125 その10 ~魔境の制御管理体創造 その1~

元・ドライールド、現・緑の魔境に赴いたザックたち。そこは緑の魔境と評するには余りにも黒かった…そして、魔境の核となるユグドランのユグは…数箇月放置されたことにより、ある程度の精神的成長をしたかと思ったのだが…基本的にはユグだった…orz

暇を持て余したユグは「自由になって暴れ…遊びたい」と主張し、暗に暴れちゃうぞ?…とマスターであるザックを脅すのだが、ザックとしても此処に魔界ゲートを現出する危険を排除したいということもあり、ユグの代わり制御管理体を創ることに同意する。

そうして…ユグドランの周囲に在る、くっそ硬い漆黒の大木群の伐採を始めたのだった…

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- 制御管理体・創造 -


「まずは…漆黒の大木を物質変換!」


ストレージに収容された全ての大木が物質変換されていく。


「…暗黒物質ダークマター?」


詳細を知ろうと解析を掛けると…



暗黒物質ダークマターの解析結果】

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◎宇宙の虚空を漂う物質

◎星々の誕生前の物質ともエネルギーの元ともいわれている

◎正体は不明である

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(何だこりゃ…つまり、解析でもわからないということか?)


※解析はあくまで行使者の知識からわかる範囲での解析結果であり、わからない…或いは理解が及ばなければわからないのと同義である為に理解できる範囲で結果を示すのであった(=作者でも理解してないと思いねぇ!w(1つ目と2つ目もよつべで知った程度の知識だしなっ!w))


(…まぁ、創造する予定の制御管理体が創れれば問題は無い…か)


ストレージ内の錬金魔方陣に素材のダークマターが流れ込む…予め用意してあった設計図を基にパーツがどんどん創られていく…そして。


(全パーツ創造完了。コアも砂から創造完了。この特殊コアは直接触れて魔力を注ぎ込むのは危険なのか…じゃあ)


ストレージからMPポーションを取り出して飲む。直接MPポーションを掛けて注ぎ込めれば楽なんだけど…一旦体に取り込んでMPにしてからじゃないと注ぎ込められないなんて面倒なんだよね…何でかなぁ?


※素材から作られたMPポーションのままでは無機物であるコアに掛けても意味はなく、魔力の属性を付与した状態(人間に限らず、意思を持った生物や疑似生物などの属性を持った魔力として)で注がないと何故か起動しないし従属してくれないという…つまり、コアは大規模工場生産は不可…という。意思を持ったゴーレムでもいいんじゃないか?…と思うが、ゴーレムは疑似生命ですらないので不可とw


※生物や疑似生命体とゴーレムの最大の違いは「魂魄」の有無。ちなみにサヨリは251番目に某サクヤさんの魂が混じってるので、そういう意味ではコアの製造に寄与できる唯一の疑似生命ゴーレム娘と思えますが…残念ながら生産系の魔力が無いので結果的に「無理!」というw…え、リンシャさん?…輪廻の輪に戻るコースに乗ってる頃なんじゃないかな?…後数年は戻れないだろうけど←時間が掛かるので



ストレージ内でダークマターから創られたボディに制御コアと魔力コアを組み込み、パーツを組み立てて基本制御プログラムをナルからコピーさせて貰ってアレンジを加える…魔境に後から組み込む障壁の制御と魔境の拡大抑制プログラムを改めて組み込み、内部外部含めて悪影響を与える脅威を抑え込むようにした後…もしもの時は自爆(但し、魔境の外部には影響を出さない範囲で)するようにした訳だ。


「…自爆、ですか…」


神妙な顔でこちらを見るゴーレム娘たち。


「いや…君らにはそんな物騒なのは組んでないよ?」


慌てて取り繕うが…


(そうだよな。ゴーレムだから制御を乗っ取られたらマスターである僕を襲ってくる可能性も…無くは無いんだよな…)


敵対する勢力が…今となっては2つの国から狙われる可能性が濃厚となった今、その可能性も考えなくてはいけなくなった。幾らゴーレム後進国であっても、先進国から技術供与とか代わりに…などなど、幾らでも考えられる訳だから…


「「「大丈夫っ、ですっ!」」」


勢い余って迫って来るゴーレム娘たち。いきなり何っ!?


「「「私たちは…絶対にマスターを襲ったりしませんっ!!」」」


いや、わかったから!…ドゥドゥ!


「「「もしっ!…もしもですよ?…もし…マスターを襲ってしまいそうでしたら…」」」



「「「破壊して下さい!…遠慮なく!」」」


我が子に手を掛けろと?


「「「私たちがマスターを殺すなんて…そんなの…私が私を許せません!!!」」」


…!


「大丈夫よ」


「「「レムさん…」」」


「そんなことしようとした時点で、わたしがトドメをさしてあげるから…」


レムさんが、今日一番のアルカイックスマイルで…その隠された(隠れてねぇっ!)本性を魅せてくれました…あ、チビリソウ…


ぱたぱたぱた…と、簡易思考コアが一時機能停止してその瞳から光を失い、倒れていくゴーレム娘たち…怖っ!


「…って感じでね?」


「…あぁ、ナルから」


「正解!」


何をいってるかと種明かしをすれば…レムはナルからゴーレム娘たちの上位制御プログラムの一部を…一時機能停止命令を貸与された…という訳だ。貸与といっても、ナルすらも機能停止できる最上位命令

となる訳だが…流石僕の一番、だ…


「私は、マスターのいちばん、ですから」


にこり、と…女神の微笑みを浮かべるレム。ザックの所持するゴーレムの最上位個体であるレムは、ついこの前3回目の改修を受け、事実上この世界最大最強のゴーレム娘となっている。防御力だけでなく、攻撃力も常識の範囲では最大最強を誇る。この改修で砂をたった1体のゴーレムに対して100トンを消費したのだ。これで強く無ければ嘘だ!…というくらいには(シャーリーは現状で満足してるらしく、アクセサリを強化したくらい←隠蔽強化を付与)


更に、強化したことによりバックアップ処置も施す…ここまで強化しておいて、あっさりとロストしては一番複雑化して元に戻すことが不可能だと思われる思考コアをバックアップしておいた。体は設計図があれば幾らでも戻せるが(材料があれば)記憶や思考体系だけは替えが効かない…よって、バックアップは大事ということだ。



「レムとシャーリーとナルはできたな」


ナルはこの地には連れて来てないが遠隔でできないことはない。モンブランも一応バックアップは取ってみたが…マロンにずぶずぶな部分が多過ぎてバックアップから戻しても元に戻るかどうかは不明だ。


(他のゴーレム娘たちに対してはナルがメンテ時に定期的に取ってるみたいだからいいとして…)


ユグが開放されたらチェックとメンテをしてからバックアップを取る必要があるか…と考えたザックだった。



- 制御管理体の試運転 -


制御管理体をストレージから出す前に、漆黒の大木群を予定数伐採完了したと報告が入る。


「じゃ、障壁装置を創るか…」


全てストレージに収納(伐採して運んで貰うより、魔眼で視て収納する方が早いので)し、障壁装置を手早く組み上げる。物質変換でダークマターに変換した後、障壁装置を組み立てて制御コアを組み込むだけの簡単なお仕事だ。それを必要数組み上げるまで30分足らず…



「ねぇ…時々MPポーション飲んでるだけなんだけど…マスター、本当にその…しょ、障壁?」


「障壁装置ね」


「そうそれ!…を組んでるの?」


「何でも、ストレージの中で錬金術を行使なさってるそうだよ?」


「ストレージ?」


「アイテムボックスの上位版の収納の魔導具ね。マスターはご自分でそれすら創り出したんだそうだ。私らはそのストレージ内の錬金魔方陣で創られたって訳」


「そ…そうなんだ。私たちはマスターのあの指輪の中で…」


「何を考えた?」


「いや…そのね?…私たちはあの指輪が母親の胎内になるんだなぁ~…って思って」


「あぁ、そういう…ちなみに、用が無い私らの仲間はあの中で寝てるから…どちらかといえば倉庫みたいなもんだけどな?」


「倉庫って…何か、いきなり現実を見せられたような…」


「あははw…まぁ、マスターはとてつもない施設をあの指輪に内包させて持ち歩いてるみたいなもんだな」



…などと、暇を持て余したゴーレム娘たちが駄弁ってる中、一所懸命MPを振り絞りながら障壁装置を創造していたザックであった…ドンマイ!


※森の中で何も無い場所なので、取り敢えずソファを取り出してからそこに座りながら作業をしていた模様。そして護衛と称してレムが横に侍って(座ってイチャついてるようにしか見えんがw)いたのはいうまでもない…


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ロールアウト直前で周辺機器の素材が用意できたと邪魔が入り、結局未完成なオチにw


備考:よくあるw(それ、備考で書くことか?)

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