生まれつき醜悪な貌を持つ男の恋愛譚。展開にも文章にも派手さはない。ただ淡々と男の半生が語られる。だが、内容は凄惨であり、同情を寄せるにも、男の相貌を思えば致し方なく感じるのだ。男は外見同等内面も醜悪なのだろうか。それとも……これは文学であり、我々の差別意識を問う作品だ。