというくらいのニュアンスを込めました。ですが、全く売れません。実は無名のアマチュア作家の小説などは金を出してまで読むものではないと見なされているのです。高評価のレビューがついていれば別ですが、レビューのついていない本だと判断できません。序盤10%をサンプルとしてダウンロードすることも可能ですが、そこまでしてもらえる保証もありません。
ならばKDPセレクトに加入してアンリミテッドで読んでもらおうと考えました。コースの変更自体は簡単に行えます。それでしばらくしてKENPが付いたのですが十数ページという結果でした。面白くないと思われたのでしょう。低評価のレビューを付けられることはありませんでしたが、それ以後、動きはありませんでした。
無名のアマチュア作家の得体の知れない作品に金を払う人はいないと気づいた私はプライスマッチという手法を使うことにしました。これは家電量販店でよくある他店と同じ価格にしますという価格保証です。楽天Koboでは無料で電子書籍を出版可能です。楽天で無料販売して、それをAmazonに報告してプライスマッチ申請すれば販売価格を0円とできます。
ただ、私の場合、問題がありました。既にKDPセレクトに加入していたのです。Amazonの独占販売という契約ですから、焦って楽天で出版すると出版権の侵害となってしまいます。
KDPセレクトは三ヶ月毎に更新されます。通常、契約は自動更新されますが、該当する画面で手動更新に切り替えることができます。それで手動に変更して、契約の切れる11月下旬まで待ちました。
契約が切れると販売価格250円でロイヤリティが35%となります。そこで、楽天のアカウントを取得して、件の小説を無料販売しました。そしてプライスマッチを申請して受領、Amazonでも無料販売開始となりました。ダウンロード数は楽天の方が多いです。多分、新刊扱いだからでしょう。
売れない本ですが、電子書籍なので実体はありません。在庫管理の必要もありませんし、返品されることもありません。気長に売れるのです。
さて、この小説、表紙は本文で登場する核心的な場所を撮った写真を使いました。私は絵が描けなく、デザインセンスもないので描画ソフトで表紙を自力で制作することができないのです。タイトルはGimpというPhotoshopと同系統のフリーのフォトレタッチソフトを使って付加しました。
写真に関しては縦構図で撮ったものを使っています。縦構図で適当なものが無い場合は横構図の写真をトリミングしました。トリミングについてはSILKYPIX JPEG Photography 10という有料ソフトを使いました。現像ソフトのSILKYPIXのサブセット版です。SILKYPIXはデジカメを買うとメーカーによっては添付されてきますから、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
写真のリサイズ・圧縮については、リサイズ超簡単!Proというフリーソフトを利用しました。2:3のアスペクト比で1590×2400pxのサイズとしています。Amazonの推奨サイズと若干異なるのですが、問題なく受けつけてくれます。
ちなみに表紙のテンプレートを無償配布しているWEBサイトもありますが、なぜかサービスが利用できませんでした。
先述した様に、表紙にはデザインセンスが出ます。また、件の小説は荒唐無稽な内容なのでジャンルはライトノベルで申請しました。ですが、考えてもみてください。商業出版されているライトノベルの表紙の大半は美麗なイラストです。
商業出版されるライトノベルでも表紙が読者の第一印象となります。つまり、カクヨムに掲載しているようなWEB小説をセルフ出版するのにも美麗なイラストが求められることになります。
絵が描けないのであれば外注することになります。そういうサービスを提供しているWEBサイトもあります。私は利用していませんので、よく分かりませんが、ネット上で見かける書き込みによると相場は二万~二万五千円くらいとのことです。
WEB小説を電子書籍としてセルフ出版するにはこれくらいの初期投資が必要なのです。なので、価格戦略も重要になってきます。商業出版されているライトノベルの文庫本は600円台からスタートでしょうか。アマチュア作家が競争力を持たせようとしたら、それ以下の価格設定となるでしょう。
何冊も小説を出版して順調に作家活動を行っている方の著者ページを見ましたが、いずれも100円台での販売となっていました。おそらく複数の販路を持っているはずですが、薄利多売でしょうか。表紙は外注です。レビューは一作当たり1~2件ほどのものが多いですが、いずれも高評価です。固定ファンがついているのかもしれません。
著者によっては巻末の奥付のページに電子メールのアドレスを記入して読者との直接の交流を図っている人もいます。メールをやりとりする人はメールアドレスを顧客リストとして活用する意図があるのです。メールで新刊を告知したりキャンペーン情報を告知したりですね。特典を用意してオンラインサロン的な運営をしている人もいるようです。私はブログとWEBサイトのアドレスを記入しているだけです。それほど深くお付き合いしたいとは考えていません。
ところで、小説を出版する際、分冊して、序盤を無料にして、気に入ったら後の展開は有料でというやり方がありますが、それはアンリミテッドが始まる前の手法で、今ではあまり意味がないと思います。
本を出版すると著者ページを持てる様になります。自分が書いた作品を登録します。つまり、複数の作品をまとめた一覧ができます。作者はこうしてレビューを積み重ねていくことで信用を得ます。
ちなみにKDPセレクトで250円で売れた際のロイヤリティは158円前後です。ファイルの大きさによって配信料が掛かる場合がありますので、多少前後します。
内容ももちろん重要です。もし誤字脱字が多ければそれだけで低評価を受けることが十分にあり得ます。初期に低評価のレビューを付けられますと、それ以降売るのが難しくなってしまうのです。故に校正は大事なのです。一太郎は持っていなくてもWordならある人は多いでしょう。校正機能を活用することをお勧めします。
ちなみに、Amazon本体で電子書籍をペーパーバック(オンデマンド本)化するサービスも始まっています。私の場合、前述した島根の伝説本を代理店を通してオンデマンド本、つまり紙の本化しました。四六判の約200ページで原価は1400円ほど掛かりました。オンデマンド本は受注に応じてその都度刷るので割高になってしまいます。WEB小説に関してはオンデマンド本は価格競争力が無いと言えるでしょう。
それでもなぜ私がオンデマンド本化したかというと国会図書館に献本したいからです。ブログに書いた記事は私が死ねばいずれ消えてしまいます。そうなる前に紙の本として実績を残しておきたかったのです。郷土資料でもありますから、いずれ島根県立図書館郷土資料室にも献本したいと考えています。小説の方はオンデマンド本化を考えていません。
ちなみに、国会図書館への献本についてですが、私の場合、オンデマンド本の出版代理店に献本するサービスがありますので、それを利用しました。手数料が掛かります。でも、多分代理店を通さなくても受けつけてもらえると思います。国立国会図書館・収集書誌部・国内資料課に献本したい旨送り状を添えて送れば受理してくれるはずです。
2022年7月には島根の伝説本を島根県石見地方の全図書館に、出雲・隠岐地方の主要図書館に寄贈しました。大赤字ですが、後進に「ここまでは分かった」と示したかったのです。
なので、カクヨムに掲載した作品の電子書籍化は表紙というハードルがありますので、あまりお勧めできません。どうしても紙の本にしたいという強い動機があるなら話は別ですが、そうでなければカクヨムロイヤルティプログラムを活用した方が賢明でしょう。もちろん内容次第ですが、プロと同じ土俵で戦うのをお忘れなく。
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