なんとなく、そうするのかな、という気が、ちょっとだけしていました。
こういう世界ですし。
でも……。
紫月ちゃん、一応目の前の危機からは逃げられましたが、とてもほっとできるような状況ではないですね。
どうにもならない世界の中でも、ぎりぎりのところで強く立とうとする彼女たちが印象的です。
そして、前のエピソード以上に、市女笠も凄く印象的で、悲しいです。
作者からの返信
大まかな流れは『藤恋』ですでに決まっていました。
深芳が旺知に切れる最大のカードでもありますし。これで娘が逃げることができるならといったところでしょうか。
時間が経てば経つほど、周りの知るところなって旺知には不利ですしね。
市女笠、印象的と言ってくださってありがとうございます。最後に与平のことを思うだろうな、でももう気持ちを殺しちゃうな、と思いあの描写となりました。
「堂々と召し上げればいい」と言った紫月は、凄い。それに対して、旺知は暴力しかありません。けれど、その暴力が絶対である世界が辛いです。
しかも、沈海平へ出兵ですって!?
そして、深芳。
どう対処するのかと思えば……。
辛いです。そして、この行動力は、さすがあの時代を生き抜いてきただけあると思いました。
器が違います。
でも、悲しいです。
作者からの返信
このエピソードの大まかな顛末は、『藤恋』の時から決まっていました。
旺知の考え方は単純で、基本的に自分より上か下かです。そして、下の者を暴力で服従させるすべを本能的に知っています。女性の自尊心を最も傷つける行為は何かを分かっている。
三百年前に手に入れ損ねた深芳だけが彼と対等なのですが、さすがにあのまま引き下がってすごすご帰る男であるわけもなく。
結果として、深芳は娘のために自分が持っている最大のカードをきりました。
男性が自分に何を求め、どうすれば喜ぶかを、深芳もまた嫌というほど分かっている。
悲しいし、とても悔しい選択です。
深芳さま……。なんて悲しい選択を。
最後に見つめた市女笠が切ないです……。
作者からの返信
娘を逃がすために自分の持つ最大のカードを切りました。
与平のことを思いながら、ぎゅっと心を閉じた深芳です。
大まかな流れは『藤恋』で決まってました。混迷は続きます。