あとがき

人生で初めて『あとがき』なるものを書きます。

そろそろあれから1年も経つのかぁ、とか思ってたら、たまたまこの作品を読んでくださった方がいたので、あとがきを書こうと思った次第です。


彼が亡くなる直前、私は小説を書くことが出来ずに悩んでいました。面白い展開やシーンは思いつくけど、あくまでピースであって作品として昇華させれなかったのです。

当時の私は、なんでもいいからなにか一作創り終えたいと思っていました。


そんな最中に、彼の訃報を知らされました。

彼の訃報に対して私がどう感じたか、というのは本編に書いたので省きますね。


正直に言って、葬儀が終わった後『これは書くしかない!』と思いました。エンタメとして残すとか、良い材料ができたとかそういうのではなくて、『書かなくてはならない』という意思が芽生えたのです。


彼の葬儀では、己の未熟さや情けなさや自己嫌悪、様々な気づきがあったということはご理解頂けるかと思います。そんな事が伝わっているといいな。

これは、自分にとって一つの転換点になるのではないか、と考えました。そしてその瞬間をどうにかして形に残したいと思ったのです。


この作品は、正に己の為に書いたものになります。


公開するかどうかも悩みました。そもそも自分のために書いたというのもありますが、内容が内容なだけに、彼の家族や親しかった人に許可を取ってから公開した方が良いでしょう。でも私には、そんな度胸はなくて、終ぞ公開の可否を確認することができませんでした。


ただ、もしかしたら誰かが私と同じような気持ちになるのではないか、と思ったのです。

その時、『その悩みを経験したのは君だけではない』と伝えて貰えたら、嬉しいかもしれないと思ったのです。


クラスメイトが死んでもあんまり動揺しなかったこと、でも葬儀に出てみたらやっぱり心が乱されたこと、自分のことが本当に嫌いなこと。

そんなことが普通じゃないのではないか、心配になったことも。

完全に同じ悩みやシチュエーションじゃなくても、似た部分があって理解できる領域があると伝えたくて。


その結果、自分が見つけれた個人的な情報を全てぼかして、公開する事を決めたのです。


さて、公開した時の話はこれくらいにしましょう。


この作品、実話だと言いながらもエッセイではなく現代小説として投稿していますよね。実は一応そこも理由があって小説として投稿しました。


というのも、私にとって事実であっても、貴方にとっても事実である必要はないと考えたからです。

私がしたかった事は悩みの共有で、不幸自慢ではありません。そもそも不幸であったのは親御さんや親しかった人であって、私が不幸であったなどとそんな烏滸がましい事を言うはずもありません。


この作品は、まだ葬儀を経験していない人に読んでほしいのです。

もしかしたらこの先、こんな悩みを抱くかもしれないという人に向けて一番に公開したのです。


きっとその人は、若いでしょう。

若輩者の私よりも若いと思います。


エッセイとかで『こんなことあったんだよ』『こんなことを思ったんだよ』って言われるの、なんか本当にあったことを強調されてる気がしてちょっと素直に受け止めれなかったりしませんか?

というか、私がそうなんですね。

単純に私がエッセイというジャンルに苦手意識があるだけだとは思うんですけどね。


この作品は貴方にとって事実でなくても良いのです。創作だと受け止めてくれてもなんら問題はありません。

読んでくださった貴方がどう受け止めたとしても、あの時の私の感情がかわることはないからです。

むしろこの話は『本当かもしれないし本当じゃないかもしれない』という立ち位置で語られる方が、私が伝えたい事が素直に伝わるのではないかと考えました。

それ故に、小説として投稿したのです。


ただ、貴方にもし、そんな将来が来た時に、私のように軽い覚悟で葬儀に出席する事がなければいいなと思います。


語りたいことは多く、まとめるのがむずかしい作品でした。なんたって上手いオチはありませんからね。


このあとがきのオチも探しつつ、今回は仕方がないので筆を置くとしましょう。

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クラスメイトが死んだ aninoi @akimasa894

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