【24話 太陽のぬくもり】
マサルンは家の中に入ると勢いよく叫ぶ。
「ただいま帰りました、かっこ真顔」
明かりが
そして、ショウコが
「あら? こんなに帰って来るのが遅くなるなんて聞いてないんですけど?」
とぼけた顔を作りながら呟くマサルン。
「あら? 帰りが遅くなるって言ってなかったっけ? かっこ冷や汗」
「お父さんより遅い時間に帰って来るとは思わないじゃない?」
マサルンは目元に手を添えながら
「そんなこと言われても、こっちも大変だったんだよ、かっこ涙目」
眉尻を下げながら深いため息をつくショウコ。
「アーノルド君が行方不明になってるんだから、次はもしかしたらマサルンが帰って来なくなるかもしれないって思うのが、親ってものでしょう?」
「『でしょう?』って聞かれても、オレには分からないよ、かっこ冷や汗」
ショウコは眉尻を上げながら語気を強める。
「そういうものなのよ! それで、その腕の傷は一体何? それに、持ってるその物騒な物は?」
「あー、ちょっとね、かっこ冷静」
頬に手を当てながら首を
「もしかして、こんな夜中までアーノルド君を探し続けてたのかしら?」
マサルンは頭を掻きながら硬い笑顔を作る。
「うーん、そんなところかな。あれ、お母さん特殊能力でもあるの? よく分かったね、かっこ笑い」
「電気網の外にも行ったのかしら?」
軽く
「行っちゃったね、かっこ真顔」
「その腕のケガと物騒な物はそういうことなのね」
マサルンはたじろぎながら呟く。
「……大きな犠牲もあったんだけど、ケガと引き換えに子供を見つけてきたんだよ。多分あの子がアーノルド君だと思う、かっこ冷静」
目を見開きながらこわばった顔を作るショウコ。
「えっ……大きな犠牲って何かしら?」
マサルンは眉尻を下げながら
「……アーノルド君を探すのに、
腰に手を添えながら怒鳴るショウコ。
「何やってんのよマサルン!」
「えっ、人助け? かっこ冷や汗」
ショウコは頭を抱えながらたじろぐ。
「命を失う危険な場所に一人で勝手に行くなんて、もしもの事が起こってたらと考えたら、私は耐えられないわ!」
こわばった顔を作りながら頭を掻くマサルン。
「一人じゃなくて、ンザールゥもいたけどね、かっこ苦笑い」
「そういう問題じゃないわ! ……勿論だけれど、ンザールゥちゃんも無事に帰って来たんでしょうね?」
マサルンは硬い笑みを浮かべながら頭を撫でる。
「うん、一緒に戻って来たよ。ンザールゥも凶暴な生物に襲われて腕ケガしちゃったけど、かっこ冷静」
頭を抱えながら眉をひそめるショウコ。
「凶暴な生物って、ちょっと……勘弁して欲しいわ」
「だって、お母さんがそうしろって言うからさ、かっこ苦笑い」
「ここまで大きな事になるなんて思わないじゃない?」
「オレもこんな事になるなんて思わなかったよ、かっこ冷や汗」
「それで、アーノルド君は無事だったのかしら?」
「アーノルド君かは分からないけど、助けてくれた警察官――イポーテャさんのお陰で、なんとか子供は助けること出来たよ、かっこ冷静」
ショウコはため息をつきながら胸をなでおろした。
「そう、よかったわ」
そして、顔の近くで手を合わせ、“遠く”に向けて深く頭を下げるショウコ。
「そのイポーテャさんには感謝しなくちゃいけないわね、マサルンたちの事を守ってくれてありがとうございますって」
マサルンは真剣な眼差しをショウコに向けながら小さく
「うん、イポーテャさんがいなかったら、オレたちカイルに戻って来れてなかったと思うよ、かっこ冷や汗」
ショウコは腕を組みながら眉尻を上げる。
「でも、母親としては今回のマサルンの行動については納得できないわ」
眉尻を下げながらこわばった顔を作るマサルン。
「それは、ごめんなさい、と言うしかないかな、かっこ冷や汗」
「だけど、マサルン、いえ、マサルンとンザールゥちゃん、それとイポーテャさんが動いてくれたから助かった命もあったのよ。それは褒めるべきだと思うわ。間違った部分もあるけれど、マサルンとンザールゥちゃんは立派で素晴らしい事をしたわ。二人の行動力が誰かを救ったのよ」
マサルンは引きつった顔を作りながらうろたえる。
一方、ショウコは鮮やかな赤い髪を小さく揺らしながら笑顔を浮かべた。
リバースプレイインググラビティ 『重力は逆さだし、戦闘はじゃんけんで決まっちゃうけど、頑張って生活しています!』 !~よたみてい書 @kaitemitayo
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