第4話 「米粉投入」作戦
レシピによると、本来、サイリウムハスクを入れた時点で、生米のとろりとした生地は粘り気を帯びるらしいのだが、その状況になってくれない。
諦めずにミキサーをぐるぐる回転させる。混ぜ方が足りないんだ。そう思って、ミキサーをフル回転させた。
しかし、いくらやってもびしゃびしゃのまま。同じ量の片栗粉を入れても粘り気は出なかった。やはり代用品には無理があった、ということかもしれない。
とにもかくにも、ねっとり、もったりしなければ、パンは焼けない。
酵母の臭さで弱りかけている上に、いつまで経ってももったりとしない苛立ちから、私は「最終手段だ!」と言って、米粉をミキサーにぶち込んだ。正直量はテキトウである。
米粉は、仕上げに使う為だけに500グラムのものを買っていた。米粉は、少量単位では売っていないのだから仕方ない、と思っていたが、ここで思わぬ救世主となった。
米粉を何回かに分けていれた(結構な量)ところ、もったりしてきた。レシピには反しているが、いい感じである。
その生地を丸め、クッキングシートを敷いたバットに間を空けておく。そして、20分の発酵を行う。
20分経つと、ひとまわり生地が大きくなるらしいのだが、私のは一向に変化がなかった。しかし、ここまで来たのだから焼いてしまうしかない。
私は220度に温めておいたオーブントースターに入れる。
13分後に、こんがりと焼けていたら完成だ。
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