第3話 だからこそ何度でも
その魂の人生設計は『3歳で虐待死』。
目的は『地上の虐待死を減らす為』。
私は、その魂が納得するまで、顔のパーツ選びに付き合った。
「やっと、理想の顔が出来ました!ずっと一緒に、顔のパーツ探しに付き合っていただいて、ありがとうございます、神様!」
「うむ、納得の行く顔が出来上がって良かった」
魂のオーラの色は、赤くなり大きく広がった。
使命を果たす為に地上に降り立ち、新しい肉体に宿るという意欲にあふれていた。
地上での3年という歳月が流れた後、彼女の心は傷付きながらも、魂は目的を無事果たせた満足感に満たされながら、またこの場に戻って来る事だろう。
その時、私は、暖かく迎え入れよう。
彼女の心が、十分に癒されるまで。
次回は、どんな運命を選択する事になるのか、現時点では分からないが、魂の癖は引き継がれる事が多い。
あれは、平穏に一生を終える事を願う他の大勢の魂とは違う、勇猛果敢な魂だ。
地上の人々に、自らの身をもって訴える為に、何度でも挑むような。
おそらく次回も、また極めて稀である過酷な人生を選ぶ事だろう。
ならば、その時も、こうしてパーツ探しを手伝おうではないか。
【 完 】
ひとつひとつのパーツを探した後は...... ゆりえる @yurieru
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