▼『権臣伝』

（約二万五千字）

　広域中国史のははそしげきさんの作品です。

　舞台は南宋の末期。

　南宋皇室の外戚として政治を専横し、最終的には祖国を蒙古（モンゴル）へ売り渡した売国奴であると、その悪名が記される賈似道（かじどう）。

　彼は本当に極悪人だったのでしょうか。

　作中における彼の言葉にある「誇りか平和かと問われるならば、迷わず平和を選ぼう」という考えは、「命を捨ててでも忠義を全うする」を美徳とする朱子学が国教となっていた宋において真逆とも言えるものです。

　そんな賈似道の視点から、宋蒙四十五年の戦争を振り返った作品です。

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