10.5 その1.5 ~閑話~

サンフィールドを出る時にザックが新たに買い足した物を知っているだろうか?

…そう、門番に不審に思われて止められた時に持っていた、目立つ代物だ…

日差しがきついから…と苦しい言い訳で持ち出した「木の板」だ!(んな力を込めていう程の物じゃないが…(苦笑))

今回は省略されてしまった、読者が訝しんだ語られてない話をしようジャマイカ…

※いやだって、「馬車を待つつもりじゃなかったのか?」…とか、「心変わりの背景を書けば…」とかいうんだもん(作者が木の板という小道具を持たせてたのに使う機会を書くのを忘れてたとは大っぴらにいえな…あ、ここで書いたら意味ないやんw)

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- 木の板を使って何をするのか? -


「ここまで来れば見えない…よね?」


道は多少曲がりくねっている為に…というのもあるが、林が左右にあり距離もそこそこ離れている為に目視確認も難しいだろう。


「じゃ…板を下に置いてっと…」


上手くいけば馬車に乗るよりは遥かに早く帰れると思うんだが、まずは実験してみなければ話しが始まらない!…といわんばかりにザックは目を瞑って念じる。


そよ風ウインドを板の地面側に留まらせて地面から浮かび上がらせるように…)


そよ風ウインドを意思決定で後方に噴射できるように。噴射点を左右2箇所にし、片方を停止させると曲がれるように…)


そよ風ウインドを意思決定で下方に噴射できるように。噴射点を前後2箇所にし、片方を停止させて傾斜を付けられるように…)


…と、基本パターンを作り込み、付与魔法として木の板に付与する。念の為、落とされないように安全紐(土ロープ)を付けて一応の完成とした。


「取り敢えず、完成…かな?」


ザックは木の板に乗り込み、立ったまま土ロープを掴んで引っ張り…体を木の板に固定する。所謂、地上でやや幅広のサーフィンみたいな…いや、そんな恰好いいものではないが…


「さてっと…「起動」!」


ぶわわっ!…と風が木の板の裏側に吹き出され、凡そ5cm程の高さで停止する。尚、ザック自身の魔力を使用すると使い過ぎてぶっ倒れるのを防ぐ為、砂漠で創造した魔石を使用している。未使用新品の為、それなりの時間使えると思うがどの程度もつかの検証も兼ねている為、取り敢えず1つだけ取り付けてある。


(よし、起動は成功っと…次は)


「「前進」!」


ぶしゅうう!


背後から噴射音が聞こえて来てゆっくりと前へと木の板が進みだす。道は暫く真っ直ぐだった為、取り敢えず直線を噴射の勢いを変えながら検証を進めていた…



「…お、曲がり角か」


目の前には大きな岩。そして右へカーブする曲がり角だ。そして気付く…結構な速度で進んでいることに。そして!


「右前進噴射停止…お、うん徐々に曲がり始めたな…あ!」


そう…曲がり始めたのはいいが、進入速度が早過ぎるのだ。このままではカーブを曲がり切れずに大岩に直撃して…いやいや、ドリフトしろとかエアカーみたいな木の板には無理!!(まさに(空)気の板だし!(駄洒落かっ!w))


「うおお!…緊急停止の逆噴射を設t」


どがっしゃあっ!!!


木の板は見事に大岩に直撃し、ザックも直撃ではないが掠るようにぶつかって…装備していた身代わり人形スケドが破砕するようにザックの命の代わりに散ったのだった…



「ううう…酷い目に遭った」


自身にヒールハンド癒しの手当てを掛けながら、トボトボ歩き出すのだった。


木の板?…流石に木っ端微塵に近い為に耐久値再生デュラビリティ・リペアーは効かないので残念だがある程度片付けて纏めてから燃やして処分したのでした…


教訓:何事もあらゆることを想定して創りましょう!


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設計ミスに依る自爆…魔法が使えないことも考えて、その2の薬草摘みに続くのでした(苦笑)

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