20 その18

第3階層で5日目の朝?を迎えた「息吹いぶく若草」チームは、ザックの鍋をお玉でごんごんで強制的に起こされることとなるのが日課になっていた。朝食を食べている時にそれは起こった…接近警告音が木小屋ログハウスの中に鳴り響いたのだ。ガラス窓から外を伺うと名も知らない人間が6名。しかも内1人は偉そうな態度を取っていることがわかった。全員(あ、これ面倒なことになるな…)と思ったが事実そうなった。偉そうな人物が率いる集団が結界を攻撃してきたのだ。ザックたちはこれを何とかして振り切り、地上へと帰還を果たしたが…

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- 探索者ギルド・応接室 -


「…はぁ、お前ら…。毎度って程じゃあないがよく面倒事を持ち込んでくれるな?」


オサールが頭をガリガリ掻いて溜息を吐いた。彼は探索者ギルド職員で、一般職員たちの1個上の…いってしまえば中間管理職、らしい。普段受付前をうろうろしているのはギルド員たちやギルド職員を監視している為で、暇を持て余してうろうろしてる訳ではないとのこと。知らない者からすれば、仕事をさぼって適当してるようにしか見えないが…(苦笑)


「いや、今回だけは俺らが首突っ込んじゃいないっていうか…なぁ?」


マシュウがチームメンバーに目をちらちらと目配せして同意を得ようとする。


「そうそう。あちらさんから先制攻撃してきたんだよ」


ジャッカルが投げ槍に溜息吐きながら吐き出すように同意。


「…そうね。でも、下手したら殺されるんじゃないかしら?」


ジュンが視線の定まらない目で話すと、


「おいおい、そりゃどういう…」


マシュウがジュンに問い質そうとする。と、応接室の外がにわかに騒がしくなってきた。


「…あ」


パトリシアが耳をそばだてながら一言漏らす。


「どした?」


じゃッカルが訊くと、


「…あの偉そうな人の声が聞こえる」


と、今一番聞きたくない回答が返って来たのだった…


「「「え…どどど、どうするよ!?」」」


パトリシア以外の3人がどもりながら狼狽えだす。その時、ザックが部屋の4隅に何かを置いて歩いて回っていた。


「結界展開」


ぴしっと空気が変わったような雰囲気が漂った後、廊下からどかどかと床を強く踏みながら歩く音が近付き、ドアを


ばん!


と開いた音が響き渡る。


「…やっぱり」


ザックがいうと、全身を包帯でぐるぐる巻きの偉そうなおっさんがそこに居た。


「きっ…貴様らぁぶべっ!」


こちらに飛び込もうとしたのだが、結界に阻まれてドアの内側で変顔を晒しながら強制停止する偉そうなおっさん。包帯でぐるぐる巻きで目と鼻と口だけが見えているだけなので、そこまでは変顔でなかったが。


「結界か…」


マシュウと相手側の軽戦士が同時に同じ台詞を放つ。ザックも、まさか室内で攻撃魔法は放っては来ないだろうと思っているので「物理結界」のみ展開していた。訳もわからずいきなり拘束されるのは御免被るし、痛いのも嫌だからだ。尤も、魔法攻撃が実行されるならば即座に遮音結界と対魔法結界は展開可能だ。


「ぐぅっ!…何処の宗派の者かは知らんが…いや、結界に突出したあそこならこのような使い手もいるか。くっくっく…貴様!…古巣の宗派を滅ぼされたくなくば、この結界を解いて我が軍門に下るがいい!」


「宗派?…古巣?…何をいってるんですかね?」


偉そうなおっさんが昏い笑みで嘲笑しながら放った台詞にザックが首を傾げていると、


「え?…ザックくんて土属性魔法使いですよね?」


「え?…聖職者だったの?ザックくんて」


と、ジュンとパトリシアが混乱し、


「ザック…お前、聖職者だったのか?」


とジャッカルも追い打ちをかける。


「…そういえば何処の出って聞いてないが…お前、何者だ?」


マシュウが今更な質問をぶっこんで来たが、


「ザックくんはな…此処からサンフィールドとは逆方向の山2つ越えた所の出身だよ」


と、オサールがぼかして曖昧に答える。実の所、ザック自身も村の正式な名前は知らないのだが、知らなくとも村とだけわかってれば生活するには問題は無かった。故にオサールの説明した以上の言葉をもっていないザック。


「聖職者ではない?…そんなバカな!…結界なぞ、神聖魔法の使い手でなければ構築できないだろうが!?」


実はそんなことはない。媒体である結界石と生活魔法を使えるだけの魔力があれば、誰でも構築は可能なのだ。但し、結界の防御力には差が出るし展開規模にも維持時間にもバラツキは出る。普通の生活魔法使いの魔力量なら1種類しか展開できないし攻撃魔法1発で破れる可能性もあるだろう。また、透明な結界に限るなら水・風属性魔法でも似たようなことはできる(但し、熟練者でなければ展開・維持すらできない場合もある)し、物理結界ならば土属性魔法でも可能だ(その性質上、視界が塞がれることにはなるが)一般的には火・水・風・土の4属性に加えて聖・闇の2属性を加えた6属性が有名で属性魔法といえばその6つを指すことが多く、それぞれの属性でできるできないがはっきり区別されているようにいわれているが、微妙にできることが重なっていることは知られてないようだ…そして、それ以外の属性が存在することも!


(僕の場合は結界石を利用した結界術なんだよね…生活魔法にはそもそも結界って無い訳だし)


ザックは相手が怒鳴っている内容を殆どスルーしつつ、そんなことを考えていた。交渉はマシュウに丸投げな訳だけど、双方共に主張が全くといっていい程絡まなく。すれ違いを繰り返すばかりであった…


(あちらさんは…考えるのもアレだけど、第3階層で木小屋ログハウスを利用して休みたかったのに入れなくて激怒してると。それが2回。収納した所を見てないけど消し去った所から、アイテムボックスか出し入れするスキルを所持してるって考えてるみたいだなぁ…悔しいけど殆ど合ってるんだよね。主張が合ってるのならば、名乗り出てないけどどこぞの貴族さまと。侮辱罪?…とかで、こちらを抹殺するのとアイテムボックスを寄越せと…脳みそ年中晴れてんのか?)


外面はいいけど内面は暗黒面も持ち合わせているザック。段々と怒鳴られてる内容に対してムカついてきたようだ。


(別に面識も無いしダンジョン内では身分なんて無関係だって聞いてたんだけどどうなんだろ?…第一、そんな身分の高い人がダンジョン内でいきなり来られたって困るような…だって全然そんなの聞いてなかったし、いきなり攻撃された訳だし…)


ダンジョンの中でいきなり攻撃魔法を浴びせられる…実に通り魔案件である。ふと、オサールに視線を向けるザック。密かに紙に書いたメモを手渡し、読んでくれとジェスチャーする。


「…」


こくりと頷くオサール。後ろを向いてメモを手早く読み、暫し考え込む。そして振り向いてザックにウインクを1つ。この世界の男性は、いちいちウインクしなくてはいけないのだろうか…(謎)



「フレグナンス男爵。宜しいですか?」


オサールが大声ではないが、よく通る声で目の前の偉そうなおっさんに声を掛ける。ぴたりと止まる怒鳴り声。数秒の沈黙の後、


「な、何かね?」


と、フレグナンス男爵から戸惑いの声が出る。


「あ~…ダンジョン内での一方的な攻撃魔法に依る先制攻撃をしたとの証言があるのだが…」


メモを見ながらオサールが確認すると、男爵はダラダラと脂汗を流しながら


「知らん!…わしは知らんぞ!!」


と、狼狽えながら否定した。いや、それだとやったと自供してるに等しいのだが…


「…と申してますが?」


オサールがザックたちを見ていうと、


「まぁ…実質的にはこちらに被害は無いんですがね」


「…ほう。では、攻撃は受けてないと?」


マシュウがいい辛そうにいうと、オサールが重ねて質問をする。


「いえ、攻撃は受けました。ただ…」


「ただ?」


ジュンがこれまたいい難そうに弁解しようとするが、ザックの能力に関することなので自分たちがべらべらと喋っていいものなのか判断が付かずに言葉を濁してしまう。


「あ~、そうですね。じゃあ説明するので皆さん、外に出て頂けますか?」


と、ザックがギルドの外に出るように促すが…


「貴様ぁ!…外に出るだとぉ!?…そのまま逃げるつもりかぁっ!…させん、させんぞぉ~!!」


と、脅しにかかる男爵。


「…黙りなさい、フレグナンス男爵」


「うぐ…ちっ」


謎の迫力を以て男爵を抑えるオサール。オサールだけに抑えるのは得意なのだろうか?…なんて駄洒落ではないと思うが、全員、オサール先導の元に探索者ギルドの外へ向かうのだった…但し、正面の出入り口ではなく宿の裏庭へ、だが…



- 探索者ギルド直営宿・裏庭 -


「では、少し離れてて下さい」


ザックが全員裏庭に来たことを確認すると、真ん中から離れるようにお願いする。ギャラリーは先程応接室に居た面々とフレグナンス男爵の雇った冒険者のみだ。オサールの計らいで裏口に2人程職員を配置して余計な人が来ないようにして貰っている。勿論、その2人にも、更にザック以外の全員にも見聞きしたことは口外しないように契約魔法で縛ってもいる。


(別にそこまでしなくてもいいと思うけど…まぁいいか)


ちなみに「息吹いぶく若草」チームの面々は既に同じ契約魔法を施している為、今回は除外されていることを記しておこう!



ザックは巾着袋に手を突っ込んでそこから取り出す風を装ってストレージから木小屋ログハウスを取り出す。少し拡張してあった為、裏庭でも割とギリギリの大きさではあったが…


木小屋ログハウス取り出し」


本当は頭の中で唱えればいいのだが、わかり易く声に出してコマンドワードを唱える。


「「「…おお!」」」


ギャラリーがわかり易く驚き、驚愕の声を漏らす。裏庭の外は壁がある為に外からは見られないし、人通りは少ないが声を抑えて貰っていた。


「…ここに、攻撃魔法の「爆炎魔法ファイヤーボール」を当てられた跡があります」


てくてくと歩いて近寄り、如何にも少し焦げました的な跡を擦って指し示す。


「確かに」


「少しだけど焦げてますね」


(あれって最初に見た時の奴よね?…手を抜いた時の奴なら焦げ跡なんて付かないし)


(流石に男爵が殴った跡はついてないみてぇだな…)


様々な思惑の元、木小屋ログハウスを凝視していた面々の中から1人だけ声を大にして叫ぶ者が居た。


「これだ!…この小屋だ!…貴様…「わしの物」を勝手に盗みおって…恥を知れ、恥を!」


フレグナンス男爵だ。


「は?」


「え?」


呆けた声が白けた場に流れる…


「あの、おじさん。これ・・が何故貴方の物と思ったんですか?」


思わずザックが質問すると、


「わしが「わしの物」といったからだ!」


唾を飛ばしながら木小屋ログハウスに駆け寄る男爵。如何にも自分のいったことが全面的に正しいと信じ切っている自己中の見本だ。このような者に権力を持たすと馬鹿に刃物にしかならないのだが、この国の権力層はこんなのばかりなのならば先は長くないだろうなとザックは溜息を吐く。


「そう、ですか。ならそれは差し上げますのでご自由に持ち帰って下さい。但し、今後僕とは一切関わらないと契約してくれることを前提に、ですが」


ログハウスの中に入れておいた持って帰られると困る物全てを収納して回収し(一応マシュウたち4人の私物も少しだけあったので回収して後で返却する)てから、裏庭にでん!と突っ立っている木小屋ログハウスには目もくれずにオサールに目配せをした。オサールはそれだけで頷いて裏口に立つ職員に声を掛けて魔法契約書を取りに行かせる。


「それには及ばん。わしの声が神の声だからな!…わしが白といえば黒も白となる。つまり、お前は死ぬまでわしのいうことを聞いてればいいのだ!」


「な…」


なんて奴だ、といおうとでもしていたのだろうが、マシュウを手で制してザックが一歩歩み出る。


「神といいましたか?」


「おうとも。わしが神だ。何か文句があるのか?」


「では、その証拠を示して下さい。そうですね…今すぐ自身の力で空でも飛んで下さい。風属性魔法の力も使わずに、神力だけでです。神さまなら簡単ですよね?…後、10秒以内に…そうですね。お隣のサンセスタの砂漠の砂をここに運び込んで下さい。何、少量で構わないですよ。1トン程度で構わないので!」


本当に神さまならその場に居ながらにして砂漠のマナを多量に含んだ砂を1トンといわず裏庭一杯に、しかも一瞬で転送することができるだろう。つまり、唯の人間にはできないが神なら簡単にして大した力も使わずに可能な作業を提案したのだが…


「そ…そんなことができる訳がないだろう!ふざけているのか!?」


と、大変お冠になる男爵。


「神さまではないのですか?…僕の知っている神さまでしたらそれくらい簡単にやってくれるのですが…」


逆に10倍も20倍も持って来られて困ったことに…いや、内緒の話しなので話せないけど…


「何処の神がそんなことをほいほいと引き受けるのだ!?」


顔を赤くして怒鳴る男爵。問答してるようでこちらの話しを否定ばかりしている。矢張り、自称神のこの男は唯の権力を少しばかり持っている人間に過ぎないのだろう…それも、知性も人間性も低い…


「はぁ…」


溜息を吐いていると、オサールが契約書を持って来た。


「これを…内容はこれでいいか?」


ザックが見せられた内容を読み、頷くとサインする。


「男爵。ここにサインか拇印を」


オサールは男爵に契約書を差し出すが、


「そんなものにする訳がないだろう!」


と、ばし!と手で叩き落とす。


「…うむ。これで契約は成された」


「はぁ!?」


契約書を見るとサインも拇印も無いが、手で叩いた時に魔力が漏れていたのかハッキリと魔力文字で男爵の名前が記されていた。魔法契約書はインク名前を書かなくても血で拇印(血判?)をしなくても効果が有るらしい。溢れ出た魔力はザックと男爵を包み込み、唐突に消え失せる。


「なっ!?…○×△□!!」


(何か叫んでるようだけど、男爵は僕に対して罵詈雑言もいえなくなった。契約内容にそういうのも盛り込まれてたんだけど、発音すらシャットアウトするとか…凄い性能だなぁ)


「うむ、問題なく契約は効いているようだな。ではわしはこれで…」


軽く会釈をしたオサールは裏庭の出入り口から戻って行った。裏庭に人が居る限りは見張りの2人は残るようだけど、全員が居なくなれば仕事に戻るんだろう。


「ありがとうございます…じゃあみんなも戻ろうよ。まだドロップ品の換金とか終わってないし…」


「あ、あぁ…」


「あれ、放置しといていいの?」


マシュウがザックの言葉に気後れしながらも同意して後に続こうとするが、ジュンが裏庭にどっか!と鎮座している木小屋ログハウスを指差しながら突っ込む。


「男爵さんが欲してたんだし、自分たちで運ぶんでしょ?…あぁ、どれくらいの値が付くか知らないけど、代金は受け取らないとね…」


腰巾着のように同行していた(本人たちはそのつもりはないだろうが)5人の冒険者風の人たちだけで運べるかは知らないけど、まぁ無理だろうなぁ…と思いつつ、ザックは知らん!と振り向かずにそう捨て台詞を残して歩いてった。少しだけ戸惑っていたジュン以下3人も、これ以上関わり合いたくはないと、マシュウの後に続く。



「…なぁ、これ、俺たちで運ぶのか?」


重戦士の低い声がリーダーである軽戦士に訊くと、


「俺に訊くな。第一、この高い壁から外に運び出せないし、裏口の小さいドアからどうやって運べと?」


リーダーの軽戦士が尤もらしい返事を絞り出す。


「…力の無い俺と術師の2人には無理ってわかってますよね?」


筋力だけでいえば重戦士が第1位。第2位が軽戦士のリーダーだ。他の3人は職業からして物を持ち上げる筋力など低いか無いに等しい。箸しか持ったことがないなんていわないが5人の力を合わせても木小屋ログハウスを持ち上げることすら敵わないだろう。


「…で、この小屋を欲した男爵さんよ。どうするんだ、これ?」


最早赤を通り越して赤黒く染まった男爵は、怒りが頂点を通り越してぶっ倒れたのだった。


「…あ~あ…。契約に抗って倒れちゃったよ。どうする、これ?」


「さぁな…契約は今日までだし、屋敷に運び込んだら終わりだろ」


「そうだな。取り敢えず運ぶぞ。後、この小屋に関しては…あの少年に交渉して何とかするか、人足ギルドに頼むしかないな…はぁ」


アイテムボックスやストレージを用いてもこれだけ大きな物を収納できるような大容量の魔導具を所持している商人はそうはいない。この町ではなくもっと栄えている町や王都ならば存在するかも知れないが、貸し出して貰えるだけの信用も無いしどれくらいの費用が掛かるか…考えるだけで背筋が寒くなるだろう。


「はぁ…」


一番手間も掛からないのが所有者のあの少年に回収して貰うことだ。謝って済む物なら幾らでも頭を下げても構わない。我々の所持金を全て注ぎ込んでもこの裏庭から運び出すことが叶うかどうかも怪しいし、あの男爵も唯運び出すだけで満足するかどうか…


「ギルドの者に、動かせないのはわかるだろうから、暫くこのままになると伝えておいてくれ。俺たちはこれ・・を屋敷に運んでくるからな」


軽戦士リーダー重戦士サブリーダー男爵雇い主の体を湧き下と両足を持って運び出し、他3人は受付カウンターへと向かうのだった…



- 取り敢えず、報酬受け取りと換金です! -


「お疲れ様でした!…今回はこのようになっております。お納めください」


再びリンシャさんの受付に並び直し、1時間程経過してから受付に到達し、報告を行った後に倉庫へ行ってドロップ品を渡して査定を待つこと更に2時間。査定証明書を持って三度受付カウンターへと戻って来た訳で…いや、疲れました。


「有難う御座います」


ニコニコとお金を入れた革袋を入れたトレイを持って来たリンシャさんに、疲れた顔でザックがお礼を述べる。


「それとは別に、ザックくんに「井戸の水生成魔導具の費用」を預かっています」


と、小さ目の袋を手渡される。


(あれ?…あれってそんなに安い物じゃないと思ったんだけどな…まぁいいけど。元はサンフィールドの砂だから原価0だし…)


自分の消費魔力はプライスレスとでも思われたかなと思いつつ、小袋を巾着袋に仕舞い込むザック。


「じゃ、後ろがつかえてるし行くね?」


「はい!またのお越しを待っています!」


リンシャが小さく手を振っているが、軽く会釈をして受付カウンターを離れる。ちなみに今回の収支はこんな感じ。精神面では大きくマイナス方向に振り切ってるけど、まぁ今後はあんな接触も無いだろうし考えるのは止めることにした。



【査定証明書】

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※細かい情報は省略(特筆事項だけ残すようにした)

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【他】

第1・第2階層の魔物のドロップ品はオークを除き全て銅貨1枚で買い上げられ、一定額を超えた場合にランク別の倍率で徴税される(銀貨2枚以上あれば徴税)

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◎ドロップ品売却額(魔石(小)と破片含む)…総額 銀貨37枚 銅貨89枚

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合計額(税抜き)…銀貨22枚 銅貨73枚 ※税率40%


【オーク】

◎ドロップ品売却額(各種含む)…総額 銀貨11枚 銅貨65枚

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合計額(税抜き)…銀貨6枚 銅貨99枚 ※税率40%


【ウルフ】

◎ドロップ品売却額(各種含む)…総額 金貨1枚 銀貨49枚 銅貨90枚

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合計額(税抜き)…銀貨89枚 銅貨94枚 ※税率40%


【フロストウルフ】

◎ドロップ品売却額(各種含む)…総額 金貨1枚 銀貨96枚 銅貨24枚

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合計額(税抜き)…金貨1枚 銀貨17枚 銅貨74枚 ※税率40%

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総合計額(税抜き)…金貨2枚 銀貨37枚 銅貨40枚 ※税率40%

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(前回は金貨5枚 銀8枚 銅貨66枚だったけど今回は金貨2枚 銀貨37枚 銅貨40枚かぁ…。やっぱり同じ場所で狩ってると湧きが悪くなってドロップ率も下がっちゃうのかな?)


ダンジョンという特殊な場所だけに、地上と違って魔物は一定時間を経過するとリポップ再出現する。地上であっても魔力が濃い特殊な場所なら同じ現象が発生するが、普通の動物ならば1度狩ってしまえば他から流入し、繁殖しなければ獲物が狩れないしそのスパンは数箇月から数年は掛かるだろう。つまり、狩り過ぎて獲物が居なくなってしまえば個体数が戻るまで時間が掛かるし、最悪何も住まない土地となってしまう。そのことを考えれば、食料としての肉をドロップするオークが存在する第2階層は貴重な食糧庫ともいえる。それ1つをとっても、辺境で大した産業もないマウンテリバーが守っていくだけの価値をダンジョンは有していた…


(まぁ、僕がダンジョン以外を知らないだけなんだけどね…。多分、普通に牧畜くらいはあると思うけど…)


ザックは歩きながらもう1つの報酬…探索者ギルド直営宿の裏庭に設置された井戸2つの底にある魔導具の代金として渡された小袋に入っている貨幣を、明細書を見ていなかった…その額を知らずに巾着袋に放り込み、後日驚くことになるだろう!(税金は探索者ギルドからの依頼という扱いで、徴税済み…ということでそのまま手元に残る額として書かれていた)



【井戸の水生成魔導具の費用】

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◎飲料水生成魔導具の費用内訳

・水属性魔石(大)   …金貨128枚

・魔力蓄積魔石(中)×5…金貨250枚(@金貨50枚)

・筐体(ミスリル製)  …金貨35枚

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合計:金貨826枚(@金貨413枚)

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制作手数料込み費用…大金貨1枚



周辺魔力が絶えなければほぼ無限に(メンテナンスは時々必要となるが)飲料水を生み出す魔導具は水不足の地域では金貨よりその価値は重い。そんな魔導具を創り出せるザックは希少価値があり、いち男爵のような…それも使い潰しかねない者の元へ置くなど国としては捨て置くことはできない。実は、そのような判断が密かに下されており密命を帯びたオサールが動き対処したのだがザックはそんな裏があったとは露とも知らないし、知らされることもないだろう…


「はぁ、お腹空いたね。何処かで食べていかない?」


…と、のんきにマシュウたちに提案し、喜んで賛同するマシュウたちに担ぎ上げられて町の大衆食堂に向かうのだった…


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※ジュンとパトリシアに両手を繋いで歩くのは恥ずかしいので、マシュウに肩車されて親子みたいな状況で繰り出すが、マシュウは独身だった!

おばさん 「あらマシュウさん、結婚したの!?」

マシュウ 「いや、まだ独身ですよ?」

おばさん 「だってその子!」

マシュウ 「…おいジャッカル代われ!」

ジャッカル「何で俺が…」

※などなどw



備考:

探索者ギルド預け入れ金

 金貨250枚、銅貨1617枚(変化なし)

ストレージ内のお金

 金貨170枚、銀貨70枚、銅貨1315枚(変化なし)

財布内のお金:

 金貨1枚、銀貨58枚、銅貨53枚(変化なし)

今回の買い物(支出金):

 地上に戻ったばかりなので変化なし

ザックの探索者ランク:

 ランクC(変化なし)

本日の収穫:

 ※飲料水生成魔導具…大金貨1枚(但し、未確認の為保留)

 ※今回のダンジョン遠征?の分配金…後で。但し、今回は均等分配としたので、銀貨47枚 銅貨48枚となる予定(共有資金は前回の金貨3枚があるので今回は仕分け無し)

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