訪問介護

小規模多機能には、訪問と言う仕事が存在する。


おもに、食事の配色やセッティング、トイレ誘導やオムツ交換、受診介助もある。


これらは、まだ良い方だ。


僕が嫌だったのは、利用者宅の掃除。


夏は暑いし、冬は寒いしで、とにかく大変だった。


ゴキブリが死んでいた家もあった。


僕は、虫全般が駄目だ。


とにかく、見るのも触るのも嫌だ。


蚊がたくさん飛んでいる家もあった。


何発刺された事か。


今までで一番嫌だった家はK夫妻の家。


とにかくめんどくさい夫婦で、娘のNがとにかく細かく五月蠅かった。


クレーム電話が多く、所長も参っていた。


僕が休みの日、K夫妻の妻が万引きをして捕まった。


徘徊もあったのだ。


でも、迷子にはならなかった。


迷子になった利用者もいた。


何人かで探し回った。


僕は、事務所で電話したりしていた記憶がある。


残業した記憶も。


ま、幸い見つかったから良かったけど、流石に大変だった。


一般的に見たら、小規模多機能は素晴らしい場所だ。


しかし、働く側からしたら、ただの何でも屋にすぎない。


何でも屋…


つまり、あれこれと頼まれたらしなければならない。


やっちゃいけない事もあったが、稀に目をつぶっていた事もある。


まさに、介護職は家族から見たら奴隷だ。


今日、病院に連れて行ってとか、買い物に行きたいとか。


掃除しても、独居の為、すぐに汚してしまい、また掃除…


あり得ない世界だ。


本当に凄い世界だったけど、良い点もあった。


楽な訪問の家だと、少し休憩が出来るのだ。


今思い返すと、小規模多機能程大変なとこもない。


家族には良いかも知れないけど…


ちなみに、小規模とは、


デイサービス+宿泊+訪問や受診介助と、完璧な施設だ。


施設に来れば、入浴も食事介助も何でもするし、


定員が許す限り宿泊も可能。


最高だね。


こんな最高な場所は家族にとって好条件だ。


でもね、働く側としたら…


何が何だか解らなくなる事もあったよ。


一日外回りだと、施設内の事が解らなくなるし。


こんなんだから、家族は調子に乗ってワガママ言いたい放題になる。


こっちは人手不足なのに、そんな事はお構いなしに…


小規模多機能から離れた今、思うのは、


何でも屋であり、便利屋だったなと。


そして、ワガママ家族に振り回される場所。


今も、ワガママ家族は多いが、それでも楽に感じる。


小規模多機能で働くには、


忍耐力が必須です。


最後に、介護士は奴隷ではありません。


馬鹿な家族は、もう少し自分の立場を考えて言って下さい。


解約されたら困るのは誰?


もっと、僕等を労わらなきゃ駄目ですよ。

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こうして僕は介護福祉士になった… 杉浦 悠 @misery666

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